拠点 入れ替わった二人
拠点シリーズ第三弾です
それはある朝のこと
呉の城・蓮華の部屋
パサッ!
?「う〜ん…もう朝か 」
蓮華の部屋に寝ていた人物が目を覚ますと
?「いけない!今日は大事な会議があったんだった!? 」
パパッ!
慌てていつもの蓮華の服を着た人物は
?「さて、急がなくては! 」
ダッ!
そのまま玉座の間へと向かっていった。
その道中
ざわざわっ!?
?「(何だか私を見つめるみんなの視線がおかしいような?おまけに何だかいつもより体が軽いのは何故だ?) 」
と疑問を考えているうちに
玉座の間
ガチャッ!
?「遅くなってすまない 」
玉座の間の扉を開けると
亞莎「あっ!おはようごさいますかず…ひぃっ!? 」
亞莎がいきなり驚いた。
?「どうしたのだ亞莎? 」
と聞いた瞬間
チリンッ!
鈴の音が聞こえ
思春「この変態がーっ!!♯ 」
バッ!
?「うわっ!? 」
いきなり思春が得物の鈴音を構えて襲いかかってきた!
?「な…何をするのだ思春!? 」
襲ってきた理由を聞いてみると
思春「何をするのだと、それはこっちの台詞だ!貴様がそんな変態だと思わなかったぞ!!♯ 」
そして
思春「北郷!何故貴様が蓮華様の服を着ているんだ!!♯ 」
?「えっ!? 」
スッ!
思春の言っていることに意味がわからなかったが近くにある鏡で自分の姿を見てみると
バァンッ!!
鏡には蓮華の服を着た一刀が映っていた!
一刀「えっ!?これは一体!? 」
思春「なに寝ぼけたことを!あの世でふざけたことをしたことを後悔するがよい!!♯ 」
ギラッ!!☆
そして思春が一刀に鈴音を突き刺そうとしたその時!
明命「た…大変なのです!? 」
バンッ!!
玉座の間に明命が慌てて入ってきた。
思春「明命、そんなに慌てて何があった 」
理由を聞いてみると
明命「な…何故か一刀様の離れで蓮華様が鼻血を出して倒れているんです!? 」
思春「なんだと!? 」
一刀「(まさか!?) 」
そしてその場にいた全員が一刀の離れに向かうと
一刀の離れ
バァンッ!!
そこには上着がはだけている蓮華が鼻血を出して倒れていた。
思春「蓮華様!?… 」
そんな蓮華に思春が近づこうとするがそれより早く
シュバッ!!
一刀が蓮華に近づくと
一刀「一刀!しっかりしろ!! 」
ゆさゆさっ!!
蓮華を揺さぶる一刀
すると
蓮華「う〜ん… 」
蓮華の目が覚め
蓮華「あれっ?どうして俺が目の前に? 」
一刀「やはり私に一刀が入ってたのか!? 」
思春「北郷の奴は何を言ってるんだ!? 」
明命「わからないのです!? 」
その後、しばらくして
玉座の間
冥琳「なるほど、つまり北郷の体に蓮華様が、蓮華様の体に北郷が入っているわけだな 」
蓮華「どうもそのようでして 」
一刀「どうしてこんなことになったの!? 」
玉座の間に雪蓮以外の全員が集まって互いに着替えた二人が事情を話していると
思春「蓮華様、本当に心当たりはないのですか? 」
という質問に対し
一刀「心当たりなんて別に… 」
一刀が答えると
思春「北郷!貴様には聞いてない!! 」
穏「思春ちゃん、落ち着いてくださいよ〜!? 」
亞莎「今の二人は体が入れ替わってるんですよ 」
思春「そうだった!? 」
ややこしい状態である。
冥琳「北郷も心当たりはないのか? 」
と聞いてみると
蓮華「俺も心当たりはとくに… 」
シャオ「お姉ちゃんには聞いてないってば! 」
明命「ややこしいのです!? 」
とこのまま続けていたら読者も作者も混乱していくので
一刀(蓮華)「こうなるわけか 」
蓮華(一刀)「まぁ少しは分かりやすいでしょう 」
という分け方になったのだった。
茜「それより雪蓮様はどこですか? 」
そして茜がこの場にいない雪蓮について聞いてみた直後
雪蓮「ちょっとどういうことよこれ!? 」
バタンッ!!
雪蓮がいきなり入ってきた。
雪蓮「何で一刀と蓮華が入れ替わっちゃってるのよ!? 」
ゆさゆさっ!!
一刀(蓮華)「ね…姉様、落ち着いてください!? 」
一刀(蓮華)を揺さぶる雪蓮
すると
雪蓮「せっかく私が一刀になれると思ってたのにーっ!! 」
ピタッ!
雪蓮のこの言葉に全員が反応すると
冥琳「雪蓮、今の言葉はどういうことだ?♯ 」
一刀(蓮華)「姉様は何か知っているようですねぇ♯ 」
ギロリッ!!♯
雪蓮「やばっ!? 」
物凄い形相で雪蓮を睨み付ける冥琳と一刀(蓮華)
雪蓮「じ…実は昨日の夜!? 」
この二人に逆らえるはずがなく白状する雪蓮
そして雪蓮の話によると
ある行商人から触れて一晩眠るとそれぞれが入れ替わってしまう薬を手に入れた雪蓮は昨夜、離れに向かおうとする一刀に薬を飲ませて自分を触れさせたのだ。
とここまでは雪蓮の計算通りだったのだが
この後、一刀は偶然蓮華と出会い、蓮華に書物を渡した際に触れてしまい一夜が過ぎて入れ替わってしまったのだ。
冥琳「つまり原因は雪蓮というわけか 」
一刀(蓮華)「そんなことだろうと思ったわ 」
雪蓮の口から真実を知らされると
雪蓮「あ〜ぁ、私が一刀になれば今頃私の体を押さえつけて子作りできると思ったのに残念 」
蓮華(一刀)「それだけのためにこんな手の込んだことをしたんですか!? 」
普段は面倒くさがりな雪蓮だがおのれの欲望のためなら何でもするのであった。
冥琳「ともかく!雪蓮には罰として今日蓮華様がやる予定だった仕事をすること! 」
雪蓮「えぇ〜!?せっかく今日は非番なのに… 」
冥琳「嫌なら一週間の禁酒… 」
雪蓮「やります!? 」
酒を失うのと仕事をするなら迷わず仕事を選ぶ雪蓮であった。
とその時!
一刀(蓮華)「あっ!?しまった今日は町で品物を受け取る用があったんだった!? 」
一刀(蓮華)が何かを思い出した。
蓮華(一刀)「なら俺が行ってきますよ 」
と蓮華(一刀)が言うが
一刀(蓮華)「ダメだ!一刀が受け取りに行ってはダメなのだ!ちょっと行ってくるからついてくるのではないぞ 」
ダッ!
蓮華(一刀)「ちょっと蓮華様!? 」
一刀(蓮華)はそのまま町に向かっていった。
蓮華(一刀)「(俺が受け取りに行ってはダメといってもその体は俺なのにどうしてダメなんだ?) 」
行ってはいけない理由を不思議に思う蓮華(一刀)であった。
その頃
一刀(蓮華)「まったく一刀は鈍いのか勘が鋭いのかわからないな 」
一刀(蓮華)が受け取りに行くもの
それは最近呉のために頑張っている一刀に対しての贈り物であった。
と一刀(蓮華)が歩いていると
果物屋「よっ!そこの兄ちゃん! 」
果物屋に呼び止められ
果物屋「この前は配達手伝ってくれてありがとよ!こいつは礼として持ってきな! 」
ドサッ!!
一刀(蓮華)「えっ!? 」
お礼として桃がたくさん入った籠をもらった一刀(蓮華)
その直後
おばさん「あっ北郷さん、この間は迷子になったうちの息子を見つけてくれてありがとうございました 」
息子「兄ちゃんありがとう! 」
一刀(蓮華)「ど…どうも!? 」
その後も次々と町の人々からお礼を言われる一刀(蓮華)
一刀(蓮華)「(一刀は民からも好かれているのだな) 」
と一刀(蓮華)が思っていると
ぐいっ!!
一刀(蓮華)「えっ!? 」
突然裏路地の方に引っ張られる一刀(蓮華)、すると
アニキ「よう兄ちゃん久しぶりだな 」
バンッ!!
一刀(蓮華)を裏路地に引っ張ったのは人相の悪い三人組(アニキ、チビ、デク)であった。
一刀(蓮華)「お前達、私に一体何の用だ! 」
一刀(蓮華)が聞くと
アニキ「何の用だと、ふざけやがって! 」
チビ「この間はよくも商売の邪魔してくれたっすね! 」
デク「そのお礼をさせてもらうんだな!! 」
実はこの三人組。以前暴力を使って商売をしていたのを見かけた一刀が成敗したのだ。
一刀(蓮華)「フッ! 」
アニキ「何がおかしい! 」
一刀(蓮華)「貴様らのようなゲスは一刀に頼らずともこの孫権仲謀が成敗してくれる! 」
スッ!
そう言って一刀(蓮華)は腰にある剣を抜こうとするが
スカッ!
一刀(蓮華)「あれっ?ってしまった!?私は今、一刀なんだった!? 」
一刀は必要ない時には剣を持たない性格なため剣はなかった。
アニキ「へんっ!こいつ自分が孫権だなんて頭がおかしいらしいな、こんな奴、怖くねえぜ!! 」
ジャキンッ!!
三人組は一刀(蓮華)に剣を向ける!
一刀(蓮華)「(不味い!?体も一刀だから笛を持ってないから助けも呼べない!?) 」
普段の一刀なら素手でも戦えるだろうが生憎今の一刀は蓮華である。
アニキ「くたばりやがれっ!! 」
一刀(蓮華)「くっ!? 」
丸腰の一刀(蓮華)に剣を防ぐ手立てはなく、切られそうになったその時!
シュッ!! ブスッ!!
アニキ「いてぇっ!? 」
アニキの手に手裏剣が刺さった!
チビ「誰だ! 」
三人組は手裏剣が投げられた場所を見てみると
バァンッ!!
屋根の上に茜の忍び服を着た蓮華(一刀)がいた。
シュタッ!!
そして蓮華(一刀)が屋根から飛び降りて着地すると
蓮華(一刀)「貴様ら、どうやら仕置きが足らなかったようだな 」
ギロリッ!!♯
三人組を睨み付ける蓮華(一刀)
アニキ「呉の次王の孫権様がいつ俺達に仕置きしたんだよ!? 」
蓮華(一刀)の言葉に三人組は驚くが
蓮華(一刀)「問答無用!成敗いたす! 」
ジャキンッ!!
蓮華(一刀)は気伝丸を構えると
蓮華(一刀)「ハァーッ!! 」
ドカカッ!!
三人組『ぐぎゃーっ!? 』
ばたりっ!!
峰打ちとはいえボコボコにされる三人組
蓮華(一刀)「蓮華、怪我はなかったか!? 」
そして三人組をボコった後、蓮華(一刀)が一刀(蓮華)に聞いてみると
一刀(蓮華)「一刀が来てくれたから怪我はない。だが 」
ジロッ…
一刀(蓮華)は蓮華(一刀)に詰め寄ると
一刀(蓮華)「ついてくるなと言ったのについてきていたんだな!!♯ 」
ぐいーっ!!
蓮華(一刀)「ひっ…ひはいへふ!?(いっ…いたいです!?) 」
蓮華(一刀)の頬を引っ張る一刀(蓮華)
一刀(蓮華)「おまけに何で茜の服を着ているんだ! 」
蓮華(一刀)「実は蓮華の服じゃあ動きずらかったので茜から借りたのです。ちょっと胸がきついですけど… 」
むにゅっ!
そう言いながら蓮華(一刀)は自分の胸を触っていたので
ブバッ!! バタンッ!!
鼻血を出して倒れてしまった!
一刀(蓮華)「一刀!?私の体で鼻血を出して倒れるんじゃない!? 」
この後、蓮華(一刀)が持っていた笛で茜を呼んで蓮華(一刀)を連れ帰ってもらった。
そしてその後、一刀(蓮華)は頼んでいた一刀への報奨の品を受け取ったという
だが後で驚かせてやろうと思いすぐに一刀には渡さなかった。
そして一夜が明け、次の日の朝
蓮華「やった!?戻っている!? 」
一刀「う〜ん… 」
何とか二人の体は元に戻ったのだった。




