EF65
駅でPFの回送を見かけた。
EF510がけん引する貨物列車にくっついていたのだが、なんとナンバーが2092号機。
「いつの間にこんなに増えたのか……」
(もちろん改番の結果だということは知っております)
神戸近辺では、EF65は昔からおなじみの機関車なので、思い出もいくつかある。
友人たちと外出した時、車窓に見えるEF65(0番台)を指さして、
「あの機関車の重さは何トンぐらいあると思うか?」
と意地悪な質問をしたりした。
「うーん、5トン」
という答えが返ってきたが、正解を教えたら驚かれた。
デビュー時には「鉄道ファン」誌の表紙をPFの写真が大きく飾った。
一般型のEF65は既に存在していたが、PFにはPFの魅力がある。
「かっこいい」
もちろん私はその号を購入した。
当時、鉄道趣味の雑誌にHOゲージの広告が載るのは珍しくなく、そこにもいたのですよ。
某模型メーカー製のPF。
これもかっこよくてね。
もちろん欲しいと思ったが、値段が9950円もする。とてもじゃないが小学生には手が出ない。
お年玉をためて購入したのが、ほぼ2年後のこと。
しかも完成品は高すぎて買えず、キットでの購入。
当時のHOゲージ車両は完成品だけでなく、同時にキットも発売されていた。
メーカーにもよるが、
・完成品
・塗装済みキット
・未塗装キット
の3種類。もちろん完成品が一番高い。
一番安いのが未塗装キットだが、これは文字通り塗装のされていないもので、車体は金色のシンチュウのまま。
自分で塗装をする人というのは現在ほど多くはなかった時代だから、塗装済みキットにもそれなりに需要があったわけ。
だって塗装用のコンプレッサーなんて個人で持つ人はまずおらず、かと言ってスプレー缶に入った塗料もまだ売られていない。
だから筆塗りをするか、手押しスプレーを使う。
手押しスプレーといっても、お若い方はお分かりにならないかもしれない。
現在の家庭用品で似たものは存在しないが、長さ40センチぐらいの注射器のようなもの。
レバーを押すとピストンが動いて、先端から空気が噴き出す。
この空気流が「霧吹き器」の原理で塗料を飛ばし、塗装をする。
そうそう、ハンドスプレーなんて呼び名があったっけ。
もう何年もお目にかかってすらいない。そもそもは殺虫剤をまくための道具だったと思う。




