第五話
何だか体が重い??
ここは何処だ? 周りが暗い……状況がわからない。なんだっけ、俺は何してた?
体重いしなんだこれ? あ……思い出してきた彼女の部屋だ! つか、俺寝たのかヤバ過ぎる。
暗い所に目が慣れてきて体が重い原因が分かった。彼女がなぜか? 俺に抱きついて寝ていた。
最悪だ……気持ち悪くて、全身に鳥肌が立つ、彼女を揺すって起こそうとするけど、力が入らん、くそ! 反射的に毒づいてる自分がいた。
「ん?」
「山下さん起きて」
起きたかな? 彼女と目が合うと、微笑えんでまた抱きついてきた……ちょっと……まじでやばい。 寝惚けてんのか?
限界だ……俺は彼女を渾身の力で無理矢理引き離すと、近くに有ったゴミ箱に吐いてしまった。吐いたら少しだけ落ち着く。
彼女を見ると戸惑っているのがわかった。そりゃそうだ。
客観的に見て、これはかなりハードな展開だろうな……。
「ごめん。寝た事と部屋汚して」
彼女は首を振る。
「え〜と、お金いらない今日帰るから」
どうにかそれだけ言って部屋からでようとしたら、後ろから彼女の心配そうな声が聞こえた。
「イオリ?」
「気にするな。大丈夫だから」
余裕がなくて、切り捨てるように言ってしまった。
彼女の顔が見れない。そのまま俺は玄関を出て家に帰った。
家に向かって歩きながら思う、まだ俺は駄目なのかな……。
帰り道が概要に長く感じた。