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新たなる戦乱の予感

一刀と小助がこの世界に来てから数ヶ月、大陸では大変なことが起きた。


大将軍である何進将軍と皇帝である劉協、劉弁が暗殺されるという大事件


殺害した犯人は董卓であり洛陽にて悪事を働いているという噂が流れた。


そして張譲より洛陽の悲惨さを聞いた袁紹は各諸侯に董卓を倒すために共闘願うという手紙を送った。


これが三国志の中でも有名な反董卓連合である。


そしてその手紙は袁術を通じて呉にいる雪蓮達にも伝えられた。


袁術の城


袁術軍兵士「袁術様、孫策殿がやって来ました 」


この日、雪蓮達は袁術に呼ばれてやってきた。


ちなみに一刀は姿を見られてはいけないという理由でいない


袁術軍兵士の後についていって玉座の間に着いた雪蓮、冥琳、祭の三人が見たものは


美羽「おぉ孫策よ、よく来たのじゃ 」


ぺろぺろっ


蜂蜜の入った壺をまるでぬいぐるみのような黄色い熊のように蜂蜜を飲む袁術(真名を美羽)であった。


雪蓮「(民達は苦しい生活をしているというのに蜂蜜を飲むなんて贅沢な奴じゃない!)袁術様、お呼ばれにつき孫策以下2名参上しました。してご用とは? 」


ちなみにこの時代、蜂蜜は高価なものである。


美羽「うむ、実は先日従姉妹の麗羽姉様から『洛陽にいる悪党董卓を退治しますから協力しなさい』という手紙が届いたのじゃ、そこで孫策、お主にも参戦してほしいのじゃ 」


美羽が言うと


雪蓮「(こっちが断れないのを知ってて言うだなんてムカつくガキね!♯)わかりました袁術様、この孫策にお任せください! 」


バタンッ!!


そして雪蓮達が出ていった後


七乃「流石ですねお嬢様〜、あの江東の虎と呼ばれた孫策を手玉にとるだなんて♪ 」


美羽「にゃははっ!もっと誉めてたもう!所詮孫策なんて武力だけが取り柄のオバサンじゃからな、妾にかかれば赤子の手を捻るより簡単なのじゃ♪ 」


言いたい放題な美羽と七乃だが


ピキピキンッ!♯


この会話は扉に耳を当てていた雪蓮達に丸聞こえであった。


そして


雪蓮「あーもうっ!あのガキんちょムカつく!♯ 」


ドカッ!!


ヤケクソとばかりに柱を蹴る雪蓮


冥琳「落ち着け雪蓮! 」


祭「ここでキレたら今までの苦労が水の泡じゃぞ! 」


雪蓮「そんなことわかっているわよ!ったく覚えてなさいよ袁術め、独立の準備が整ったらバラバラにしてやるんだからね! 」


冥琳「そんな大声で言うな! 」


祭「壁に耳あり障子に目ありじゃぞ!! 」


※どこで誰が聞いているかわからないということ


雪蓮「ムキーッ!!あのガキが更に図にのっているのも前に一刀が調子に乗らせたせいよ!帰ったらたっぷりお仕置きしてやるんだから!♯ 」


同時刻・呉の城


一刀「(ぞくっ!?) 」


小助『どうした?お前の番だぞ 』


一刀「何だか寒気を感じてな!? 」


小助と碁をしていた一刀


そして雪蓮達が帰ってきた時、怒り狂う雪蓮に一刀は逃げるが捕まってしまい、お仕置きとして貧血寸前になるまで鼻血を出されたという。


それから数日後


ふらふらっ


一刀「くっ!? 」


一刀は貧血ぎみになりながらも集合場所である洛陽に向けて歩いていた。


蓮華「やはり一刀、馬に乗った方がよくないか? 」


穏「それより留守番していた方がよくないですか? 」


蓮華に心配された一刀は


一刀「心配ご無用!こう見えても元気ですからな!馬に乗らなくても平気です 」


ホントは馬に乗らないのではなく乗れない一刀であった。


ちなみにこの場に来ているのは雪蓮、冥琳、蓮華、穏、祭、思春、一刀であり他のみんなは城で留守番をしていた。


最初は一刀が行くなら一緒に行くと駄々をこねていた小蓮だが万が一雪蓮と蓮華の身に何かが起きた時のため留守番するよう雪蓮に言われた。


これはもし雪蓮と蓮華が亡くなった場合、次の孫呉の王を小蓮が引き継ぐためである。


そして雪蓮達がようやく連合軍本部に着くと


麗羽「おーほっほっほっ!孫策さんが一番どん尻ですわね! 」


金髪ロールの袁紹が嫌みを言ってきた。


袁紹(真名を麗羽)…名家であることを鼻にかけ、他人をバカにしまくる嫌みな性格。頭が悪い


美羽「孫策、お主のような亀の歩みを持つ部下をもって妾は恥ずかしいのじゃ 」


更に美羽まで嫌みを言ってきた。


雪蓮「(うっせー!あんた(美羽)からの知らせが遅いから出発に手間取ったんだよ!♯)申し訳ありません袁術様 」


ホントは一発ぶん殴ってやりたいがぐっと我慢する雪蓮であった。


麗羽「さてと、孫策さん達は全員で6人でいいですわね、後で大天幕にやって来なさいな 」


スッ!


そして麗羽と美羽は立ち去っていくと


穏「あれ〜?私達って7人ですよね、数が合いませんけど… 」


確かに呉軍は全員で7人のはずなのだが一人足りなかった。


冥琳「それなら大丈夫だ。足りないのは北郷だ。北郷の存在を袁術に知られるわけにはいかんし、忍は姿を見られるわけにはいかないといって隠れているんだ 」


ということであった。


それからしばらくして


大天幕にて軍議が開かれることになり、一刀は大天幕の上に隠れて様子を見ていた。


一刀「(忍の仕事は本来情報収集だからな、ここから見て各諸侯がどのような人物かを見極めねば) 」


小助『おっ!そろそろ軍議が開かれそうだぞ 』


二人が待っているとようやく軍議が開かれることになった。


麗羽「おーほっほっほっ!それでは軍議を始めたいと思いますわ! 」


小助『さっさと始めやがれ! 』


実は二人が潜入してから大分時間が経っていた。


そしてまずは自己紹介が始まった。


劉備「平原の将、劉備玄徳です。こちらは軍師の孔明ちゃんです 」


孔明「どうもです! 」


一刀「(あれが最近噂になっている劉備殿か) 」


小助『可愛いし、胸もあるじゃねぇか 』


曹操「陳留の曹操よ 」


小助『可愛いけど胸がないな 』


一刀「(いや、小さい(なり)をしているが将来大物になりそうな気がするぞ) 」


公孫賛「幽州の公孫賛だ 」


一刀・小助『普通だな 』


そして美羽と雪蓮が紹介された。


麗羽「最後にわたくしは… 」


曹操「袁紹でしょう、(大変なバカだっていう)噂は聞いているわ、だから紹介しなくてもいいじゃない 」


麗羽「う…たしかにそうですわね、では一つ皆さんに聞きますが悪党董卓を討つために集まったこの反董卓連合に足りないものがありますが気づいていますか? 」


一刀「(何が足りないというのだ?) 」

小助『軍力も資金も将も足りなくなさそうだが 』


一刀と小助も一緒になって考えるなか、答えが発表された。


麗羽「それは優れた指導者です!というわけで総大将を決めようと思いますがこの中で総大将にふさわしい家柄も軍事力もあって高貴な人はいましたっけ? 」


あきらかに自分がなりたい麗羽であった。


小助『回りのやつら、何であのくるくる(麗羽)を推薦しないんだ? 』


一刀「(したくてもできないのだよ。もし誰かが袁紹を推薦した場合、総大将を押し付けた罪として無理難題を言い渡されるだろうからな) 」


小助『なるほど 』


一刀の言う通りである。


そして少しの間沈黙の時間が流れる。


小助『もう五分は経ってるぞ 』


一刀「(このまま待てば袁紹が自分でやると言い出すのを待っているのだろう) 」


ところが待てない人がいた。


劉備「もうっ!そんなに総大将がやりたいなら袁紹さんがやればいいじゃないですか! 」


劉備が言った直後


麗羽「あらあら、困りましたわね、やりたいといっていないのに劉備さんに押し付けられてしまいましたわ 」


小助『よく言うぜ 』


そして麗羽は


麗羽「そこまで劉備さんが言うのでしたらわたくしが総大将を引き受けても構いません!ですが劉備さんにはわたくしを総大将に推薦した罪として一番手にシ水関を攻める権利を差し上げますわ! 」


麗羽が言うと


劉備「待ってください!私達の軍はお金も食糧も兵もあまりないんです。一番手を攻めさせてくれるならお金も食糧も兵を分けてください! 」


ところが麗羽は


麗羽「何を言ってますの?そんなもの分ける気はありませんわよ!自分達で何とかしなさい! 」


劉備「えっ!?それはちょっと… 」


麗羽「総大将命令ですわよ! 」


総大将の地位を悪用する麗羽


小助『このままじゃ、あの劉備っていう姉ちゃんが不利じゃねえか!? 』


一刀「(袁紹も勝手なことを言いおって!もう許さぬ!) 」


シュシュッ!


一刀は印を結ぶと


一刀「(魂転身の術!) 」

スゥーッ!


一刀は自分の魂を抜いて


スッ!


一刀の魂は麗羽の体の中に入っていった。


すると


麗羽(一刀)「劉備さん先程は失礼しました 」


劉備「えっ!? 」


麗羽(一刀)「わたくしは深く反省し、劉備さんが望むものを我が軍から好きなだけ差し上げますわ! 」


劉備「本当ですか!?ありがとうございます! 」


麗羽を知るものは驚いた。


何故なら普段の麗羽はケチであり絶対得なしで他人を助けようとする性格ではない!


曹操「(ホントに麗羽なのかしら!?) 」


そしてこの後、軍議はお開きになるのであった。


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