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ブーケのようなご褒美を  作者: 津々井サクラ
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小さな声4

 夏という物が近づいて太陽が大好きな私たちも、暑くて暑くて限界を迎えそうです。毎朝のすみれちゃんの水やりだけが私たちの生きがいです。

 そうそう、あの日以降どんよりしたすみれちゃんは見ていません。

 あの大きな男が夜に訪れて、すみれちゃんが泣いているのを見た時は本当に歩き出してひっぱたいてやろうかとも思いましたが、すみれちゃんがその男を見てにっこり微笑んだので止めておきました。

 きっと彼がすみれちゃんを笑顔にしてくれたのでしょう。

 その前に泣かないといけないとは、人間は不思議な生き物です。

 おっと、すみれちゃんが恵みのお水を持って来てくれました。お顔はいつもに増してニコニコです。何かあったの?

「んふふ、ポプリ完成したんだぁ。上手くできてるといいなぁ。皆にあげるんだぁ」

 あぁ、それでニコニコなのね。ずっと完成を待ち遠しくしていたから、なんだか私も嬉しくなっちゃう。それにすみれちゃんが慣れないお裁縫ってやつを頑張ったのも知ってるよ。

 現にすみれちゃんの指には痛々しい傷が日に日に増えていたもの。今も傷が見えないようにテープで覆われてる。

 でもそれはすみれちゃんが新しい事に挑戦した証。頑張った証。

 きっといつもの皆も分かってくれるよ。皆に渡すのが楽しみだね。


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