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断金の絆

普段は喧嘩している二人ですが結構仲がいいんです

ある日のこと


蓮華「ハァッ!! 」


思春「なんのっ!! 」


カキンッ!!


蓮華は思春相手に鍛練し


明命「お猫様〜♪ 」


明命は猫とじゃれあい


祭「遊んでばかりいないでたまには勉強せねばのう小蓮様 」


シャオ「む〜!? 」


シャオは祭に勉強を強制され


穏「は〜、たくさん仕事がありますね〜!? 」


亞莎「そうですね!? 」


穏と亞莎は政務をし


茜「ふんふんふ〜ん♪ 」


茜は風呂に入り


一刀「・・・ 」


一刀は離れにて座禅中


というような呉では珍しくもないいつものような日々を過ごしていると


冥琳「雪蓮ーっ!!♯ 」


ビビーーンッ!!


いきなり冥琳の怒鳴り声が城内に響き渡った!


その反動で


蓮華「きゃっ!? 」


思春「うわっ!? 」


ずるっ!!


蓮華と思春はずっこけてしまい


ササーッ!!


明命「お猫様〜!? 」


猫達は逃げ出してしまい


祭「おわっ!? 」


シャオ「きゃっ!? 」


ずるっ!! ガタンッ!!


祭はこけそうになり、シャオはイスから落ち


ガタターッ!!


穏「きゃーっ!? 」


亞莎「うわぁーっ!? 」


政務室の棚にあった本が崩れてきて二人を襲い


茜「うわっ!?ぶくぶくっ…!? 」


茜は驚いて湯船に沈んでしまい


一刀「うおっ!? 」


バタッ!!


一刀も怒鳴り声の反動で倒されてしまった


だがみんなは慌てなかった。


何故なら冥琳がここまで怒鳴るのはある人物が原因、それがすでに誰なのかわかっているからだ。


その人物とは…


冥琳「まったくお前は昼間から仕事もせずに酒ばかり飲みおって!!♯ 」


雪蓮「まぁまぁ冥琳落ち着いてよ!?そんなに怒ると小じわが増えるわよ!? 」


冥琳「誰のせいで怒ってると思ってるんだ!!♯ 」


冥琳がこんなにも怒鳴る人物、それは雪蓮であった。


ニュッ!


そして雪蓮と冥琳以外の全員が扉の隙間から中の様子を見ると


蓮華「まったく姉様ときたら!(小声) 」


祭「よくもまぁ懲りずに叱られるようなことをするもんじゃわい(小声) 」


声を出すと気づかれてしまうため小声で会話するみんな


そして更には


シャオ「ねぇ、説教がどれくらい続くかおやつを賭けない♪シャオは夜まで!(小声) 」


穏「私はお昼までですね〜(小声) 」


茜「明日の朝まで!(小声) 」


賭け事まで発生していたりする。


すると


ガタンッ!!


いきなり何かが倒れる音が聞こえ


一刀「何事だ? 」


スッ!


一刀が覗いてみるとそこには


バンッ!!


冥琳が倒れていた。


そしてそれを見たみんなは


雪蓮・冥琳以外の全員『冥琳!? 』


バタンッ!!


直ぐ様、冥琳を心配して部屋の中に駆け込んだ。


雪蓮「ちょ…ちょっとみんな、何で入ってくるのよ!?さては覗いていたわね!ひどーい!!それなら何で助けてくれな… 」


蓮華「今はそんなことより冥琳の方が大事です!! 」


ビシッ!!


文句を言う雪蓮を黙らせる蓮華


一刀「冥琳、しっかりしろ!? 」


ガバッ!!


そして一刀が冥琳を起こすと


冥琳「ハァハァ…!?/// 」


冥琳は顔を赤くしていておまけに息苦しそうであった。


亞莎「おまけに熱が物凄くあります!? 」


読者のみんなもお分かりだろう、この症状は…


雪蓮「もうっ!冥琳ったら新しい本を見つけて興奮しちゃったのね! 」


祭「そんなわけないじゃろう!! 」


穏「これはどう見ても風邪じゃないですか〜!? 」


茜「ともかく早く寝台に寝かさないと!? 」


明命「冥琳様の寝巻き(パジャマ)を取ってきます!! 」


シャオ「じゃあシャオは水枕持ってくる!! 」


ダダッ!!


みんなが冥琳のために行動するなか


雪蓮「何よ、みんなったらさっきから私のことをほっといちゃってさ 」


一人ふてくされる雪蓮であった。


しばらくして


冥琳「ハァハァ…!?/// 」


みんなの看護により寝台に横たわる冥琳


そして体温計で熱を計った結果


蓮華「大変!?熱が40度近くあるぞ!? 」


思春「しかし冥琳様が寝込むほど熱を出すだなんて鬼の撹乱(かくらん)ですね!? 」


鬼の撹乱…普段元気な人が病気になること


明命「冥琳様、最近夜遅くまで仕事していましたからね、無理が(たた)ったんでしょう 」


冥琳を心配するみんなだが


雪蓮「もう冥琳ったら、そんなに夜遅くまで仕事しなきゃいいのに 」


という雪蓮だが


穏「何をいってるんですか!!冥琳様が夜遅くまでやっている仕事は雪蓮様が昼間、政務室から脱け出してサボった仕事なんですよ!!♯ 」


いつもはのほほんな感じの穏がいつになく強気であった。


亞莎「冥琳様、すいませんでした!私達が未熟でなければ仕事を手伝えましたのに… 」


亞莎が冥琳に謝ると


冥琳「そ…それは違うぞ亞莎 」


冥琳が言葉を出してきた。


冥琳「お前達まで徹夜してはいけないと思った私の判断だ…ごほほっ!! 」


咳き込む冥琳


シャオ「ねぇ一刀、風邪によく効く方法とかないの? 」


一刀「そうですな、この場でできることといえばこまめに汗を拭くことしか… 」


と一刀が言った瞬間


雪蓮「なら簡単じゃない♪ 」


スッ!


雪蓮が冥琳の後ろに立つと


雪蓮「それっ♪ 」


ぐいっ!!


冥琳「なっ!?/// 」


雪蓮が冥琳の寝巻きを脱がし始めた。


以前にも説明したがこの世界の寝巻きは浴衣のようなものが主である。よって簡単に脱がすことが可能なのだ。


ぷるんっ♪


更に、ブラをつけると息が苦しくなるということで冥琳はノーブラであり、そんな冥琳のおっぱいを正面から見てしまった一刀は


ブバッ!! バタンッ!!


鼻血を出して倒れてしまった。


蓮華「一刀!?姉様、何をしてるんですか!! 」


雪蓮「私は冥琳の汗を拭こうとしただけだもん♪でもこれで冥琳も初ポロリね♪ 」


蓮華「いってる場合ですか!!♯ 」


ギャーギャーッ!!


雪蓮のせいで部屋が騒がしくなってしまった。


それからしばらくして


蓮華「まったくもうっ!姉様ときたら 」


冥琳「まぁ雪蓮らしいですがね 」


何とか雪蓮を追い出し、一刀が倒れている間に汗を拭いたおかげでさっきよりマシになった冥琳


そしてその頃、厨房にて


ガラッ!


祭「よくできたわい、さて持っていくとするか 」


厨房から出てきた祭が冥琳に差し出すお(かゆ)を持っていこうとしたその時


雪蓮「ねぇ祭、そのお粥、私が持っていってあげるわ♪ 」


スッ!


急に雪蓮が現れ祭に頼むと


祭「ならば頼むぞ 」


雪蓮「任せなさいっ♪ 」


スッ!


雪蓮にお粥が入った鍋を渡す祭


スッ!


そして祭が去った後


ぐきゅ〜っ!!


お昼を食べていなかった雪蓮のお腹が鳴った。


雪蓮「(じゅるりっ♪) 」


それから少しして


ガラッ!


雪蓮「冥琳、祭からのお粥を持ってきてあげたわよ♪ 」


雪蓮が鍋を持って部屋にやって来た。


雪蓮「はい蓮華、それじゃあ私はこれでね〜♪ 」


サッ! ビューッ!!


雪蓮は鍋を蓮華に渡すと早々に去っていった。


蓮華「ちょっと姉様!?ってあれ?粥が入ってるわりには軽い…まさか!? 」


パカッ!!


蓮華が鍋を開けると


バーンッ!!


鍋の中身は空っぽであった。


蓮華「姉様ーっ!!♯ 」


冥琳「雪蓮ーっ!!♯ 」


ドッカーンッ!!


二人の怒りが爆発した。


そしてこれにより


バンッ!!


冥琳の部屋には雪蓮立ち入り禁止の紙が貼られ


蓮華「いいかみんな、絶対に姉様を部屋に入れるなよ! 」


全員『了解! 』


雪蓮を部屋に入れないよう警備隊が組まれた。


すると


祭「しかし策殿も困ったもんじゃのぅ、少しはあの時の気持ちが残っておらんのかい 」


蓮華「どういうことだ祭? 」


祭の言葉に蓮華が質問すると


祭「あれはまだ堅殿(雪蓮達の母)と周異(冥琳の母)が生きておった頃じゃ 」


ここで祭は思い出話をし始める。


それは昔のこと


幼い雪蓮「めいり〜ん♪ 」


幼い冥琳「まちなさい雪蓮! 」


幼い二人はまるで姉妹のように仲がよかった。


そんなある日


幼い冥琳「けほけほっ!! 」


ある雨の夜、幼い冥琳は風邪を引いて寝込んでしまった。


普通、こういう場合は母が側で見守るものなのだが


祭「困ったのぅ、堅殿も周異様も賊退治で出掛けておるし 」


生憎冥琳の母である周異は数日前から孫堅と共に賊退治に出掛けていて留守であった。


と今より若い祭がどうしようかと悩んだその時


ガラッ!


扉が開かれると


幼い雪蓮「冥琳!? 」


トタターッ!!


ずぶ濡れの幼い雪蓮が部屋に入ってきて


スッ!


一輪の花を冥琳に差し出した。


幼い雪蓮「母様が言ってた!この花は元気をくれるって! 」


祭「(確かに堅殿はそういったがあの花は断崖絶壁の場所にしか咲かない花のはずじゃがまさか!?) 」


よく幼い雪蓮の体を見てみると傷だらけであった。


幼い雪蓮は雨の降るなか、断崖絶壁を登り、花を手に入れたのだ。


幼い雪蓮「冥琳もこの花で元気になってね!私は冥琳とずーっと一緒にいるからね♪ 」


幼い冥琳「雪蓮… 」


そして数日後、冥琳の風邪はすぐ治ったという


祭「ということがあったのじゃ 」


ちなみに蓮華とシャオはまだ産まれていないため登場していない


そして祭の話が終わると


蓮華「あの姉様にそんな過去があったなんてな 」


一刀「普段から冥琳をからかっているのも元気になってほしいからかもしれませんね 」


全員『・・・ 』


雪蓮の思いが全員の心に響き渡った。


そして夜が来て


亞莎「じゃあ、後はよろしくお願いします 」


茜「任せなさいっ! 」


交代で見張りをしていた亞莎は茜と代わるが


茜「やっぱり眠いなぁ…ZZZ… 」


すぐに眠ってしまった。


そしてその隙に


サッ! ガチャッ!


誰かが冥琳の部屋に入り込んだ。


その直後


ぬっ!


隠れていた雪蓮と冥琳以外の全員が現れた。


蓮華「素直に謝れば入れてあげるというのに 」


思春「それは無理というものでしょう 」


一刀「それにしても、うまい寝たフリだったぞ茜 」


一刀が茜を見ると


茜「ZZZ… 」


一刀「って、おいっ!! 」


茜はマジで寝ていた。


そしてみんながそんな会話をしている頃、冥琳の部屋では


雪蓮「・・・ 」


さっき入っていった雪蓮が立っていた。


スッ!


そして雪蓮は寝ている冥琳の近くに近づくと


スッ!


雪蓮「ねぇ冥琳、あの時のこと覚えてる? 」


幼い頃の花を押し花にして保存し、それを手に持って冥琳に語りかける雪蓮


雪蓮「あの時、冥琳の風邪が治った後約束しあったよね、冥琳が『母様の後をついで立派な軍師になる』って言って私が『冥琳は体が弱いから私が冥琳を守る』って言ったのにこんなことになってごめんね 」


スッ!


冥琳の手を取る雪蓮


その時、冥琳は


冥琳「(どうやら反省してるようだな、私も怒りすぎたし許してやるとするか、しかし雪蓮があの頃を覚えていたなんてな) 」


寝たフリをして話を聞いていた冥琳であった。


それから数日後


冥琳「雪蓮ーっ!!♯ 」


ビビーーンッ!!


雪蓮「もうっ!冥琳ったら、そんなに怒ると小じわが… 」


冥琳「誰のせいで怒ってると思ってるんだーっ!!♯ 」


ビビーーンッ!!


城内に響く冥琳の怒鳴り声だが


一刀「まぁ喧嘩するほど仲がいいといいますからな 」


蓮華「その通りだな 」


と二人を見つめるみんなであった。


次回は正月ネタです

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