第四話
月曜になった家庭教師の日だ。今日も大学に言ったが、まだ工藤には会っていない、文句を言わねば! でも、結果的に良いバイトを紹介してもらった事になるのか? お礼を言うのは何だか嫌だな。
山下さんからは、たまにメールが来る。学校での出来事などが書いてある。けど俺は素っ気なく返す。ベタベタしてもしょうがないでしょ。
彼女の家に着いた。相変わらずデカイ。行く事をメールで連絡していたからか?家に入ると彼女が迎えてくれた。挨拶しつつそのまま彼女に付いて部屋に行く。
部屋に入ると彼女が俺に聞いてきた。
「今日はイオリどうします?」
何か逆なような? 俺も聞いてみる。
「山下さんはどうするの?」
「私ですか、今日は数学と科学やります。イオリは?」
確実に俺は教えられないな。まあ、どの教科も無理だけど。
「俺はこの前の漫画の続きを読むよ」
ちなみに奥にある方をチャレンジしようかと。
「そうですか。大人しくしてて下さい」
「はい」
やっぱり逆じゃないこれ?
淡々と時間が流れる。彼女がノートに字を書く音と、俺が漫画のページをめくる音だけが聞こえる。
「イオリ面白い?」
急に話しかけられて反応が遅れる。
「い、以外といける。面白いかも」
「そうですか」
「・・・休憩しないのか?」
「二時間くらいならしませんよ。まあ、イオリがしたいならしても良いですが」
「じゃあしたい」
彼女は持っていたシャープペンを置くと立ち上がって少し嬉しそうに言った。
「飲み物とお菓子でも持ってきます」
彼女は部屋を出て行った。俺だけ広い部屋に一人だけ残る。何だか急に寂しい気持ちになった。彼女はいつもこんな気持ちを感じているのだろうか? それとも慣れれば平気なのか?部屋が広いってのも考えものだな。
何だか眠くなってきたかも、今日は1限からの授業で早起きしていた。
帰って来ないな……いつの間にか俺は寝てしまっていた。