黄巾党討伐
袁術の城
雪蓮達は袁術に呼ばれてこの場所に来ていた。
雪蓮「まったくもうっ!袁術ったら人使いが荒いんだから 」
冥琳「雪蓮、先に言っておくが手を出したらダメだぞ 」
雪蓮「そんなことわかってるわよ! 」
今、この場にいるのは雪蓮、冥琳、穏、そして一刀が来ていた。
ところが
穏「そういえば一刀さんの姿が見えませんね〜。どこ行ったんでしょうか? 」
雪蓮「何なのよそれ!?一刀ったら袁術に会うのが嫌で逃げたに違いないわ!見つけたらおっぱいで顔を挟んでやるんだから!♯ 」
一刀にとっては拷問である。
そしてとうとう袁術がやって来た。
美羽「にゃははっ!孫策よ、よく来たと言いたいのじゃが来るのが遅すぎてまるで亀よのぅ 」
七乃「お嬢様〜、やはり孫策さんもお歳には勝てないんですよ〜♪ 」
袁術(真名を美羽)…金髪のチビッ子。名家である袁家というだけで威張っている。
張勲(真名を七乃)…青い髪をしたバスガイド風な格好。美羽の側近であり甘やかしているが時には美羽が困ることをする。
雪蓮「(くっ!このクソチビめ!♯)すみません美羽様、やはりお歳には勝てませんでした 」
普段ならばぶっ殺しているところだが相手は孫呉の上司であるため手が出せないのであった。
冥琳「それで我々に用とは何ですか? 」
冥琳が聞くと
美羽「ふむ、七乃説明せい! 」
七乃「はいは〜い♪孫策さん達には黄巾党とかいう賊を退治してもらいたいんです。お願いできますか? 」
黄巾党…三国志の中でも有名であり張三兄弟(この世界では張三姉妹)が率いているという
七乃が雪蓮に聞くと
雪蓮「(こっちが断れないのを知っている癖に!相変わらず張勲は嫌みな奴ね!♯)わかりました。ですが一つだけ頼みを聞いてください 」
美羽「何なのじゃ? 」
雪蓮「別の場所にいる孫呉の人を集めさせてください。でなければ黄巾党には勝てません 」
孫呉の人は謀反ができないよう袁術(主に七乃)によりバラバラに散らされている。
それを集めるということは謀反の企みがあるかもしれないということだが相手はおバカな袁術なのでいけるかもしれなかった。
ところが
美羽「ダメじゃ。お主らだけでなんとかせい 」
別に美羽は謀反を食い止めるためではなく気まぐれで断るのだった。
雪蓮「そこをなんとか!? 」
美羽「うるさいぞ孫策!とっと帰るのじゃ! 」
美羽が雪蓮に言うと
兵「袁術様、申し上げます! 」
一人の兵が玉座の間に入ってきた。
七乃「何かご用ですか? 」
兵の話を聞いてみると
兵「それが袁術様にどうしても会いたいという商人が来ていまして… 」
兵が言うと
商人「玉座の間はここですかな? 」
ぬっ!
一人のボロい服を着たみすぼらしい商人が玉座の間に現れた。
兵「お前!?門で待っていろと言っただろう!♯ 」
商人「すみません、どうしても袁術様を一目見ようと遠くから来たもので 」
ピクンッ!
自分を見に来たことに反応する美羽
すると
商人「おっ!?こちらにいるのは孫呉の皆さんではありませんか!? 」
商人は雪蓮達を見るとすぐに美羽の方を向いて
商人「しかしまぁ、あの江東の虎と呼ばれた孫呉をまるで猫を操るように従わせるなんてさすが袁術様ですな〜 」
美羽を誉めたてる。
すると
美羽「にゃははっ!そうじゃろそうじゃろ♪もっと誉めてたもう! 」
調子にのって高笑いをする美羽
商人「ところで話は聞きましたが孫呉は軍を欲しがっていると聞きます。でしたら軍くらいよろしいのではないでしょうか? 」
美羽「なぜじゃ? 」
商人「今の袁術様の地位は失礼ながら孫呉の影響があってのこと、だがその孫呉が困っていてそれを袁術様が助けたとなればどうなります? 」
美羽「ん… 」
〜美羽の想像〜
雪蓮「袁術様助けてくださ〜い! 」
美羽に泣きつく雪蓮
美羽「仕方がないのぅ、助けてやるのじゃ! 」
それを美羽が助ける。
すると世間の噂では
民「袁術様が孫策を助けてあげたそうだぞ 」
民「それなら次の大将軍の地位は袁術様に決定だな! 」
民達の美羽に対する評判は一気に上がる。
〜想像終了〜
美羽「うむっ!孫策よ、孫呉の皆を集めても構わないのじゃ! 」
雪蓮「えっ!?あ…ありがとうございます!? 」
七乃「お嬢様ったら〜、何も考えずに一気に決めるなんて素敵です〜♪ 」
本来なら美羽を止めなきゃいけないのだが止める気のない七乃
商人「よっ!さすが袁術様、大陸一の権力者ですね!更にもう一声! 」
美羽「にゃははっ!兵糧もたくさんくれてやるのじゃ♪ 」
孫呉にとってはいい条件である。
商人「それでは私はこれで 」
美羽「うむっ!袁術はいい人であったと伝えまくるがよい!孫策、お前ももう帰ってよいぞ 」
雪蓮「わかりました! 」
スッ!
商人と雪蓮達は去っていった。
そして商人と雪蓮達が一緒に歩いて帰る途中
冥琳「(きょろきょろっ) 」
冥琳が回りに人がいないのを確認すると
冥琳「北郷、もうこの辺でいいだろう 」
雪蓮「冥琳ったら何を言ってるの? 」
穏「何がいいんですか? 」
冥琳の言葉に?を浮かべる二人
すると
商人「やれやれ、冥琳にはバレていたか 」
カパッ!
商人の顔が外れて
バンッ!
顔が一刀になっていた。実はこの商人は一刀の変装だったのだ。
穏「一刀さんだったんですか!? 」
雪蓮「冥琳ったらいつの間に気づいていたの!? 」
冥琳「簡単な話だ。そいつは一目で我らを呉軍だと見破っただろう。そして袁術の性格を知り、なおかつ我らが呉軍だと知っている者となれば北郷くらいしか思い当たらないからな 」
一刀「ごもっともで、俺もまだ修行が足りないな 」
さすが呉軍の大軍師である冥琳であった。(ちなみに袁術の性格については事前に聞いていた。)
穏「でも一刀さん、一体どんな手を使ったんですか? 」
穏が聞くと
一刀「それなら簡単なこと、喜車の術を使っただけだ 」
穏「きしゃの術? 」
喜車の術とは、相手を喜ばせて隙を狙ったり自分の思い通りにする術であり
他に相手を怒らせて苛立たせる怒車の術、相手を悲しませて同情を誘う哀車の術、相手を楽しませて戦意を喪失させる楽車の術、相手を恐がらせて恐怖を抱かせる恐車の術。
これらを全て合わせて五車の術という。
つまり袁術の性格を聞いていた一刀は袁術をおだてて呉に有利な条件を出させたのだった。
雪蓮「さすがは一刀!…って言いたいとこだけど 」
スッ! ギロリッ!
雪蓮は一刀を睨み付ける。
雪蓮「江東の虎が猫ってどういうことよ!♯ 」
一刀「それはあくまで例え話で…!? 」
雪蓮「問答無用!お仕置きよ!♯ 」
ギュッ!
雪蓮は一刀の顔を自分の胸にうずめる。
普通の男ならば天国なのだが
一刀「(ブバッ!)や…やめてください!? 」
一刀にとっては地獄であった。
雪蓮の胸の中で鼻血を流す一刀
逃げようにも雪蓮が頭を押さえているため逃げられない!?
冥琳「雪蓮やめろ!? 」
穏「一刀さんが死んじゃいますよ〜!? 」
雪蓮「まだまだ〜っ!! 」
一刀「(ブババーッ!!) 」
そんなことがあり、次の日、黄巾党討伐の日がやってきた。
ちなみに雪蓮も暴れたくて参戦しようとしたのだが、二度も一刀を殺そうとした罪により一週間の禁酒と今日一日政務漬けの刑になった。
雪蓮「あ〜ん!!暴れたいのに〜!! 」
冥琳「口を動かす前に手を動かせ!♯ 」
雪蓮が逃げないよう冥琳が残り、あとの者は討伐に出掛けていた。
雪蓮「(でもなんだか不吉だわ、出掛ける時、蓮華から黒い気配を感じちゃったしね。私の勘って当たるから嫌だわ) 」
一方、出掛けた他のみんな(蓮華、一刀、穏、祭、思春)は
蓮華「一刀、残っていなくてよいのか? 」
一刀「心配無用です!それに孫権様を一人で行かしては護衛失格ですので! 」
ちなみに今回はいきなり戦闘があるかもしれないので一刀は初めから忍装束を着ていた。
もちろん一刀の状態を見て思春が蓮華の護衛を代わろうとしたのだが一刀はそれを断った。
穏「蓮華様、一刀さん、もう少しで我が孫呉の人間がいる場所に着きますからね〜 」
蓮華「それで穏よ、その者の名はわかっているのか? 」
蓮華は孫呉の人間と会うのが初めてだった。
もちろんそれを知っているのは王の雪蓮、大軍師の冥琳くらいしか知らない
穏「え〜と、冥琳様からの情報によりますと小蓮様と呂蒙と周泰という人物ですね 」
そして一刀達はその一番近くにいる周泰と合流すべく急ぐのだった。(小蓮と呂蒙は祭と思春が合流する)