賊との戦い
一刀達呉軍が村についてから一夜が明けた頃
賊のアジト
頭「野郎共!村の奴らは呉軍に助けを求めたようだがいくら軍とはいえ数は俺達の方が上だ!呉軍を倒して俺達の名を上げようぜ! 」
賊達『うぉーっ!! 』
3万の兵を纏める賊の頭・入道が叫ぶと盛り上がる賊達
そして賊達は村へと進軍していった。
しばらくして
賊達が村にやって来ると
賊「入道様、村に入るための橋がありません。どうしましょう? 」
村に入るための橋が無くなっていた。
入道「慌てるな、奴らは橋を落とせば俺達が侵攻できないと思っているらしいが所詮は浅知恵だぜ。野郎共!馬を使えば川を渡れるから進軍だ! 」
賊達『うぉーっ!! 』
村に入るには橋を渡るか流れの早い川を通るしか道はない。
だが流れが早いからといって馬を使えば簡単に川を渡れるのだ。
バシャバシャッ!!
賊達は馬を使って川を渡る。
入道「にしし、もうすぐ村の金品が全部俺のものになるぜ♪おまけに呉軍を指揮している孫権ってやつは美人な上になかなかの巨乳で良い尻をしてると聞く、捕らえて俺の愛人にしてやるぜ♪ 」
何かよからぬことを考える入道
そして賊達が川の中盤に入ったその時!
ガクンッ!!
賊「うわっ!? 」
バシャンッ!!
一人の賊が足を滑らせて川に流されてしまった。
入道「何ヘマしてやがるんだ馬鹿が! 」
そしてこれをきっかけに
ガクンッ!!ガクンッ!!
賊達『うわっ!? 』
バシャバシャンッ!!
次々と賊達が足を滑らせて川に流されてしまった。
入道「ドジな奴らだぜ 」
そういう入道も
ガクンッ!!
入道「なっ!? 」
足を滑らせて川に流されてしまいそうになるが
入道「なんのっ!? 」
ガシッ!!
入道は得物の金砕棒(金棒)を川に突き刺して流されるのを防いだ。
これにより馬は流されたものの自分は助かった入道であった。
入道「(危なかった!?しかし俺様とあろうものが何で足を滑らせたんだ?) 」
入道が川に何かあると思って川をじっと見てみると
入道「何だこりゃ!? 」
川の底に桶つぼが埋まっていた。
この桶つぼに足をとられてしまい馬は次々と流れてしまったのだ。
これが一刀が考えた作戦その一、『地獄落とし』である。
入道「野郎共!川の底に桶つぼが埋まっているから足をとられないよう気を付けろ! 」
賊達『へいっ!? 』
この後、入道の指示で桶つぼを避けながら進んでいったものの、数千人の賊が流されてしまい残りは27000人(二万七千)となった。
入道「浅知恵の呉軍にしてはなかなかの罠をやるじゃねぇか!野郎共、ここから先は歩くぞ!また馬を足止めする罠があったらたまらないからな! 」
賊達『おうっ! 』
賊達は入道の指示に従って馬を降りて村へと攻めていく!
だが、これがいけなかった。
賊達が村に向けて歩いていくと
ボコッ!!
賊「えっ!?うわーっ!? 」
ドスンッ!!
賊の一人が落とし穴に落ちたのをきっかけに
ドスドスンッ!!
入道「何やってんだよお前ら!? 」
賊は次々と落とし穴に落ちていき
残りは10000(一万)人になってしまった。
しかも落とし穴は深く、簡単には脱け出せない
その時!
ガァーッ!!
閉じられていた村の入り口が開くと
兵達『うぉーっ!! 』
ドドォーッ!!
孫呉の兵達が賊達に向けて突撃していった。
賊達『ひぃーっ!? 』
孫呉の兵五千と賊が一万で数では賊が上回っていたが武力ならば孫呉の方が上なので実力は互角であった。
しかし、まだそれだけならよかったのだが
思春「フンッ! 」
スパンッ!!
賊達『がはっ!? 』
一刀「ハァッ! 」
ズバッ!!
賊達『がはっ!? 』
呉軍には思春と一刀という猛者がおり、賊は次々と数を減らしていき戦いは呉軍が有利であった。
そして
入道「ちくしょう!? 」
ダッ!
賊「あっ!?ちょっとお頭、待ってくださいよ!? 」
戦況が悪くなったことにより入道は一人逃げようとする
だが
一刀「むむっ!部下を見捨てて逃げるとは何たる悪党め! 」
シュンッ!!
逃げる入道を見つけた一刀は入道を追跡する。
しばらくして
村はずれ
入道「ハァハァ…、ここまでくれば大丈夫だろう!?ちくしょう呉軍め!次に会う時は覚えていろよ! 」
村はずれまで逃げた入道だが
一刀「この悪党め! 」
入道「だ…誰だよ!? 」
突然聞こえた声に驚く入道
すると
シュンッ!!
入道の前に一刀が現れた。
入道「誰だよお前!? 」
入道が聞くと
一刀「俺は孫呉に仕える忍・北郷一刀だ! 」
小助『相棒の小助だい! 』
ババンッ!
一刀達が名乗りをあげた後
入道「どうやら俺を捕まえに来たようだが一人で来るとは馬鹿なやつめ! 」
グッ!
入道は金砕棒を握ると
入道「くたばりやがれーっ!! 」
ブォンッ!!
一刀めがけて降り下ろした。
一刀「フッ! 」
サッ! ズシンッ!!
だが攻撃を簡単に避ける一刀
一刀「お前のような奴にはもったいないが少し本気を出してやろう! 」
バサッ!
一刀がフランチェスカ学園の制服を脱ぎ捨てると
バンッ!
服の下にはすでに忍装束があった。
一刀「この方が動きやすいのでな、では参る! 」
すると一刀は
ビュンッ!!
目にも止まらぬ早さで入道に向かうと
ドガッ!!
入道「ぐほっ!? 」
入道にラリアットを食らわし、
シュッ!
直ぐ様後ろに回り込むと
ドガッ!!
入道「ぐほっ!? 」
今度は後ろから正拳突きを食らわし
シュッ!
入道の懐に入ると
一刀「せいやっ!! 」
ドガッ!!
入道「ぐほっ!? 」
ビュンッ!!
上段蹴りで入道の体を上に放り投げ
シュンッ!! クルクルッ!
最後に入道を追いかけながら回転し、
一刀「ハァッ!! 」
ドガッ!!
入道「がはっ!? 」
入道に踵落としを食らわせた。
ドッシーンッ!!
そして地面に落ちる入道
普通の人間ならば即死、あるいは重傷なのだが
入道「きゅ〜!? 」
一刀が手加減したため気絶だけですんだ。
小助『よくできたじゃねえか!北郷流体術・東西南北がよう 』
北郷流体術・東西南北
相手の正面からラリアット、すかさず後ろから正拳突き、そして懐に入り込み上段蹴り、最後に回転して威力を高めた踵落としを食らわせる必殺技である。素早さがないとできない技なのだ。
一刀「それでは早く孫権様の所にいくぞ 」
ぐいっ! ズズズ…
一刀を入道を引きずりながら蓮華の所に向かった。
それからしばらくして
蓮華「一刀、どこにいるのだ? 」
蓮華が作戦を立てて功績を作った一刀を褒めようと探していると
蓮華「(あっ!あんなところに) 」
天幕の影に一刀が写っていた。
蓮華「かず… 」
そして蓮華が一刀を呼ぼうとしたその時!
一刀「ゲボッ!! 」
一刀は盛大に吐いた。
サッ!
驚いた蓮華が物陰に隠れて様子を見てみると
小助『大丈夫か相棒? 』
一刀「何とか大丈夫だ!?しかし人を切っただけで吐くなんてまだまだ修行が足りないな 」
一刀は民達を守るためとはいえ人を切った。
忍者とはいえ平和な現代に生まれた一刀は殺生の経験がなかったのだ。
一刀「これから先にも同じことがあるだろう。だから吐いてなどいられないのだ! 」
グッ!
拳を握る一刀
蓮華「(一刀…) 」
そしてそんな一刀を見つめる蓮華であった。