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雪のあした

作者: 桜田桂馬

ひらはら

ひらはら

舞いながら


はかない

いのちの

はなびらは


指先からめて

溶けだして

泪にかわる

この手のひらに


私が落ちたは

あの言葉

初めて貰った

あのことば


優しい人は

うれしいけれど

だれにも優しい

ひともいる


もらってうれしい

やさしさは

あとから あとから

痛くなる


胸がやけどで

病まぬよう

誰にもやさしい

彼だと思う


想うだけで

がまんして

後ろ姿を

みつめる私


おもいちがいを

しないよう

たえてしのんで

きたわたし


ある日突然

落ちたのは


ほんの小さな

ひとことの

あのひとつぶやく

あのことば



せつないや



掛けたはずの

ブレーキが

音をたてて

はずれゆく


線路も道路も

ないものと

思いこんで

いたわたし


少女のころの

ときめきは

この瞬間に

よみがえる


もう一度だけ

聞きたいの

あのひとつぶやく

あのことば


ひらはら

ひらはら

舞いながら


はかない

いのちの

はなびらは


指先からめて

溶けだして

泪にかわる

このてのひらに

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