孫呉の一日
今回は呉の軍師が二名でます
思春との戦いでは負けたものの、何とか蓮華の護衛になることができた一刀
そしてその場にいた主要人物(孫策、黄蓋、甘寧)から真名を預かった。
真名とは聖なる名で、たとえ知っていても本人の許可なく言えば首を切られてしまう名である。ちなみに三人の真名は雪蓮、祭、思春であった。
そして蓮華も真名を教えようとしたのだが一刀いわく『まだ自分はあなたに仕えたばかりですので真名を預かるわけにはいきません』と言って断った。
普通ならば真名を断る時点で侮辱行為にあたるのだが『一刀なら仕方ない』と答える蓮華であった。ちなみに孫権の真名は蓮華である。
そしてその日の夜
一刀は呉の城の一部屋を住まいとしてもらったのだった。
一刀の部屋
一刀「これで全て終わったな 」
小助『少し疲れたぜ 』
一刀と小助は昼間のうちに持参した忍具の整備をしていたが終わった頃には夜になってしまった。
一刀「これで明日より護衛として頑張らないとな! 」
小助『そうと決まれば後は体を休めるだけだぜ! 』
そして二人は寝ることにしたのだが
スッ!
何故か一刀は寝台の方に向かわず
シュッ!
天井裏の方に行った。
一刀いわく、天井裏の方が落ち着くとのこと
もはや一刀にとって部屋は天井裏になったのだった。
そして次の日の朝
雪蓮「う〜っ、頭いた〜い!昨日は飲み過ぎちゃったみたいね!? 」
実は昨日の夜、雪蓮が何を言っても一刀は蓮華に支えると聞いてくれなかったので夜通しで酒を飲んでいた雪蓮であった。
雪蓮「でもこういう時にあの人がいなくてよかった〜♪ 」
雪蓮が喜ぶと
?「誰がいなくてよかっただって? 」
雪蓮「誰ってそれは… 」
くるっ
雪蓮が声のした方を向くと
ゴゴゴッ…!!♯
そこには眼鏡をかけた褐色の肌をした黒髪の女性が鬼の角を生やした感じで怒っていた。
雪蓮「め…冥琳!? 」
この人物の名は周瑜公瑾(真名は冥琳)。孫呉の大軍師であり雪蓮の親友
冥琳「私と穏が袁術に呼ばれた隙に酒を飲みまくるなんてな♯ 」
ちなみに呼ばれたのは雪蓮だが冥琳は代理で向かった。
雪蓮「ち…違うのよ冥琳!?酒を飲みすぎたのは私のせいじゃなくて一刀のせいなのよ!? 」
一刀のせいでやけ酒したのだからと一刀のせいにする雪蓮
冥琳「誰なんですかその一刀という人物は? 」
雪蓮「それはね… 」
雪蓮が話そうとした時
「お止めください!? 」
庭の方から声がした。
冥琳「今の声は何だ? 」
雪蓮「行ってみましょう 」
タタッ!
声のする方に向かう二人
するとそこには
バシャバシャッ!
洗濯をする一刀と
侍女達『北郷さん、お止めください!? 』
一刀を止めようとする侍女達がいた。
侍女達『洗濯なら私達がやりますからお止めください! 』
侍女達は言うが
一刀「忍者たるもの、自分のことは自分でしなければならないのだ。だから自分の分の洗濯は自分でやりますよ 」
パチッ!
一刀は侍女達にウィンクすると
侍女達『はぅっ/// 』
おちる侍女達だった。
小助『これでお前に自覚がないってのがすごいな!? 』
一刀「なんのことだ? 」
一刀自身、何故侍女達が倒れたのか理解できなかった。
その時!
雪蓮「おはよう一刀♪朝から洗濯なんてせいが出るじゃない♪ 」
雪蓮達が一刀に近づいた。
一刀「おはよう雪蓮、それとそちらの方は? 」
一刀が冥琳を見ると
冥琳「お前と会うのは初めてだったな、私は孫呉の大軍師・周瑜だ。皆が真名を預けたのなら冥琳と呼んでくれ 」
一刀「承知。ではまだ洗濯があるのでこれで 」
バシャバシャッ!
再び洗濯を始める一刀
すると
雪蓮「だったらこれもついでにお願いね♪ 」
パサッ!
雪蓮が洗濯籠に新たなものを入れた。
冥琳「お前、北郷を何だと思ってるんだ? 」
一刀「まぁついでだからいいですよ 」
スッ! バシャバシャッ!
雪蓮が入れたものを洗う一刀
パサッ!
そしてそれを広げた瞬間
ぶばっ!!
一刀の鼻から鼻血が噴き出した。
何故なら一刀が洗ったものは下着だったからだ。
雪蓮「下着汚してない? 」
小助『他にいうことがあるだろうが! 』
雪蓮にツッコム小助だが雪蓮は全然聞いていない
一刀「ひ…ひどいな雪蓮!自分の下着を入れるだなんて! 」
雪蓮に対して怒る一刀だが
雪蓮「あらっ、私のじゃないわよ 」
一刀「えっ!? 」
驚いた一刀が下着をじっと見つめると
雪蓮「だってそれ蓮華のだもん♪ 」
それを聞いた瞬間
ブババッ!!
さっきよりも物凄い鼻血が噴き出された。
とそこへ
蓮華「姉様!♯ 」
ズンズンッ!!
蓮華が怒った顔をしてやって来た。
雪蓮「あら蓮華、何か用? 」
蓮華「何か用?ではありません!箪笥に入れていたお気に入りの下着が見当たりませんでした!絶対姉様の仕業でしょう返してください!♯ 」
怒る蓮華が雪蓮に聞くと
雪蓮「下着ならあそこよ 」
ビシッ!
雪蓮が指差した先は
ババァーンッ!!
一刀が鼻血を出して倒れていた。しかもその手には蓮華の下着が握られていた。
蓮華「一刀!?大丈夫か!? 」
パシッ! ガバッ!
一刀の手から下着を取った蓮華は一刀を起こす
すると一刀は
すたっ!
一刀「おはようございます孫権様 」
ペコリッ
すぐに立ち上がって蓮華に礼をするのであった。
蓮華「大丈夫なのか!? 」
心配する蓮華だが
一刀「これしき大丈夫でございます 」
という一刀であった。
小助『(北郷流の掟、主君を前にすればたとえ傷を負っていても我慢すべし!だからな) 』
そして蓮華が去った後
雪蓮「(むーっ!!一刀ったらまだまだ蓮華を主君として見てるわね!これは少しお仕置きが必要ね♪) 」
一刀が自分ではなく蓮華に仕えることが気に入らない雪蓮であった。
すると雪蓮は
雪蓮「一刀、後でいいから書庫に行ってこの本取ってきてくれる 」
一刀「別にこれから用はないから今すぐ行ってきますよ 」
シュッ!
雪蓮から本の題名を書いた紙を受け取り書庫へと急ぐ一刀
雪蓮「にひひっ♪うまくいったわ♪ 」
その一刀を見て不気味に笑う雪蓮
そしてその頃、書庫
ギィーッ!
一刀「さて、早く本を見つけなければ 」
そして本を探そうとする一刀だが
ずらりっ!!
一刀「たくさんあるな!? 」
小助『こりゃ全部調べたら時間がかかりすぎるぞ!? 』
孫呉の本は山ほどあり、書庫を詳しく知らない一刀にとっては大変であった。
一刀が困っていると
小助『おい見ろよ!人がいるぜ! 』
小助が書庫にいる人を発見した。
一刀「あの人に聞いてみるか! 」
ダッ!
一刀は人めがけて行くが、これが間違いであった。
その頃、雪蓮はというと
雪蓮「にひひっ♪今頃一刀はどうなってるかしら? 」
冥琳「北郷がどうしたって? 」
雪蓮「書庫に穏と一緒に閉じ込めて… 」
くるっ!
雪蓮が声のする方を向くと
冥琳「何だと!? 」
そこには驚いた冥琳がいた。
雪蓮「やばっ!? 」
うっかり話してしまったことを後悔する雪蓮
冥琳「お前は北郷の性格を知りながら穏と一緒に書庫に閉じ込めたというのか!北郷が死んだらどうするつもりだ!♯ 」
雪蓮「ごめんなさ〜い!? 」
案の定、冥琳に説教される雪蓮
冥琳「こうしちゃおれん! 」
ダッ!
一刀を救いに書庫へと急ぐ冥琳
書庫
雪蓮「ちょっとしたお茶目なのに!?一刀生きてるかしら!? 」
冥琳「今さら心配しても遅いわ!♯ 」
ギィッ…
そして冥琳が書庫の扉を開けた瞬間…
ブバァーッ!!
冥琳「なっ!? 」
雪蓮「きゃあっ!? 」
書庫から鼻血が噴き出された。
そして書庫の中を見てみると
?「こんなに顔が青くなって大丈夫ですか〜!? 」
ふにふにっ♪
一刀「・・・ 」
ぐったり
眼鏡をかけ、緑の髪をした巨乳の女性・陸遜(真名は穏)が一刀に胸を押し続けていた。
しかも一刀は貧血で顔が青くなっている。
何故こうなったのかというと
穏は本を読むと興奮する体質で、興奮したら誰であろうと襲いまくる(胸を押し付けたり等)のであった。
なので普段は冥琳により書庫の立ち入りを禁止されているが冥琳の目を盗んで書庫に入ったのだった。(雪蓮は勘で穏が書庫にいると思った)
そんな穏が一刀に襲いかかったとなれば一刀が貧血になるのも当たり前である。
冥琳「雪蓮!この始末どうする気だ!♯ 」
雪蓮「私のせいなの!? 」
冥琳「当たり前だろうが!♯ 」
ビィーンッ!!
この冥琳の叫び声は城中に響き渡った。
それからしばらくして
一刀は生死の境をさまよったものの、何とか助かったのだった。
そして雪蓮には罰として一週間の禁酒が言い渡された。
玉座の間
雪蓮「う〜、それで冥琳、袁術は何を言ってきたの? 」
禁酒されたことを悔やみながら雪蓮が冥琳に聞くと
冥琳「なんでも、近くの村に賊がいるそうだから退治するようにとのことだ 」
雪蓮「あのおちびめ、人をなんだと思っているのかしら! 」
雪蓮が言う資格はない!
雪蓮「そんな雑魚相手に私が行くまでもないから蓮華、あなたが行ってきなさいよ 」
蓮華「私がですか!? 」
雪蓮「心配なら一刀も連れていっていいからさ 」
蓮華は貧血の一刀を連れていけるわけがないと思ったが
一刀「俺なら大丈夫です 」
スッ!
いきなり一刀が玉座の間にやって来た。
蓮華「お前、体は大丈夫なのか!? 」
蓮華は一刀に聞くが
一刀「ご心配をかけましたが大丈夫です。それよりこれが俺の初陣とならば腕がなります! 」
初陣と聞いてやる気の入る一刀であった。