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資料

「I」という名字を耳にすると、今でも思い出すエピソードがある。

 中学の同級生だったIは、小学生の頃からも知り合いだったが、特に親しかったわけではない。絵画や図工系に才能のある人物だった。

 それが中学に入る頃には、漫画を描いていた。それがある日私のところへ来て、

「鉄道の本を貸してほしい」

 と言った。

 何かの漫画賞か公募を目指して、Iは準備しているのだが、その作品の1シーンに、主人公が駅で列車を見送る、という場面があるのだとか。

 だがIは鉄道ファンではないから、うまく描けずに苦労していたらしい。その参考になる写真を探してのことだった。

 私は二つ返事で引き受け(古い日本語だ)、翌日、鉄道の写真集を学校へ持ってゆき、Iに手渡した。

 Iは喜び、その中の一枚の写真を参考に件のシーンを描き上げたのだそうだ。

 応募の結果がどうだったのかまでは聞いていないが、それはともかくこれが、私の鉄道趣味が人の役に立った唯一の事例だったかもしれない。


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