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新幹線60周年
なんとまあ、東海道新幹線が開通60周年だそうで。
東海道新幹線と言えば、個人的にいくつか思い出がある。
初めて乗車した時にまず驚いたのは、駅名標が漢字で書かれていたこと。
「しんおおさか」ではなく、「新大阪」
だから、
「僕には読めないや」
とまず思った(幼稚園児なので)。
だが、その理由もすぐに見当がついた。
在来線特急であれば、
「今はどこの駅を通過中かしらん?」
と首を伸ばし、窓外を見て駅名標を読むことも可能だろうけど、新幹線の速度ではまず駅名標は読めまいよ。
だから漢字化したのだろうね。
次に驚いたのは、200キロで走行中でも、窓外の景色がちゃんと見えること。
きっと私は200キロというのを過大評価し、景色など目にも止まらない速さで走ってゆくに違いないと期待していたのだろう。
だからひどく拍子抜けしたのだが、ここでまた変なことを考えた。
「新幹線の窓ガラスには何か細工がしてあって、本来は目にも止まらぬ景色なのを、ゆっくりに見えるようにしてあるに違いない」
馬鹿なことを考えたものだが、それほど落胆が大きかったのかもしれない。




