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DD20

 中学の頃、ディーゼル機関車の総目録みたいな本を持っていた。

 当然その本にはDD20も載っていたが、写っている写真が、ロコを後ろから撮ったもの一枚きりで、前部の形がよく分からなかったのだ。形式図も載ってはいたが、やはりまだよく分からない。


 DD51という機関車は、DML61エンジンを2台搭載したわけだが、このエンジンを1台だけにして、DD13の後釜的な、支線用と入換用を兼ねた新型機を作れないかと国鉄は模索していた。

 DD13は悪い機関車ではないが、エンジンとトルコンがそれぞれ2台も積まれており、メンテナンスに手のかかるのは事実だったのだろう。しかも蒸気発生装置を持たず、軸重も目標の13トンを少しばかり超過している。


「DD51は2000馬力。だがいま必要なのは1000馬力級のロコであるから、DD51を半分に切ったようなのは作れんのかね?」

 ということで試作されたのがDD20の1号機なのだが、その写真を眺めつつ、私が頭を悩ませていたわけだ。

 DD20を前から撮った写真を見ることができたのは、少したってからである。

 思うに、

「DD51を半分に切ったような…」

 というテーマは、国鉄の技術陣にとって、あるいは呪縛的に作用したのかもしれない。

 何もあそこまで半分にする必要はないと思うんですがね。

 ある本のページで、やっと拝むことのできたDD20の顔、それはなんと、

「DD51にそっくりどころか、本当にDD51そのまま…」

 でした。

 ヘッドライトまわりに特徴のあるDD51の1号機ですが、運転台のところであれを本当に半分に切って、後部にデッキをつけ足した形をしておりました。


 このDD51切断的スタイルが部内で問題になったかどうかは知らないが、続いて作られたDD202はぐっとかわり、もう本当に

「DE10まであと一歩」

 というスタイルになりました。


 だけどまだ問題は残り、暖房用の蒸気発生装置がないこと。しかし蒸気発生装置を積むと、とてもじゃないが軸重13トンなんかに収まらないこと。


「じゃあスタイルはこのままでいいから、動輪をもう一軸、足しゃいいじゃん」


 DE10の誕生であります。


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