クハ
以前にも少し書いたことだけれど、山陽電鉄の3018Fには、個人的に思い出がある。
あれは中学の頃、私は学校のテストですごい点を取った。
科目は音楽で、13点。
これは学年で最下位だったそうだ。
すると両親はあわて始め、私に習い事をさせる気になった。
つてをたどって、音楽の教師をしている人を見つけ出し、週に一度、私はそこへ通わされることになった。
世にも珍しい、音楽のための塾通いというやつ。
そのために利用したのが山陽電鉄。
そしてある日、その往路に、私は3018Fに出会ったわけ。
今では3連だけれど、当時の3018Fは4連だった。
通常、3000系は
クモハ + モハ + サハ + クハ
という4連のはずが、3018Fだけは違って、サハの代わりにクハが入っているのが特徴だった。
クモハ + モハ + クハ3619 + クハ3609
クハをサハ代用にしている編成は他には存在しなかったので、よく目立ったわけ。
そして月日は過ぎて…、
あるときクハ3619は編成より抜き取られ、別のクハ・モハ・ユニットと組んで、3連を形成した。
しかしそのクハ3919も今はなく、別のクハに置き換えられ、先日廃車になってしまった。
数日前、3018Fを久しぶりに線路上で見かけたのだけど、クハ3609はまだお元気そうだった。
つまり、クハ3609よりも新しいはずのクハ3619が、なぜか先に廃車になったわけ。
考えてみれば、私がクハ3609と最初に出会ったのは、もう50年も昔のことになるのだね。




