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異能者は異世界に来て何をする  作者: 七刀 しろ
第五章 ザ・バッドエンド
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空気とダンジョンで何をする?

最近、やりたいゲームが多すぎる。

スプラ3に、call of duty modem warfare 2

やりた過ぎるぜ。


他にやらなちゃいけないのことがあるが。

 亀裂から落ちて尻もちをついた俺を空気の野郎は悲し気な目で見下ろしてくるが、何もしてこない。俺をここに送り込んだ亀裂は消え去り、この場には俺と空気の野郎の二人だけの空間になった。

 ほんとにこの状況とこいつは何なんだ。


「おい!意味不明こと言ってないで、まいいや。空気、なぜ俺を呼びよせた?そしてここはどこなんだよ」

「輪廻と魂の場所は心であり、感覚は気持ち。どちらも存在しない物。感情は脳のバグ。人は感情をとても大切にする生物。そして感情は心の概念は色あせる壊れない財宝だ」

「ダメだ。全く人の話を聞かない」


 亀裂に入った先は狭い空間で薄暗くて足元や壁は凸凹で固い肌触りがする。ここは洞窟の中らしい。空気の野郎は相も変わらず意味不明な言葉をつぶやいている。

 なんで暗いのに空気がいるのが分かったというと、意味不明な言葉を永遠と呟いている奴は空気の野郎しかいない。それと空気の野郎の手には空気の野郎自信を照らすランタンを握っていた。それで空気の野郎と分かった。

 空気の野郎は古びていてボロボロの麻布でできた服を身にまとっている。まるで漫画とかに登場する奴隷みたいだ。

 俺が奴に質問を投げかけても奴は俺を連れ来た理由や他もろもろの説明をする気はゼロらしいことが分かった。


「何も答えないなら俺は行くぞ。ここがどこのどこだが、知らないが外に出れば何かしら分かるだろう。知らない場所に連れてきやがってよ。ってなんだよ。これはどういうつもりなんだよ。それとも話す気になったか?」


 質問に答えない空気の野郎を放置して屈んで通れそうな横穴に気づいた。それに入ろうとしたら、空気の野郎ががっしりと俺の腕をつかんできた。

 俺は空気の野郎がまともに話すところを見たことが無い。数回しかあったことが無いが、アズサの話だとたまにはっきりと話すらしい。だけど今のこいつを見てまともに話すようには見えない。


「お前、それはどうした?」


 空気の足元が暗くて見えていなくて気づけなかったが、俺に空気の野郎が詰め寄った際に動きがおかしかった。俺の腕をつかんだ空気の野郎の左手もおかしかった。

 空気の野郎は右足と左手の半分が無いのだ。正確には右膝の下と左小指薬指の付け根がきれいに切り落とされている。

 俺と会う前にいろいろとあったのか、それとも精神的に病んでリスカでもしたのか。こいつが俺の知らない間にしたことなんて俺には関係なくてどうでもいいことだ。


「俺にその怪我を治して欲しくて俺をここに連れてきたのかよ?」

「四肢をなくそうとも我らは歩きざる負えない。それも運命であり人生」


 問い詰めるが空気の野郎は答えてはくれない。

 空気の野郎は俺の能力を知っている節がある。アズサから聞いた話だが、空気の野郎は俺の知らない俺のことを知っているみたいなことを言っていた。ブツブツと意味不明なことと一緒に呟いていたみたいだから、アズサはほんの少ししかわからなかったみたいだ。

 こいつは俺について詳しく知っているのは確かだ。研究所から逃げ出すあの時、こいつがアズサの首を刎ねた時、空気の野郎はアズサの血を俺の口へと落とした。こいつは俺が被験者の体液を口にすることでその被験者の能力を得ることを知っていた。俺のことを知っている紛れもない証拠だ。

 そしてアズサの能力、治癒の能力を得ていることを知っているからこいつは俺をここに呼んだんだと思う。

 身勝手な野郎だ。こんな状態で纏わりつかれても少々面倒だ。治してやろう。


 傷を負ってから一週間近く経っており治すのに時間がかかった。数時間かけて空気の野郎の欠損を治療してやった途端、空気の野郎は我先にと横穴から出ていきやがった。

 用が済んだらお払い箱かよ。だったら元いた場所へ戻してほしいよな。


 サイボーグ少女達の方は俺がいなくなったから騒ぎになってないといいが、逃げ出したと判断されて置いてきたスフィアに何かされたら、俺は俺を呼んだ空気の野郎をボコボコして大気圏から放り投げてやる。逃げ出したと判断できない内は人質としてスフィアを保護しておくだろう。

 今のスフィアの身体の状態は特に異常はない。ただ、左腕に針状な物を刺さっており、そこから栄養剤を投入しているみたいだ。毒物が混入していないから点滴ような物だろう。

 とりあえずスフィアの方は心配なさそうだ。


 俺は空気の野郎の後を追うように横穴に入った。洞窟の中を四つん這いになって進んでいるから地面がゴツゴツして膝や手が痛いが、我慢して空気の野郎が持つランタンを頼りに進む。

 数十分後、大きな空間に出た。

 そして洞窟内だというのに植物が生い茂っている不思議な空間だった。明らかに異常な光景だった。植物というのは光合成をしないと生きていけないと本で読んだことがあるが、ここは明らかに光合成ができない洞窟の中だ。それなのにここの植物達は生い茂っている。どうやってここの植物は生きているのか不明だ。


 ここについて空気の野郎に聞いても何も答えてはくれないだろう。

 すると空気の野郎が急に木を自身の能力で切り倒して、木に付いていた実を取って投げ渡してきた。渡された実はバスケットボールぐらいの大きさの大きな身だった。空気の野郎はさらに木を渡してきた物と同じもの取って食べ始めた。

 そして一言


「それは欠如を修復した施しに食を」

「礼っということか?わかりにくいな。ちゃんと欠損を治してくれてありがとうって言えないのかよ」


 文句を言いながら渡された実を齧った。

 実は甘ったるく渋い味だった。食えない物じゃなかったのでもう一口と齧りるとやめられなくなった。

 完食し他の木から採取できないか考えていると。


「溺れるな」


 とボソッと言われた。溺れるな?食うなって意味なのか?もう一個食べたいが、空気の忠告に従って我慢することにした。あの身には中毒性が高い成分が入っているのだろう?それをなぜにあれをお礼に渡してきたのか謎だ。


 数分ほど俺と同じぐらいの背丈の木が生い茂る暗い洞窟の中を空気の野郎が持つランタンの明かりを頼りにかき分けて進んでいるとザザと引きずる音が洞窟内に響き渡った。あたりを見回したが薄暗くてよく見えなかった。何かがいるのは確かなのだろう。洞窟の中でも森の中だ。生き物がいて当たり前だろう。

 薄暗い中にいたら、襲われる可能性も高い。ただでさえこの世界には動物以外にも魔物がいるから暗い中じゃ対処が遅れるかもしれない。

 空気の野郎のランタンの微かな明かりでは足りない気がしていたから洞窟内を照らせられる強い光をイメージして生成する。洞窟の天井に向けて飛ばす。

 生成した光のおかげでよく見えるようになった。

 何が来ても対処できる。

 洞窟内がよく見えるようになったので視界を飛ばして地上への出口を探した。俺がいた空間はとても広い空間だったらしく洞窟の緑色の天井が高い位置に見え、反対側の端っこが遠い。


「反対側は遠いな。天井は高くて緑一色だ。この調子で歩いていたら反対側に着くまで何時間かかるんだよ」


 緑色の天井は蔓みたいな草が洞窟内の壁や天井にびっしりと多い尽くされている。視界で壁をすり抜けて上へと昇ってみたら、入り組んだ迷路みたいな通路を発見した。いったん広い空間に戻って植物に覆われた壁を調べてみた。

 何個かの横穴を発見した。横穴の先はどれも迷路になっており、俺がいる空間よりもさらに地下へ繋がっていたりするから地上に行く方法が分からない。

 俺がぼやくも空気の野郎は何も反応はしない。


 今みたいにちんたら歩いていたらいつになったら地上に戻れるかわからない。けどこんなに迷路みたいな横穴に入って地上に出られる自信がない。視界みたいに俺の身体も物体をすり抜けられればいいのだがな。そうしたら上へ向けて飛んで地上へ目指したのに。

 今は金魚のフンみたいに空気の野郎の後ろを追うしかない。こいつしか地上へ戻る道やその能力でしか地上に戻れる手段がない。だが、このマヌケはこの洞窟から出る気配がなく、目的不明でただ単に歩いている。

 空気の野郎を頼らないとなると崩落覚悟で上に向けて掘るしかなさそうだ。しかしここがどこなのかわからない以上うかつに上に掘るのは止そう。上に街があってここが崩落したら何百、何千の人が死んだら目覚めが悪くなる。


「・・・」

「・・・」


 沈黙が続く中で空気の野郎の後を付いていくが、一向にこいつの目的を掴めない。さっき草が揺れる音がしてから空気の野郎は一切言葉を発しなくなった。

 不明な点がいくつもある。こいつが俺を呼んだ動機は理解しているが、何故こいつがここにいるのか何一つ分からない。目的が無かったら、俺を呼んだ時みたいに時空間に亀裂を作って地上に戻るはずだろうし、こいつが向かっている先に何があるかと思って、進む先に視界を飛ばして見てきたが植物ばかりで何もない。

 無意味に歩いているとしか思えなかった。


 無言に進む中で背の高い植物をかき分けて進むのは流石に億劫になってきた。出口も分からないまま、歩いて歩いて、歩き続けて三時間も経過した。


「難敵より姿見を出る。死を振りまくる下種」

『何かいます!』


 空気の野郎とパスが何かを察知したようで空気の野郎が憎しげに腕を振り上げて思いっきり振り下ろした。

 空気の手から前方に見えない斬撃が発射され、地面を抉り、草木を消えた。

 俺達の目の前が空気の野郎の斬撃で百メートルほど削り取ったように草木がなくなった。


「おい、何がいたんだよ!てお前は何も答えてくれないか」


 空気の野郎に聞いても何も答えてはくれないのでパスに問いかける。


『パス何がいた?』

『真っ黒な何かです。動きが素早くて確かな姿は確認できなせんでしたが、大きさはマスターと同じくらいの大きさでした。それと彼の攻撃は避けられたようです』


 真っ黒な何かは俺と同じくらいの大きさでとても素早いみたいだ。色が黒いから暗い中だと暗闇に同化して見つけにくかったけど、今は俺が生成した明かりで空間内を照らしているから真っ黒な色合いは明るい中だと凄く目立つからいち早く発見したのだろう。


「黒い。光を飲み込む下種はその黒で光を食らい、肉を貪る。貪欲の化身。今度こそ逃さない」


 と空気の野郎が呟いた。俺が聞いたから答えたのかは知らないが、いた奴の特徴を言っているのか俺は空気の野郎が言うそれは意味が分からなかった。ただ空気の野郎は黒い何かに対しての執念を感じた。

 そして空気の野郎は歩き出した。

 空気の野郎はあの黒い何かを探しているみたいだ。それが空気の野郎がここにいる目的みたいだ。無意味に歩いていたのは無断していると思わせて襲うのを待っていたということか。そういうのは事前に言って欲しいが、口を開けば意味わからないことを言うだけだからな。


 その黒い何かは俺にはわからないが、魔物か何かだろって思った。俺達の回りを視界で見回ったが、黒い何かを見つけることはできなかった。

 すばしっこい魔物ようだ。


 進む空気の野郎の後を付いていくがさらに2時間ほど経過しても黒い何かが現れることは無かった。


「私を食べないでー!いだいいだいいだい!」


 あんな魔物なんかほっといてここから脱出すればいいと考えているとどこからか女の人の声が聞こえた。

 声に反応しなかった空気の野郎を置いて声がした方向に向かった。

 向かった先に女の人が俺より少しでかい大きさの黒い何かに下半身を食べられていた。黒い何かは本当に真っ黒だった。その体色に光が吸い込まれているようにそこだけの空間にぽっかり穴が開いていて闇が顔を見せているみたいだ。


「そこの人!助けて」


 黒い何かの体色に気を取られて人が襲われていることを忘れていた。

 念力で女の人と黒い何かを引きはがした。空間に真っ暗な穴が開いているみたいなのに実態があって念力で捕まえた。

 念力で逃がさないように空中に固定して黒い何かにペタペタと触れてみる。ツルっとした艶やかな肌触りで陶器でも触れているようだ。

 コイツが空気の野郎が探している奴か。本当に黒いな。こんな見かけなら視界で見回ってもじっと物陰に隠れていたら、物の陰と見間違えてしまうな。

 念力で固定されているから黒い何かは念力から逃れようとしてジタバタと暴れて、黒い何かの手足のどれかに俺の腕に掠った。少し痛かったが掠ってできた傷は念じればすぐに治るが、黒い何かは爪を持っているようだ。

 手足の一本をもぎ取って調べようと思ったが、けが人の処置を優先した。

 食べれていた下半身を修復するために女の人の身体の情報を頼りに治していく。

 さっき黒い何かがジタバタと暴れたからその体に付着していた女の人の血の滴が偶然俺の口に入ったからこの女の人の身体の情報が手に取るようにわかるようになってしまった。

 女の人の治療(下半身を綺麗に元通りにした)が終わったので黒い何かを再度調べてみる。もぎ取った手足は枝みたいに細長くて固い質感で先に鋭い爪が付いている。

 ふっと虫みたいな足だなと思った。それに黒い何かはフォルムも虫みたいだ。

 こんあバカでかい虫は嫌だけど、確かに虫に見える。

 地球にも似たような虫がいたな。そうだな。黒い何かはゴミムシを光を吸い込むほどに真っ黒く塗りつぶしたような虫だ。

 要するに素早くて純粋に黒いだけのただの虫だったというわけか。


 正体が分かったからもう興味を失ったので、頭と胴と腹を念力で三つに千切って殺しておく。また襲われても面倒だしな。

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