キハ40
思えば、私が初めてキハ40に乗車したのは、飾磨港線でのことだったかもしれない。
そのとき気が付いたのだ。
車体側面にズラリと並ぶユニット窓のことだが、
「なぜ1個だけ小さな窓があるんだ?」
トイレに近い側だから車体の後部だが、幅が半分しかないユニット窓がポツンと存在しているじゃないか。
他の窓はみなおなじみの正方形ユニット窓なのに、これ1個だけが小さい。
ではその部分の車内はどうなっているかというと、ちゃんとクロスシートがある。
ただ幅が半分しかない分、やはり半分サイズのクロスシートだ。
かわいいと言えばそうだが、せまっ苦しい感じもしなくはない。
なぜこんなことになっているのかは知らない。
キハ40はセミクロス車だから、ロングシートを延長して、この部分もロングにしてしまう手もあったろうに、なぜか義理堅くクロスシートを守っているのだ。
そうやって半分サイズのクロスシートを採用するとして、私が設計者なら、この部分の窓はどう処理しただろう?
半分サイズのユニット窓は、もしかしたら通常のユニット窓よりも割高なのではないか?
ならばすっぱりあきらめて、この窓だけはHゴム支持にしてしまったかもしれない。
あるいは窓すらもあきらめて、壁にしてしまったかも。
ただの壁ではあまりにも不愛想だから、額をつけて路線図でも掲出するか(旧型客車の妻板はこうでした)、公告ビラでも貼るか、あるいは花瓶をつけて造花でも刺しておくか。
と、突然優雅な話になる。




