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すぐ終わると思います。ただ苛められる女の子と素直じゃないドSが書きたかっただけです。(笑)ツンデレがデレるのは最後しかないので嫌な方はバックしてください。
むかしむかし、瑞月川という川に、神様がいらっしゃいました。その神様は川の周辺にある村を加護し、豊かになる手助けをしてくれていたのです。
あるとき、神様が加護していた村に、悪い鬼がやってきて、村をめちゃくちゃにしてしまいました。ぼろぼろになった村を嘆いた神様は、自身を犠牲にして鬼を封印したのです。自身を犠牲にしたことによって村人は助かりましたが、美しかった瑞月川は枯れ果ててしまいました。
そこで、村長は瑞月川の神様への感謝の気持ちを忘れないために、神様を祀る祠を建て、代々そこを守っていくことにしました。その祠を訪れる村人は、何百年たっても絶えることはありませんでした。
村人の感謝の気持ちが伝わったのか、神様が傷を癒しつつ、現世にあらわれるようになったのです。傷のせいでうまく姿を保てない神様をみた当時の村長は、恩返しをするべく自身の『力』を神様に分け与えることにしました。『力』を神様に分け与えた村長は色を無くし、まるで神様の現し身のようでした。
その村長の家系では、代々、神様の傷が悪化し弱るときに、先代の村長のように神様に力を与え、色を無くす人間が生まれてくるようになりました。
……パタン、と家に古くからある伝説の絵本を閉じ、テーブルに投げ置いた。八畳の部屋に、その音が鳴り響く。あたしは座布団に頭を乗せ、天井の木の模様を見つめた。
父があたしのために簡単に脚色したその絵本は、小さいころはお気に入りだった。
小さいころはほかの絵本と同じようにただの昔話だと信じていたから、楽しく読むことが出来た。だけどそれはあくまで小さいころの話であって、一応分別がつくお年頃を幾分か過ぎたあたしには、面白さなんてものより忌々しさが先に立つ。
絵本を純粋に楽しんでたころ、あたしは絵本に描かれている村長がお気に入りだった。なぜなら、その村長もあたしと同じ、白い髪の毛に、赤い瞳の持ち主だったから。
……あたしは、絵本に描かれている村長の末裔であり、色の無い人間だ。
ちりん
部屋でくつろいでいたあたしの耳に、小さな鈴の音が聞こえた。
「……遅い。儂が呼んだら一分で来いと言っただろう。そんなことも忘れるほど貴様の脳は貧相なのか。姿かたちも貧相なのに脳までも貧相であったとはな」
……ああ、今日のまた、はじまった……。
短くてすみません。
15:31少し足しました。