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拠点 華蝶仮面捕物帖

今回は一刀の出番がありません

これは一刀と同じ新星(ルーキー)である、くの一葵のいる蜀の話


ある日のこと


城の中庭


葵「いくわよ、あられ! 」


あられ『了解! 』


葵と相棒の忍犬あられは見つめあうと


ぴょんっ!


あられが葵の頭の上に乗り


葵「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前! 」


シュシュッ!


葵は印を結びまくる!


すると


パァーッ!


二人の体が輝きだした。


葵「秘伝忍術・一心同体! 」


秘伝忍術・一心同体…忍者とその相棒が融合し、身体能力の向上や高度の高い忍術を扱えるようになる。


ただし発動には相棒と息をぴったり合わせなきゃ無理でありもし失敗すると


バシュンッ!!


葵「きゃっ!? 」


あられ『ぎゃいんっ!? 』


二人の体が弾かれてしまうのだ。


葵「いたた…結構難しいのね!? 」


あられ『一心同体は忍と相棒がタイミング・気の量・相性等を抜群にして初めて成功する秘伝忍術だから無理もないよ 』


葵「でも一刀はなんなくこなせていた。私も一心同体できれば今より強くなれる。そして劉備様を守ることができる!あられ、もう一度いくわよ! 」


一刀は楽に一心同体しているように見えるが実際は一刀も失敗の連続であり、苦心の末に成功したのだ。


あられ『ごめん。疲れたから少し休ませてよ!? 』


一心同体の姿でいられる時間は相棒の体力が続く限りであり、たとえ成功しても相棒の体力がなくなれば1分も変身できないのだ。


葵「仕方ないわね、じゃあ少し休んで… 」


とその時!


愛紗「葵、ここにいたのか! 」


愛紗が中庭に駆けつけた。


葵「どうしたのよ愛紗、そんなに慌てて? 」


葵が事情を聞くと


愛紗「また例のくせ者が現れたのだ!お前の力を借りたい! 」


葵「はぁ…またあいつなの!? 」


愛紗と葵が言っている人物とは…


蜀の町


?「天知る、神知る、我知る、子知る!悪の蓮花の咲くところ…正義の華蝶の姿あり! 」


華蝶仮面「華蝶仮面ただいま参上! 」


ババンッ!!


今、蜀の町を騒がせている者の一人・華蝶仮面!宿敵むねむね団との戦いを日々繰り広げている正義の味方。一見正義の味方に見えるのだが


だがあまりの不審者ぶりに愛紗達警備隊には逮捕の対象となっている。


そして今日もむねむね団を退け、パフォーマンスを披露していた。ちなみに外見はどう見ても華蝶の仮面を着けただけの星なのだが


鈴々「うぉーっ!華蝶仮面の登場なのだー! 」


璃々「華蝶仮面さん頑張れ〜! 」


鈴々や璃々ちゃんのような子供達


愛紗「見つけたぞくせ者! 」


翠「今日こそ観念しやがれ! 」


愛紗や翠等、正体に気づくものは少ない。


葵「(わざとなの!?) 」


あられ『いやきっと天然だよ 』


葵とあられが現場に到着すると


愛紗「葵、お前の力をあのくせ者に見せてやれ! 」


本当はバカらしいと思いながらも


葵「はいはい、わかりましたよ 」


シュッ!


華蝶仮面の元へ向かう葵であった。


実は今までにも華蝶仮面が出没していたのだが


初めて葵が華蝶仮面を見た際、直ぐ様華蝶仮面の正体が星だと気づき『何だ星のイタズラか』と思ってほっといたのだ。


だがその後も華蝶仮面は出没しまくり太守である桃香までも華蝶仮面の活躍を見に政務を放り出して見に行く始末(後で桃香には愛紗の説教)。これに困った愛紗は今日こそ華蝶仮面を捕まえようと葵を探していたのだ。


葵「(面倒臭いし、すぐに捕まえちゃお)覚悟しなさい華蝶仮面! 」


葵は華蝶仮面に向かって言うが


華蝶仮面「フフッ!どうやら私を捕まえにきたようだが貴様ごときに捕まる私ではない! 」


カチンッ!♯


この華蝶仮面の言葉に葵は怒りを感じた。


葵「頭にきた!♯お仕置きくらいで許してあげようと思ったけどもう謝ったって許さないからね!♯ 」


華蝶仮面に怒りまくる葵


葵「くらえ!氷遁・氷玉! 」


シュッ!


葵は氷玉を華蝶仮面に繰り出した!


だが


華蝶仮面「フフッ!そんなものが私に通じるものか! 」


シュッ!


華蝶仮面は小石を氷玉に当てる。すると…


パキパキンッ!


小石が凍ってしまった。


華蝶仮面「フフッ!その術は食らう前に何かを当ててしまえば防げるのさ! 」


葵「なっ!? 」


葵は愛紗達と共に鍛練をしていて、その際に術の効果と欠点を教えていた。もちろんその中には星(華蝶仮面)もいたので弱点がわかっているのだ。


葵「だったらこれでも食らいなさい! 」


シュシュッ!!


忍術の欠点が知られている以上、使っても意味がないと察した葵は手裏剣を華蝶仮面に投げつける!


華蝶仮面「せいせいせいっ! 」


ガキガキンッ!!


だが華蝶仮面は槍・龍牙ですべて弾いた。


愛紗「驚いたな!?あのくせ者(華蝶仮面)め、まるで葵のことを前から知っているかのように次々と攻撃を避けている!? 」


翠「あいつは人の心を読む妖術使いかよ!? 」


あられ『だからあれは星だってば! 』


華蝶仮面の正体を知らない人は驚く


最初に葵が華蝶仮面を見た時に華蝶仮面は星だとみんなに言ったのだが


『星があんなことするはずがなかろう』


『何を言ってるんだ?』


の言葉で消されていった。


葵「くっ!こっちの手口を知っている分、何をやっても無理なのね!? 」


それは葵が星に対しても同じように思えるのだが、星は鍛練の時にはわざと手を抜いているため手口がわからなかった。


華蝶仮面「(葵をからかうのは面白いな、もっとからかってやろう♪)フフッ!貴様の実力はその程度か!その程度では主君を守るなんてとうてい不可能だ! 」


葵「うっ!? 」


ブスッ!!


華蝶仮面の言葉が葵に突き刺さる!


ここまでならまだ何とかなったのだが


葵以外に正体がバレてないと思った華蝶仮面は調子にのって


華蝶仮面「貴様の実力がその程度なら仕える主君の実力も大したことないな! 」


と言ってしまった。


これを聞いた葵は


ピキンッ!!♯


激しく怒りまくった!


華蝶仮面「これにこりたら更に精進を… 」


と華蝶仮面が葵を見てみると


葵「あんた、今なんて言った?♯ 」


ゴゴゴッ…!!♯


そこには怒りに燃える葵がいた。


葵「私のことは何と言われても別に構わない、でも我が主君である劉備様をバカにした罪は謝ったって許さないわよ!!♯ 」


この葵の怒りは自分をバカにされた怒りではなく、主君をバカにされた怒りからくるものであり、主君をもつ忍ならば大抵感じるものであった。


そしてこの時!


ゴゴーッ!!


現在、葵が持つ気以上の気が葵に流れ込んだ


いわゆる怒りによるレベルアップである。


あられ『!今の葵は以前より気が溢れている!?これならもしかすると… 』


ダッ!!


葵の変化を感じたあられは葵に近づいていき


ピョンッ!!


頭の上に乗ろうと跳び跳ねた!


あられ『葵、今ならいけるよ! 』


葵「わかった!任しなさい! 」


スタッ!


そしてあられが葵の頭の上に乗った瞬間!


葵「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前! 」


シュシュシュッ!


葵が高速で印を結ぶと


パァーッ!!


葵とあられの体が光り輝いた。


シュシュシュッ!


あられが葵と同じように印を結ぶと


パンッ!


二人は手を叩き!


葵・あられ『秘術・一心同体! 』

と同時に叫んだ瞬間!


パァーッ!!


ジャキンッ!!


葵「犬神・氷堂葵! 」


葵の姿はショートだった髪がロングになり犬耳が生え、服装はスク水のような感じで一刀が鼻血を出すくらいの露出で色っぽくなり、得物の氷龍丸は槍のような柄に桔梗の得物の豪天砲の刃がまっすぐになった刃がついた薙刀(なぎなた)へと変化していた。


これが葵の一心同体である。


葵「覚悟しなさい華蝶仮面!私を怒らせたら閻魔大王だって逃げ出しちゃうだからね!♯ 」


スッ! シュッ!


葵は手から氷玉を出現させる。一心同体になれば印無しで術の発動が可能なのだ!


葵「食らいなさい!氷遁・氷玉! 」


シュッ!


葵は氷玉を華蝶仮面に投げつける!


華蝶仮面「一度破られているのにまた同じ術を使うとは学習能力のない奴め! 」


シュッ!


華蝶仮面は先程と同じように小石を氷玉に当てようと投げるが


くいっ!


何と!?氷玉が小石を避けてしまった。


一心同体した時の氷玉は追尾機能がつけられており、同じ手は効かないのだ!


パキンッ!!


華蝶仮面「なっ!? 」


そして氷玉が華蝶仮面の手に当たり、凍りついた!


これ以上食らったらヤバいと感じた華蝶仮面は


華蝶仮面「ま…待て!?私が悪かった!? 」


謝り出すが


葵「もう絶対許さないんだからね!♯ 」


葵は許す気ゼロであった。


そして葵が華蝶仮面にとどめを刺そうとしたその時!


パァーッ!!


葵の体が輝きだし


バシュンッ!!


葵「きゃっ!? 」


葵とあられの体が分離した!


何故かというと


あられ『ハァハァ…体力限界…!? 』


あられの体力が尽きてしまったからだ!


一心同体はたとえ忍に体力があっても、相棒の体力が無くなれば勝手に解けてしまうのだ。


さっきまでの練習であられの体力は尽きていたのだ。


これを見た華蝶仮面は


華蝶仮面「フッ!よき好敵手(ライバル)を得た、また会おう! 」


シュッ!


何処かへ消えてしまった


葵「くやし〜!星の奴!次会った時は覚えてなさい! 」


とどめを刺せずに悔しがる葵


あられ『あれっ?確か今日は星は… 』


その後、しばらくして


星「ふぅ、あの後、手をお湯につけていたら痺れはあるが何とか氷は溶けたな 」


華蝶仮面から星へと戻った星が城の廊下を歩いていると


葵「あ〜ら星 」


ぬっ!


柱の後ろから葵が現れた。


星「こ…これは葵!?私に何か用かな!?(まさか先程の仕返しでは!?) 」


仕返しではないかと驚く星だが


葵「安心なさい、忍は仕返しなんてマネはしないからね 」


どうやら仕返しではないようだ。


だが


葵「だけど、確か今日星は確か警邏当番だったわね〜♪愛紗達が出動してたのにどうしてたのかな〜? 」


星「ドキッ!? 」


その時、星は華蝶仮面になっていたので警邏には行ってないのだ。


つまり…


葵「それってサボりだよね〜、というわけで… 」


スッ!


葵はあられを抱き上げると


葵「罰を受けてもらわなくちゃね〜あられ♪ 」


あられ『うんっ♪ 』


ガチガチンッ!


あられは歯を鳴らしまくる


実は蜀には罰があり、仕事をサボるとあられにお尻を噛まれる刑があるのだ。(桃香以外は全員。ちなみに噛まれるとしばらくは歯形が消えない)


星「ま…待て!?私は別にサボったわけじゃ!? 」


あられ『問答無用! 』


ガブッ!!


星「ぎゃーっ!? 」


そして星はしばらくの間、噛まれた歯形が消えるまで華蝶仮面を休業したという。


さらに町では


女の子「いぬがみ・あおい参上! 」


華蝶仮面に代わり、子供達の間で一心同体した葵がブームになったという


次回も蜀拠点です

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