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店主ネウ

 核戦争による世界の崩壊から数百年。崩壊を生き延びた人々は環境に適応し、身を寄せ合うようにして日々を送っていた。


 そんな世界の数あるコミュニティの一つ、中規模都市ウェザーの一角にある廃材を寄せ集め、無理やりでっちあげたような佇まいの店舗で営業をするカフェ“フラッフィ”

 夜も更けつつある店内の客は疎らだが、客層はニンゲンや様々な形態のミュータントと多種多様だ。

 店を営む小さなイヌ型ミュータントのネウは、カウンターの向こうで店内に流れる崩壊前の音楽に耳を傾けながら都市広報を読んでいた。

「お。」

 音楽が途切れたタイミングで広報誌を閉じたネウは、時計と店内状況を確認する。

「そろそろか・・・すみません、店閉めるんで退店お願いしまーす!」

 そして、座っていた椅子の上に立って店内に呼び掛けた。

 その声に残ったドリンクを一気に飲み干す者や身仕度を整える者等、客達の反応は様々だ。ネウのいるレジカウンターには、支払い待ちの客による小さな列が構成されていく。

 すると、ニンゲンの中年男性が一人、支払いもせずに出口へと向かっていき、ドアを開けた。

 その瞬間に響く一発の銃声。

 ニンゲンの頭の横を通り抜け、外へと飛んでいく銃弾。

「お客さん、支払いをお忘れですよ?」

 そう警告をするネウの手には、古風な回転式拳銃が握られていた。

 突然の射撃に凍りついたニンゲンは、支払いを終えたオオカミ型のミュータントに肩と腕を捕まれ、強制的に支払い列に並ばされる。

 その後の会計は滞りなく進み、最後のニンゲンとオオカミを見送ったネウは店のドアをロックし、音楽のボリュームを下げた。

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