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軽量車体

 昭和30年代、国鉄の新性能車両と旧性能車両は、こんな具合に並んでいた。

(表の上から下へ向かって、製造順で並べてある)



(客車)   (電車)    (気動車)

スハ43   モハ70    キハ04

オハ61   モハ80    キハ07



→ここまでが旧性能車両で、このラインよりも下は新性能車両←



(客車)   (電車)    (気動車)

10系客車  101系    キハ17系

       151系    キハ55系



 車体デザインといい台車といい、2つのグループの間にはスパッと線が引いてあるのが分かるでしょ?

 ところが実は、この線は全く正しくない。

「線より下の車両はモノコック式軽量構造を採用している」はずなのだが、キハ17系はモノコック式ではないから。

 つまりキハ17系は、軽量構造ではないらしいのですよ。それどころか、古い時代の設計思想そのまま。

 DMH17エンジンはお世辞にもパワフルとは言い難く、

「かと言って走らない車じゃ困る」

「じゃあ、どうすんの」

「軽量化、軽量化」

 ということで窮余の一策。

 キハ17は、旧型車構造のままで、なんとか車体を軽く製造しようとした。

 そのためには車体を小さく狭く短く、車内の座席も思い切って簡易なものにして、台車は台車で、「マクラバリなんか省略!」


(鉄道模型でキハ17とキハ58を並べると、サイズの違いに驚くよ。マクラバリだけじゃなく、DT19台車はマクラバネも省略した。バネの代わりにゴム板の分厚いのを押し込んである)


 キハ17系はそうやって誕生したのだが、良い点もある。瓢箪から駒で、軽量車体ではないから、軽量車特有の欠点を持たないわけ。


「それは何かって?」


 軽量車は車体が薄っぺらくて、変形に弱い。そんな車体に改造を施して窓やドアを増やすなんて、もってのほかということ。

 

 だから国鉄も、いくらラッシュ対応とかしたくても、モハ153系を3扉化改造とかしなかったのですよ。

 軽量車体で窓やドアを増設したのは、私の知る限り主として郵便荷物気動車連中だけじゃないかしらん。(※)

 逆に言えば、モノコック構造ではない旧型客車や旧型電車は、窓もドアも増設しほうだい。


 キハ17もそういう旧型車体なのだから、キハユニもキニも、キユニも作りほうだいでした。

 というわけで、表を訂正します。



(客車)   (電車)    (気動車)

スハ43   モハ70    キハ07

オハ61   モハ80    キハ17(←注意!)


→ここまでが旧性能車両で、このラインよりも下が新性能車両←


(客車)   (電車)    (気動車)

10系客車  101系    キハ55系

       151系    キハ20系



(※)「ほうほう、有名な『食パン電車』も新性能だが、改造してドアを増設してるぜ」と、わが悪友S君の威張る声が聞こえるような気がするが、だから食パン電車も、車体の外板を一皮むけばすさまじい補強材の入り方をしているであろうと私は想像する。


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