冒険者
「こんにちわー」
ギルドに入って受付と書かれたカウンターに立つ。酒場の奥の方にあり後ろで酒臭いムキムキマッチョマンズが昼間から酒盛りしている。仕事しないでいいのか?
なんか100年前の論文で体に過剰な負荷をかける運動をするアスリートたちは総じて短命だとかあったけど大丈夫なのか? かの伝説と呼ばれたマッスル〇村もカロリー制限しすぎてマッチョの状態で餓死するというとても見た目とアンバランスな死に方をしたらしいが......まあ2190年代の地球人には関係ないけどな!!
「はい、何か御用ですか?」
美人受付嬢キタ――(゜∀゜)――!!
くりくりした瞳に小さな顔のパーツ。少し小柄のロリ体型、それでいて胸は程よくあり、決して爆乳ではないが貧乳でもない絶妙なラインにあり俺の好みにベストマッチ!!
......おそらく先輩冒険者方も狙ってるんだろうな......と思わせる美人だった。ちなみに俺の顔についてだが、かなり自信がある。初期CCブームの半ばで生まれた俺やその他同年代の奴らの遺伝子は簡単にできるCC式遺伝子操作技術を用いて両親の遺伝子をベースに様々な方面に優秀かつイケメンな人達の遺伝子の要素をランダムに組み込み、バランスを最適化されて生まれた。つまり俺含めみんな身体面、顔共にイケメンで美人なのだ。そのせいで身体能力も大体一緒だからオリンピックなんて身体測定や健康調査と一緒にちょっと前に消えたけどな。
「冒険者登録をしに来ました。」
「ギャハハハハ、おい、きいたか? あんなもやし野郎が冒険者登録だってよ?」
「......もっと鍛えてから出直すべし。」
「おいおい、あんなんでほんとに依頼受けられるのかぁ?」
口に出した瞬間、汚い笑い声と共に周りのムキムキマッチョメンズが騒ぎ出した。なんか一人脳筋っぽい師匠風の人もいたけど。
......なんか一人ヤバい目をしたおっさんがやってきた。おっさんAと呼ぼう。
「おいボウズ、ここは遊び場じゃねえ実力もないくせに冒険者になるんじゃねえ。」
「そう怖い顔しないでよおっさん?」
「お、おっさん......て、てめえ、どうやら痛い目を見たいようだな。」
......何やら悪役めいたことを言ってきたので、
「ちょっと落ち着いてくれないかなぁ? 要は君達より実力があればいいんでしょ?」
「お前のようなガキが俺達より強い? 寝言は寝て言え。」
それはこっちのセリフだ有機物程度で無機物と有機物の融合体に勝てるとでも?
口に出すとこっちが悪役になるような気がしたので声には出さないけどな。
「そっか~うんうん」
そういいながらおもむろにおっさんの腕をつかみ、血が飛び散らないように皮膚を傷付けないようそっと握りつぶす。
ベキョッ 「ぐ............。」
さっきも言ったが有機物の体で出せる力なんてたかが知れている。無機物であれば同体積で人間の筋肉の80倍の力を出す人工筋肉がざらにある。そしてCCで構成された俺の筋肉系分子アクチュエーターの半分は電気で稼働して無機物で構成された人間の200倍の力を出せる人工筋肉。骨格も同様に構造、材質両面で強化されている。そんな俺にとって一昔前の車を持ち上げることすらたやすく、虚弱な肉体を持つホモ・サピエンスのこぶし程度、簡単につぶせる。
痛すぎて声を出す余裕もないのだろう。なんかライトノベルでは盛大な悲鳴があったけどあれ、ほんとはないのかもしれない。
そう別のことを考えているうちに脂汗を流しながら痛みに耐えていたおっさんAは耐え切れなかったのか気絶する。
そこで顔を上げて酒場の方を向き、こちらを凝視して固まっている先輩たちに
「こんな力のない俺ですがどうか冒険者になることを認めてもらえますか? セ・ン・パ・イ方?」
イイ笑顔を振りまき、そう脅h「ゲフンゲフン」尋ねた。
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