第十一話 勇者、学校でトレーニングする
ちょっと短いですが、区切りが良いので切りました。
前回は、小学校に入学した勇者にクラスメイトが出来た話でした。
教室の授業中に、僕めがけて消しゴムのくずや、小さく丸めた紙が飛んでくるようになった。
紙は広げてみたが、投げ文では無かった。
廊下を歩いていると、小石や鉛筆が飛んでくる。
手の平サイズで縫い目のあるボールが飛んできたり上からバケツの水が落ちてくる事も有った。
初回は避けられずにボールにぶつかったり、水を被ったりした。
「……やったぞ。」学校でもトレーニング出来る。
教室では大したことが無かったので、飛んでくる方向や大きさを意識するだけで、当たるがままにしていた。
廊下や校庭で飛んで来るものは、僕の後ろに誰も居なければ、ギリギリで避けるように移動し、誰か居る場合は持っている教科書やカバンで人が居ない方向へ進路を変えた。
さすがに水の場合は早足で避けたりユーターンしたけれど、濡れた所で只の水だ。冒険者の頃は<強酸>や<毒液>を噴きかけられていたのだから何の事は無い。なかなか楽しいトレーニングだ。
昼の休憩時間になると、教授の娘と、小説家の息子がやって来た。
「ねえ、いじめられてるんじゃないの? 大丈夫?」
「そうですよ、先生に報告した方が良いですよ。」
「へ? そう? 別に被害も無いし僕平気だよ。」
「はぁ、何ていうか貴方本当に見てて飽きないわね。」
「そうですよ。ポジティブ思考過ぎます。」
難しい言葉は良く分からないのでやり過ごしたが、呆れたような顔をして、三人のおしゃべりタイムが始まった。教授の娘さんは、お菓子作りが趣味らしく今日もクッキーがテーブルの上に並べられていた。
窓越しに校庭の隅から、双眼鏡でその様子を遠くから見ているちょっとメタボな男の子の姿が有った。
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