小さな約束
それはある日のこと
シュッ!
一刀「やれやれ、話を聞いていたらすっかり遅れてしまったな、早く帰らなくては! 」
一刀が使いの帰りに林を抜けていると
一刀「んっ! 」
途中で何かの気配を感じ取り
一刀「あっちか! 」
シュッ!
一刀は帰り道とは違う別の方向へと向かっていった。
そして一刀がその方向に向かう少し前、その場所では…
ザバンッ!!
ぷるんっ♪
璃々「わぁいっ♪ 」
バシャッ!!
焔耶「うわっ!?やったな! 」
紫苑「まぁまぁ璃々ったら 」
桔梗「元気が有り余っとるのぅ 」
川辺にて璃々ちゃんとその母である紫苑。そして桔梗と焔耶が水遊びをしていた。(しかも全員水着で璃々以外はビキニ)
紫苑「璃々ったら張りきっちゃって、思いきって桃香様に頼んでよかったわ 」
実は最近、みんなが仕事をしているため璃々ちゃんが暇な毎日を過ごしているので紫苑が桃香に頼んだところ、休日をもらったのだ。
桔梗「璃々ったらあんなにはしゃぎおって、やはり子供は母と一緒にいる方がいいみたいじゃのぅ 」
紫苑達がはしゃいでいる璃々ちゃんを見ていると
璃々「あっ!お魚さんだ!待て〜♪ 」
タタタッ…
魚を追いかけて紫苑達から離れる璃々ちゃん
焔耶「璃々、あんまり遠くに行っちゃダメだぞ! 」
璃々「大丈夫だもん♪ 」
注意するが子供ゆえに全く聞かない璃々ちゃん
だがその時!
ババッ!!
璃々「えっ? 」
突如、草むらから賊が現れ
ガシッ!!
親分「人質ゲットだぜ! 」
バァンッ!!
璃々ちゃんが捕まってしまった!
紫苑「璃々!? 」
バシャッ!!
璃々ちゃんを助けようと紫苑が駆け出すが
親分「動くんじゃねぇ!このガキぶっ殺すぞ! 」
ジャキンッ!!
璃々「ひっ!? 」
璃々ちゃんの喉元に剣を近づける賊の親分
紫苑「くっ!? 」
ぴたっ!
璃々ちゃんが人質にとられているため動くのをやめる紫苑であった。
焔耶「(くそっ!?得物は岸の方に置いてしまったから丸腰だ!素手でも十分倒せると思うが璃々が人質にされているのでは手が出せん!) 」
桔梗「お主ら、目的は何じゃ!あいにく儂らは金目のものなんて持っておらんぞ! 」
桔梗が賊の親分に向かって叫ぶと
親分「確かに金目のものは持ってなさそうだが… 」
ちらっ
そう言いながら紫苑達の胸を見る親分
すると
親分「いい体してるじゃねぇか!このガキを返してほしければ裸になりやがれ! 」
紫苑「なっ!? 」
焔耶「この外道め!! 」
親分「うるせぇ!このガキが殺されてもいいってのか!! 」
ギランッ!!
璃々「お母さん助けて〜!? 」
紫苑「璃々!? 」
桔梗「くっ!?やむを得んな!? 」
スッ…
璃々を救うため仕方なく三人が水着を脱ごうとすると
親分「いや待て、どうせなら俺達が脱がしてやるぜ!おいっ!誰か脱がしてやりな! 」
賊達『へいっ! 』
ザッ!
紫苑達に近づく賊達
親分「ぐふふっ!久々の上物だぜ! 」
親分が不気味な笑いをしていると
子分「親分、ガキは俺が押さえとくんで折角だから親分も脱衣に参加したらどうですか? 」
親分「それもそうだな!よしっ、ガキをしっかり押さえとけよ! 」
子分「へいっ! 」
スッ!
親分から璃々を受けとる一人の子分
璃々「(あれ?この声って?) 」
だが璃々は子分の声がどこかで聞いたような気がしていた。
親分「さて、脱衣だぜ♪ 」
スッ…
そして親分が紫苑達に近づこうとすると
子分「あっ!親分、忘れもんですぜ! 」
親分「あんっ!忘れもんだと… 」
くるっ!
親分が璃々を預けた子分の声を聞いて振り向いた瞬間
ドグボッ!!
親分「がはっ!? 」
バタッ!!
子分の膝蹴りを顔面に食らって倒れる親分
賊達『お…親分!? 』
ささっ!!
そしてあと少しで脱がせそうだったのだが、親分が倒されたのを聞いて近づく賊達
賊達『この野郎!よくも親分を!!♯ 』
ババッ!!
賊達は親分を攻撃した賊の一人に襲いかかろうとするが
シュシュッ!!
子分「水遁・水縛り! 」
子分が印を結ぶと
シュルシュルッ!!
賊「な…何だよこれっ!? 」
ギュギュッ!!
川辺の水がまるでロープのように賊達を縛り上げた!
そして動けなくなった賊達に
子分「子供を人質にするとは悪どい奴らめ! 」
シュッ!
子分が近づくと
ドガバキンッ!!☆ミ
賊達『がはっ!? 』
バタバタンッ!!
賊達は一人の子分にボコボコにされてしまった。
焔耶「い…一体何が起きているんですか!? 」
桔梗「わからん!急に賊の一人が反乱するなんてのぅ!? 」
目の前の出来事に驚く紫苑達
すると
子分「さぁ、お母さんのところにお帰り 」
スッ!
子分が璃々を解放すると
璃々「お母さ〜ん! 」
紫苑「璃々! 」
ガシッ!!
駆け寄ってくる璃々を抱き締める紫苑
子分「(さて、それでは去るとするか) 」
スッ!
そして子分が去ろうとしたその時!
璃々「お兄ちゃん待って! 」
ガシッ!!
璃々ちゃんが子分につかまった。
焔耶「璃々、賊につかまるなんて危ないぞ!? 」
と言う焔耶だが
璃々「大丈夫だよ。このお兄ちゃん、前に璃々を助けてくれたもん 」
と返す璃々ちゃん
子分「おやまぁ、まさか覚えていたなんてね 」
ぐっ… バサッ!
子分は服を脱ぎ捨てると
バンッ!!
そこには一刀がいた。
実はこの子分、一刀の変装なのだ。
紫苑「璃々、その人と知り合いなの? 」
紫苑が璃々ちゃんに聞いてみると
璃々「お母さん、この人が前に璃々を巻き巻きお姉ちゃん(麗羽)から助けてくれたお兄ちゃんだよ 」
桔梗「おぉ、確かに璃々からそう聞いたぞ! 」
紫苑「そうでしたか、娘を助けていただいてありがとうございます 」
一刀「い…いえ、たまたま俺が通りかかっただけですので!? 」
頭を下げる紫苑にどういった対応をすればいいのか一刀が困っていると
焔耶「おい貴様、さっき妙な技を使っていたがもしかして忍者なのか? 」
焔耶が一刀に聞いてくる
一刀「そうですけど… 」
そして一刀が返事を返した瞬間!
焔耶「ならくたばれーっ!! 」
ブォンッ!!
いきなり一刀に金棒・鈍砕骨を降り下ろす焔耶
一刀「おわっ!? 」
サッ! ドッカーンッ!!
一刀は何とか避けるが避ける前の位置にはクレーターができていた。
一刀「い…いきなり何をするんだ!? 」
一刀が焔耶に聞くと
焔耶「黙れっ!!どうせ男の忍者というのはみんな源治のような変態に違いない!貴様が璃々を助けたのだって桔梗様と紫苑の胸が目的だろう!!♯ 」
焔耶は散々源治に胸を揉まれたため、男の忍者はみんなエロだと認識しているのだ。
一刀「俺を源治と一緒にするな!! 」
一刀からしても迷惑である。
焔耶「うるさい!みんなの胸を守るため、私がお前を潰してやる!!♯ 」
ブォンッ!!
一刀「わっ!? 」
サッ!
焔耶「待てーっ!! 」
一刀「待たぬ!? 」
鈍砕骨を構えながら一刀を追いかける焔耶
桔梗「これ焔耶、やめぬか!! 」
焔耶「やめません!! 」
もはや桔梗が言っても焔耶は止まらなかった。
だがこの時
シュルル…
走り回っているせいで焔耶の水着の紐が緩んでいた。
そしてついに
一刀「しまった!? 」
大きな岩が目の前にあり、逃げ場を失ってしまった一刀
焔耶「覚悟しろっ!! 」
ブォンッ!!
そして焔耶が鈍砕骨を高く振り上げたその時!
シュルリッ!
ぷるんっ♪
焔耶「なっ!?/// 」
焔耶の水着のブラが外れて胸が丸出しになってしまった!
そしてそれを見てしまった一刀は…
一刀「(ブバーッ!!) 」
焔耶「うわっ!? 」
一刀の鼻から大量の鼻血が噴射され、鼻血が焔耶にかかり
バタンッ!!
一刀は倒れてしまった。
焔耶「おのれっ!やはり貴様はエロではないか!! 」
ブォンッ!!
そして焔耶が倒れている一刀に鈍砕骨を降り下ろそうとしたその時!
桔梗「やめんかバカモン!!♯ 」
ゴッチーンッ!!☆ミ
焔耶「がはっ!? 」
桔梗の拳骨が焔耶の頭に炸裂した。
それからしばらくして
一刀「水遁・水鉄砲! 」
ピューッ!
璃々「わぁいっ♪ 」
倒れから立ち直った一刀は璃々にせがまれ、時間があるので璃々と遊ぶことになった。
紫苑「璃々ったらさっきよりもあんなに楽しんじゃって 」
桔梗「余程あの男が気に入ってるらしいのぅ 」
紫苑達が一刀を見つめるなか
焔耶「桔梗様〜、反省してますからもう許してください〜!? 」
焔耶が罰として川原で正座をしていた。
桔梗「ダメじゃ!しばらくそこで座っとれ! 」
焔耶「うぅ〜!? 」
それから更に時間が経ち
紫苑「璃々、帰るわよ 」
紫苑達が帰るようだ。
一刀「璃々ちゃん、お別れだな 」
と一刀が璃々に言うと
璃々「ねぇお兄ちゃん、璃々ね、欲しいものがあるの 」
一刀「何かな? 」
一刀が璃々の欲しいものを聞いてみると
璃々「璃々ね、妹が欲しいの!璃々に妹を作って! 」
一刀「えっ!? 」
璃々ちゃんの欲しいものに驚く一刀
紫苑「(あらあら、なら私の次の旦那は一刀さんになるかもね) 」
と紫苑が思っていると
一刀「残念だが璃々ちゃん、俺には大事な人がいるから璃々ちゃんのお母さんと結婚することはできない! 」
ビシッ!!
子供に対してはっきり言う一刀
璃々「そうか〜… 」
それを聞いた璃々ちゃんは落ち込み出すが
続けて一刀はこう言った。
一刀「だけど俺にもし娘ができたらその子を璃々ちゃんの妹のように可愛がってほしい。それじゃダメかい? 」
一刀が璃々に聞いてみると
璃々「ダメじゃない♪ 」
ギュッ!
璃々は一刀に抱きついた。
そして
璃々「お兄ちゃんまたね〜♪ 」
一刀「また会おうね! 」
紫苑達と別れる一刀
一刀「しかしまぁ、相手が子供とはいえ『大事な人がいる』とか『娘が生まれたら』って恥ずかしい台詞がよく言えたものだな///
」
カァーッ!!
自分の発言に顔を赤くする一刀
一刀「おっと!そんなことより早く帰らなくては! 」
シュバッ!!
そして一刀は、一刀にとって大事な人である蓮華が待つ城へと向かうのであった。




