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ブーケのようなご褒美を  作者: 津々井サクラ
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小さな声6

 少し前から一星さんの姿をあまり見かけなくなりました。

 すみれちゃんが言うにはお仕事が忙しいんだとか。すみれちゃん元気が無くなっちゃうんじゃないかなんて心配もしたけど、すみれちゃんは強い子。まったくへこたれてません。

 私はそういうすみれちゃんが大好きよ。

「おはよぉ」

 すみれちゃんがどこかお買い物に行ってきたみたい。片手にお買い物の時の袋をぶら下げてる。どこに行ってきたの?何を買ったんだろうって気になるなぁ。

 きっとそれ、一星さんにプレゼントする為の物でしょ。分かっちゃうんだなぁ、私。

 だってすみれちゃんニコニコしてるもん。

 いつものニコニコじゃない。一星さんの前でだけ見せるニコニコ。

 きっと本人は気が付いて無いんだろうけど。私には分かるのよ。だってずっと見てたんだから。それくらい当たり前よ。

 すみれちゃんがいつものようにお水を持ってきてくれる。

 ねぇ、なにお買い物してきたの?絶対一星さんにプレゼントでしょ。

「この間ね、綺麗なカエデを貰ったの。だから押し葉にしてしおりを作るんだぁ。押し葉はやったことあるから大丈夫だけど、しおりって難しいね。濡れても大丈夫なようにと押し葉が離れたりしないようにラミネート加工するのと、穴も開けてリボンを通すの。不器用だから心配だけど、サシェも作れるようになったし大丈夫だよね?やっぱり違う葉っぱで試しに作ってみようかなぁ…」

 あらあら、よほど不安なの?いつもに増してよくしゃべりますね。

 でもきっと一星さんのことだから失敗しても喜んでくれるよ。なんてったって一星さん私に向かって「俺なぁ、すみれちゃんのことホンマに好きやねん。イベリスさんたちにも認めて貰えるように頑張るわ」って来るたびに言ってたのよ?

 あ、これ内緒の話だったのに話しちゃいました。まぁいいでしょう。

 さぁ、今日もイベリスの開店です。


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