シ水関の戦い
前日に何だかんだ多少のトラブルはあったものの
翌日、連合軍はシ水関に向けて進軍した。
先鋒を務めるとは劉備軍である。
袁紹軍天幕
麗羽「おーほっほっほっ!わたくしを散々こけにしまくった劉備さんがどのように戦うのか楽しみですわ! 」
いつものようにバカにしながら高笑いする麗羽だが
ババーンッ!!
そのお尻には犬に噛まれた絆創膏がバッチリと貼られていた。
一方、一刀のいる呉軍では
一刀「(あの者(葵)は大丈夫だろうか?) 」
小助『何だよ一刀、一夜であの娘が気になったのか? 』
一刀「そうではない!ただあの者は主君のためとなると回りを見ない感じであったからな 」
小助『お前だって似たようなもんじゃねぇか 』
人のことが言えない一刀であった。
蓮華「そんな不安な顔してどうしたのだ一刀? 」
スッ!
そこへ蓮華が現れた。
一刀「孫権様!?い…いや別に!? 」
蓮華「? 」
蓮華を前にしてあきらかに動揺しまくる一刀
一方シ水関では
愛紗「聞けっ!シ水関にいる武将華雄よ!貴様は自分の武に誇りを持っているようだが亀のように閉じ籠っていて何が武に誇りを持っているだ。恥を知れ! 」
愛紗がシ水関にいる武将・華雄に向けて罵倒しまくる。
何故このようなことをしているかと言うとシ水関から全然董卓軍が出てこないため罵倒すると猪のように後先考えず出てくる華雄を利用してシ水関の門を開けようとしているのだが
しーんっ…
シ水関の門は開かなかった。
愛紗「華雄は罵倒すると出てくると聞いたのでさっきからやってるが全然出てくる気配がないな 」
鈴々「葵が壁を上って中に入れば簡単なのだ 」
葵「それはダメ。私が忍者だってバレたらダメなの!それに今はちょっと手が震えてるし 」
前回の一刀との戦いにて葵はまだ手が震えていた。
しかもよりによって葵は忍者服を領地に置いてきてしまったためこのままいけば確実にバレてしまうのだ。
あられ『だから前もって荷物を整理しておいてって言ったのに! 』
葵「面目ないです… 」
相棒にまで怒られてしまう葵
とそこへ
?「しかし何故華雄は出てこないのだろうな? 」
愛紗「星! 」
水色の髪をして白い服を着た趙雲(真名は星)が考える。
だが董卓軍も出てこないのではなかった。
シ水関内部
華雄「放せーっ!我が武をバカにしたあやつらを許すわけにはいかん!♯ 」
華雄…董卓軍武将。力はすごいが行動が猪突猛進
華雄は今にも出陣したい様子だったが
?「このアホゥ!今出ていったら負けるちゅうのがわからんのかい! 」
兵士「華雄将軍も張遼将軍も落ち着いてください!? 」
張遼(真名は霞)…董卓軍武将。動きが身軽で神速の張遼と呼ばれる酒飲み
シ水関から飛び出したい華雄を必死に押さえつけようとする霞
霞「落ち着け!今飛び出したら全滅するやんけ!月のためにも我慢するんや! 」
華雄「そ…そうであったな 」
シュンッ…
ようやく大人しくなる華雄
シ水関
愛紗「このまま出てこないのでは困ったな 」
愛紗達が困っていると
スッ!
雪蓮「お困りなら手を貸してあげましょうか? 」
雪蓮が現れた。
愛紗「何をする気だ? 」
雪蓮「華雄とはちょっとした付き合いがあるから任してちょうだい♪ 」
スッ!
そして雪蓮はシ水関の前に立つと
雪蓮「こら華雄!私はお前を散々いたぶった孫堅の娘の孫策だ!怖くて出てこない臆病者!悔しかったら出てきなさい!お尻ぺんぺ〜ん♪ 」
ペシペシッ!
シ水関にお尻を向けて叩く雪蓮
そしてしばらくすると
バァンッ!!
いきなりシ水関の門が開けられた!
華雄「孫策〜!!貴様だけは生かしちゃおけん!♯ 」
軍の先頭には怒り狂う華雄が立つ
雪蓮「それじゃあ、後はよろしくね〜ん♪ 」
愛紗「えっ!?ちょっと!? 」
サッ!
雪蓮は華雄を怒らせるだけ怒らせて去っていった。
華雄「孫策を許すわけにはいかん!全軍突き進めーっ!!♯ 」
兵士達『うぉーっ!! 』
華雄に合わせて華雄直属の兵士達も突き進む!
その頃、シ水関に一人残された霞は
霞「あかんっ!こうなったら張遼隊、虎牢関まで撤退するで! 」
ドドォーッ!!
次なる連合軍の目的地である虎牢関へと撤退していった。
そしてシ水関では
愛紗「こうなったらやるしかない!劉備軍いくぞ! 」
星「やれやれ 」
鈴々「突撃!粉砕!勝利なのだ! 」
葵「劉備様を傷つける奴らは私が許さない! 」
あられ『あのねぇ、忍者服着てないんだからあまり目立つ行動はダメだよ 』
そしてその頃、孫策軍天幕
雪蓮「お待たせ♪ 」
蓮華「遅いですよ姉様! 」
冥琳「これからすぐに次の虎牢関に向けての軍議だというのに大将のお前がいなくては始められないではないか! 」
雪蓮「ごめんごめん!ちょっと劉備軍の手助けにいってきただけだからさ 」
冥琳「手助けだと? 」
雪蓮「実はね… 」
雪蓮はシ水関で自分がしたことを話した。
雪蓮「というわけなのよ♪ 」
雪蓮がすべてを話すと
小助『んでもよ、雪蓮姉ちゃんがその場にいないんじゃ劉備軍がヤバイんじゃないか? 』
雪蓮「あっ!?…てへっ♪ 」
冥琳「てへっ♪じゃないわこの馬鹿者!♯ 」
蓮華「一刀、劉備軍を助太刀しに行ってくれ! 」
一刀「御意! 」
バサッ!
一刀は忍者服に着替えると
一刀「いくぞ小助! 」
小助『合点でい! 』
シュッ!
小助を連れてシ水関へと向かう!
雪蓮「だったら私も責任としてシ水関に… 」
スッ…
雪蓮もシ水関に向かおうとするが
ガシッ!
冥琳「お前の責任の取り方は今この場で私に説教を受けることだ!♯ 」
雪蓮「ひ〜ん!! 」
冥琳につかまってしまい説教を受けてしまう雪蓮だった。
一方シ水関では
愛紗「はーっ!! 」
鈴々「なのだーっ!! 」
葵「ていっ! 」
ドガバキンッ!!
劉備軍がシ水関にて善戦していた。
桃香「いけーっ!みんなやっちゃえーっ!ほら朱里ちゃんと雛里ちゃんも応援しようよ! 」
朱里「はわわ!?桃香様、ここは戦場ですよ!? 」
雛里「あわわ!?あまりはしゃがない方が!? 」
鳳統(真名は雛里)…劉備軍軍師。朱里の友人であり通称あわわ軍師。
桃香「だってさぁ私って戦いじゃ役立たずだからせめて応援でもしようと思ってさ♪ 」
自分でそれをいってはいけない
『ホントにこの人は…』と思う軍師の二人であった。
と三人で話していると
ササッ!
刺客A「いたぞ!あれが劉備だ 」
刺客B「戦場だというのに護衛をつけないなんてバカじゃないか? 」
刺客C「まぁいい、仕事がやりやすいからな 」
崖の方から三人の刺客(暗殺者)が桃香を見ていた。
シュシュッ!!
桃香「えっ!? 」
そして刺客が降りてくると
刺客A「劉備、あるお方の指示により貴様の命を頂戴する! 」
刺客B「おとなしくするがよい! 」
刺客C「歯向かえば容赦はしない! 」
ジャキンッ!!
刺客達は一斉に刀を構える!
朱里「はわわ!?雛里ちゃん、愛紗さん達に伝令を!! 」
雛里「あわわ!?はいっ! 」
雛里は急いで伝令を送ろうとするが
刺客A「動くでない! 」
シュッ! ザクッ!
雛里「あわわ!? 」
雛里の足元にクナイが刺さった!
桃香「雛里ちゃん!? 」
刺客B「無力な者が歯向かうでない! 」
その頃、戦場では
葵「(ピクンッ!)これは!? 」
桃香LOVEの葵は桃香の危機を関知して戻ろうとするが
ズラリッ!
葵「くっ!? 」
回りを敵に囲まれて中々戻れなかった。
葵「(忍術使えばこんな場所から脱出できるのに!) 」
忍者服を忘れたことを後悔する葵
そして愛紗達も
愛紗「くっ!? 」
ガキンッ!!
華雄「孫策は私が殺してやる!貴様は邪魔だ!♯ 」
愛紗は華雄の相手をし、鈴々と星も回りを敵に囲まれて動けないでいた。
そして桃香達は
桃香「ひっ!? 」
ジリジリッ…
桃香は朱里達を後ろに回して崖の方に後ずさりするが追い詰められてしまった。
朱里「はわわ!? 」
雛里「あわわ!? 」
桃香「二人とも、大丈夫だからね! 」
刺客C「その通り、我らが欲しいのは劉備の命のみ、素直に命を渡せば二人は見逃してやってもよい! 」
桃香「えっ!?でも私の命と二人の命じゃ!? 」
桃香の中では逃げて自分の命を守るかと素直に命を渡して朱里達の命を助けてもらうかのどちらをとるか天秤が揺れていた。
刺客A「面倒だ!三人まとめて殺してやる! 」
ジャキンッ!!
刺客達は刀を構える!
桃香「ひっ!? 」
刺客達『覚悟! 』
桃香達に危機が迫ったその時!
ブシューッ!!
パキパキンッ!!
桃香「えっ!? 」
どこからか水が勢いよく噴き出して刀を折った。
刺客A「何奴! 」
刺客が叫ぶと
シュッ!
忍者服を着た一刀が現れた。
一刀「水遁・流水斬! 」
この術は水を勢いよく出してウォーターカッターを作りだし、鉄をも切り裂く術である。
刺客A「邪魔する奴め! 」
刺客B「貴様から先に片付けてやる! 」
ババッ!!
刺客達は狙いを一刀に変えて襲いかかる!
一刀「風遁・爆風波! 」
ビュゴォーッ!!
対する一刀は大風を吹きあらし
ゴォーッ!!
刺客達『なぁーっ!? 』
刺客達を吹き飛ばした!
さらに
ビュゴォーッ!!
兵「うわぁーっ!? 」
この大風が董卓軍の兵士達を吹き飛ばす!
華雄「お前達!? 」
華雄も隙ができてしまい
愛紗「隙あり! 」
バッ!
華雄「なっ!? 」
ズバッ!!
華雄は討ち死にしてしまいシ水関の戦いは連合軍の勝ちとなった。
一刀「(もう良さそうだな)では! 」
シュンッ!!
桃香「あっ!?まだお礼を言っていないのに! 」
一刀は立ち去っていった。
しばらくして
一刀「次の戦いは明日か!気合いを入れねばな! 」
小助『明日こそは大暴れしようぜ! 』
二人が話していると
キィッ…
一刀「これは矢羽音! 」
小助『葵って奴だな 』
そして矢羽音で呼び出された一刀が目的地に着くと
バンッ!
すでに葵はいた。
すると
葵「劉備様から聞いたわ、刺客から守ってくれたそうね、ありがとう! 」
ぺこりっ!
あられ『ありがとね 』
頭を下げてありがとうという二人
一刀「もうよい、元をたどればうちの大将(雪蓮)が悪いのだからな 」
葵「それでも礼を言いたいの!劉備様は私の命の恩人だからね 」
小助『何かわけありな感じじゃないか、話してみな 』
あられ『葵、教えてあげなよ 』
すると葵は
葵「実は… 」
桃香と出会った経緯を話すのだった。




