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貫通ドア


 まず最初に、面倒くさい定義から入ることをお許しいただきたい。どうしても必要なことなので…


開き戸:

蝶つがいがあって、バタンと開け閉めする戸。


引き戸:

蝶つがいなどなく、ガラガラと開け閉めする戸。


 クハ111でもキハ47でもいいが、運転台側の貫通戸が開き戸であっても、連結側の貫通戸は必ず引き戸だ。国鉄車はみなそう。

 そしてここから、一つの真理が浮かび上がってくる(大げさだな)。

 あるクハが編成中間に入ったとして、当然ながら貫通ホロをつないで通路を貫通させるが、その場合でも、


「開き戸が閉じて乗客の通路をふさぐようなことは絶対にしない。ホロ部分でドアを閉めるなら、それは必ず引き戸でなくてはならない」


 つまり運転台が編成中間に入る場合には、前面の貫通戸(開き戸)は必ず開いた状態でロックされていると思う。一つの例外もなく。

 なぜそうなっているのか、私の想像だが…

 昭和26年に桜木町事件というのがあり、たくさんの死傷者が出た。この時に、


『貫通戸が開き戸であっては、乗客の避難の妨げになる』


 ことが判明した。

 だからこの事件をきっかけに、それまでは開き戸であった貫通戸は全国的に大急ぎで改修され、現在のような引き戸に変わった。

 古い写真や形式図を見ていただければお分かりのように、桜木町事件の以前には、


「運転台の貫通戸であろうが連結面であろうが、電車の貫通路はみんな開き戸」


 というのが当たり前だったらしい。

 そして大車輪で改修工事が進められ、本当の緊急工事で日本中の国電が、開き戸から引き戸に改修された。

 どれほどの緊急工事だったかといえば、73系電車の全車700両の改修を3年間で終わらせてしまったほど。

 だから今の我々は、連結面の貫通路は引き戸が当たり前と思っているのですよ。



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