模型キット
昭和のHOゲージの時代、あなたがある車両の模型を入手しようと考えたとする。
完成品が発売されていればいいが、運悪く売っていない形式だ。
どうします?
じゃあ自分で作るしかない。キットは発売されている。
ところが、そのキットにもさまざまな種類があって……
(真鍮キット)
バラキットともいう。
車体パーツがそれこそバラバラ状態で箱に詰められている。
モーター、ギヤ類、台車と連結器、パンタグラフは別売りのことが多い。
真鍮板製だから、半田付けで組み上げる。
(エッチング板)
真鍮キットの一つ手前の状態。
部品は全く切り抜かれていなくて一枚板だが、窓とかドアといったものはエッチングで刻み込まれているので、そのまま切り抜き作業に取り掛かることができる。
切り抜きには糸鋸を用いる。
切り抜いて、折り曲げて、半田付けして……
(ペーパーキット)
ボール紙製のキット。
窓やドアはすべて切り抜いてある。
屋根板と床板は木製。
屋根板の木目を消すのが大変で、これだけで1週間ぐらいかかる。
(水で薄めたパテを塗って乾かし、紙やすりで平らにする。それでもまだデコボコが残るから、パテを塗るところから2回、3回と繰り返す)
紙製といっても、上手な人が作ったものは本当に素晴らしく、これが紙とは信じられないぐらい。
(型紙)
ペーパーキットの一つ手前の状態。
一枚もののボール紙だが、窓やドアの位置が印刷してある。
カッターナイフで窓を切り抜き、周囲を切り落とすとパーツになる。
後はペーパーキットと同様な組み立てだが、型紙のいいところは、とにかく「安い」。
(プラスティック・キット)
登場はかなり後。
Nゲージの板キットに続いて、HOゲージでも発売されるようになった。
最初の発売は、確かワム80000だったと思う。
値段といい手軽さといい、いささか衝撃的だった。




