キハ22
一度か二度しか乗車したことがないくせに、キハ22という車はなぜか若い頃から好きで、気に入っている。
その頃にはまだタラコ色は存在せず、キハはみな平和に2色塗りされていた。
キハ20の北海道バージョンがキハ22で、キハ58の北海道バージョンがキハ56。
ユーチューブで外国列車のビデオを見ていて面白く感じるのは、暑い国と寒い国では、どちらも車体側面の窓を小さく作ること。
腰板も幕板も幅が広く、正方形に近い小さい窓がズラリと並ぶ。
きっと断熱が目的だと思うが、寒い国では車内の暖気が窓から逃げるのを防ぎ、逆に暑い国では、車外の熱気が侵入するのを防ぐため。
それは国鉄でも同じことで、キハ22はキハ20よりも、キハ56はキハ58よりも窓が小さく作られている。
それは結構なのだが、キハ20ならクリーム色が、キハ58なら朱色が、窓部分に太く帯状に塗られているよね。
窓の寸法が小さくなっていることに合わせ、キハ56はキハ58よりもこの帯を狭くしたが、なぜかキハ22ではそういうことをしていない。
きっとキハ21の帯幅に合わせたからだろう。
(同じ線区で運用されていたから、キハ22とキハ21の混結編成は日常的に見られたはず)
しかし結果としてキハ22はクリーム帯が太すぎ、横から見た場合に少し間が抜けてしまったように思う。
クールなキハ22の唯一の欠点とまで言えば大げさか。
だがそれも、思いがけない出来事のおかげで消えてしまう。
そう、タラコ色の出現ですな。
車体を一色塗りしてしまうのだから、帯幅の太いも細いも関係なくなった。
だいたいにおいてタラコ色化されたキハは「変な感じ」になるものですが、キハ22は違った。
「これはこれでクールかも……」
キハ22の外観の変化は、タラコ塗装の数少ない功績だと個人的には思う。




