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ヘッドライト


「ブラス」と「ヘッドライト」にどういう関係があるのかというと、これがあるんですな。

 ここでいうブラスとは「しんちゅう」の意味で、金属の一種。5円玉に使われているあの金色のやつ。

 ヘッドライトはまあ、ヘッドライトですな。

 中学3年の頃、英語の教科書の文中に「ヘッドライト」という単語が使われていて、その文章をノートに訳す時、私はまったくなにげなく「前照灯」と記していて、


「何もそこまで訳さなくても、ヘッドライトはヘッドライトでいいんじゃない?」


 と隣席の女の子から指摘を受けたりした。

 指摘されるまで、私は本当に気が付いていなかったのだが、考えてみるとこれは、ある雑誌の影響であろう。

 その雑誌というのが、かの「鉄道模型趣味」

 私の中学時分どころか、昭和20年代から刊行されていて、現在でももちろん出版されている月刊誌。

 おそらく鉄道模型趣味誌においては、「ヘッドライト」の代わりに「前照灯」が多用されており、私は知らぬ間にそれに慣れ、引きずられていたのだろう。

 ではなぜ「ヘッドライト」ではなく、「前照灯」と表記するのか。

 それはおそらく、文章を少しでも短くするためだろう。

 鉄道模型の車両製作記事ではヘッドライトの構造、点灯、非点灯は必ず述べられるわけで、ただ1回、6文字が3文字に縮む以上の効果があるのだろう。

 原稿というものは、長さを縮める工夫が必要になる局面もあるのだろうね。

 同誌では同じように、金属の「しんちゅう」も必ず「真鍮」と書かれる。理由は前照灯の場合と同じだろうが、その結果、


「真鍮という活字をこの世で最もたくさん使っている雑誌は『鉄道模型趣味』誌であろう」


 と、私はひそかに信じている。

 単語の長さだけでなく、特許やパテントの問題もからもうが、同様な事情は戦車の雑誌でも見られ、それが何かというと…。


「キャタピラ」なんですな。


 戦車とキャタピラは切り離せない関係にあるが、戦車雑誌ではこの言葉は使わない。

「履帯」と書きます。「りたい」と読む。

 キャタピラという言葉は、キャタピラー社の登録商標なので。


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