天下一品武闘大会その17
天下一品武闘大会決勝戦!
黒龍軍に対抗するため各国の戦力強化という名目で開かれた天下一品武闘大会!
蜀、魏、呉、幽州の4国代表選手総勢32人が戦い抜くなか
バンッ!!
ついに天下一品武闘大会は決勝戦を迎えようとしていた!
その対戦カードは…
地和「みんな元気〜?ついに天下一品武闘大会の決勝戦が始まるわけだけどここまで勝ち進んだ猛者の二人を紹介するよ〜! 」
ビシッ!!
そして地和が指をさした人物は…
地和「赤門・呉軍所属、忍の中ではナンバー1の実力者、北郷一刀! 」
バンッ!!
一刀「(ついにここまで来たか、こうなった以上、勝つしかない!たとえ相手があいつであっても!) 」
いつも以上に気合いを入れる一刀
蓮華「(一刀、負けても別に構わないが大怪我だけはするなよ) 」
勝利よりも一刀の身の心配をする蓮華
雪蓮「一刀ーっ!!こうなったら勝ちなさい!そして優勝賞品の曹操が何でも願いを叶えてくれる権利で私にお酒をちょうだい! 」
冥琳「別に構わぬがお前は禁酒中だから一滴たりとも飲めぬがな 」
雪蓮「そんな〜!? 」
その一方
地和「対するは青門・蜀軍所属、その強さはまさに三国最強!戦いの天才、呂布奉先! 」
バンッ!!
恋「…(長かった。やっと一刀と戦える♪) 」
一刀と戦いたかった恋
ねね「恋殿ーっ!どうせそんな奴の実力なんて大したことないから恋殿の勝利は確実なのです! 」
詠「落ち着きなさいよ!相手は愛紗と桔梗を倒す実力なのよ 」
ねね「それがどうしたですか!恋殿だって理央と雷魔の二人の忍を倒すほどの実力者なのです! 」
ねねにとって愛紗と桔梗は理央とジュン以下だと思われていた。
一方
吹音「この試合、どちらが勝つんでしょうか!? 」
玲「そりゃ一刀に決まってるだろうよ。なぁ葵 」
玲が葵に聞くと
葵「正直に言うとわからないわ!? 」
玲「へっ? 」
葵「私と一刀は虎牢関で恋と戦ったことがあるけど二人がかりでさえ勝つことができず、不意打ちで捕らえるのがやっとだった 」
※二十一話参照
葵「それに今や恋は見た技を自分の技に取り入れる技術を持っている。いくら一刀があの時より強くなっているからってヤバイかもしれないわよ!? 」
これは虎牢関での戦いを目撃し、その後の実力を公平に見た葵なりの判断である。
零奈「新星最強VS三国最強か、興味あるかもね 」
源治「・・・り…理央、ついに決勝戦なわけだからじっくり見ようではないか!? 」
理央「それもそうですね。ですが終わり次第子作りしましょうね♪ 」
源治「・・・(終わったら全力で逃げよう!?) 」
と思う源治であった。
そしてついに…
夏芽「これより天下一品武闘大会決勝戦を行う!両者、構えて! 」
ジャキンッ!!
一刀と恋は互いに得物を構えると
夏芽「それでは試合開始! 」
試合が開始された瞬間!
シュババッ!!
二人は一斉に飛び出し
ガキンッ!!
互いに得物をぶつけ合った!
一刀「(やるな恋、ならば!) 」
バッ!
このまま得物同士をぶつけ合ったら自分が不利だと考えた一刀は恋から距離をとると
バッ!
逆立ちの体勢になり
一刀「北郷流体術・回転竹蜻蛉! 」
ギュルルーーッ!!
脚を広げて回転しながら恋に迫る!
恋「…フンッ!! 」
ガッ!
恋は攻撃を戟で防ごうとするが
ガガガガ…ガキンッ!!
恋「…!? 」
バッ!
一刀の回転がすごすぎて飛ばされてしまった!
キィンッ!!
ねね「恋殿!? 」
恋はそのまま場外に飛ばされるかと思いきや
ガッ!
恋は戟を舞台場に突き刺して飛ばされるのを防いだ!
恋「…(やっぱりいい、一刀と戦うと胸がじんじんする) 」
それは恋があまりに強すぎるため相手がいなく本気を出せなかった恋にとって、本気を出して自分と互角に戦える一刀との戦いは嬉しいものであったのだ。
恋「…(でも勝つのは恋!) 」
スッ!
恋は構えると
シュシュッ!!
恋「…風遁・風斬刃! 」
ブォンッ!!
一刀「うおっ!? 」
サッ!
印を結んで戟から風の刃を繰り出してきた!
だが何とか一刀は避けるのであった。
玲「今のって吹音の術だろ、恋の奴、いつの間に覚えたんだ!? 」
吹音「実は以前魏を黒龍軍が攻めてきた際に私が使っているのを見て覚えたそうなんです!? 」
威力は本家である吹音の方が上だが、それでも食らえば体を切り裂くくらいの威力はあった。
そして更に続けて恋は
バッ!
一刀に接近してくると
シュシュッ!!
印を結び
恋「…雷遁・雷撃蹴! 」
バチバチッ!
脚に電流を流し
ドグボッ!!
一刀「がはっ!? 」
風斬刃を避けて体勢がとれなくなった一刀に一撃を食らわした!
ジュン「今度は俺の雷撃蹴かよ!? 」
どうやら準決勝でのジュンとの試合で覚えたらしい
源治「・・・強い上に忍術まで使うなんて、マジで強敵だな!? 」
とはいえやはり本家より威力は劣っていた。
だが元々、身体能力が高い恋は蹴りの威力も十分であった。
葵「(まさか恋がこれほどの実力だなんて!?仲間になってから何度か戦ったけど一刀が勝てないんじゃ私が負けるわけよね!?) 」
それほど恋との実力の差があるのだ。
茜「恐るべし呂布の実力ですね!? 」
蓮華「(一刀!?) 」
みんなが一刀を心配していると
スッ!
一刀が立ち上がり
一刀「(さすがは恋だな、もはや恋に以前のような空気隠れは通用しないだろう。かといって逃げてばかりじゃ判定でこっちが負けてしまう) 」
そう思った一刀は
一刀「(恋に勝つ確率があるというならやはりあれしかない!あれは一心同体でないときつい術だが勝つためには仕方ないな) 」
※天下一品武闘大会中は相棒と合体する忍特有の一心同体は使用禁止である。
そして一刀は
シュシュシュシュッ!!
いつもより多く印を結ぶと
一刀「忍法・五行分身の術! 」
術を唱えた瞬間!
バババッ!!
恋「…!? 」
一刀の姿が五人に増えた!
しかしただの五人ではない
バンッ!!
それぞれ赤、青、黄、緑、茶の上着を着た分身に分けられていた!
吹音「あれは五行分身!? 」
玲「一刀の奴、あの術まで使えるのかよ!? 」
一刀の術に驚く新星達
桃香「ねぇねぇ葵ちゃん、どうしてみんなが驚いてるの? 」
桃香が葵に聞くと
葵「あの術は五行分身といって、忍の中でも五行(火、水、風、土、雷)を全て使える忍でしか使えない高等忍術なんです。分身達はそれぞれ五行の術を使用可能なんです。しかもそれぞれが意思を持ってるんです 」
普通の分身は本体が指示して行動するが五行分身は五人全てが本体であり指示しなくても行動可能である。(某魔法使い仮面の分身技と似たようなもの)
そして一刀達は
シュシュッ!!
赤一刀「火遁・火炎車! 」
ゴォッ!! ゴロローッ!!
火遁の使い手である赤一刀が全身から炎を出し、回転しながら恋に迫る!
だが
シュシュッ!!
緑一刀「風遁・向かい風! 」
ビュゴォーーッ!!
風遁の使い手である緑一刀が赤一刀に風を食らわした!
この術は本来相手の前に風を吹かせることにより進行を遅れさせる術なのだが
ゴォッ!!
風を浴びることにより赤一刀の炎がどんどん燃え上がっていく!
恋「…(ヤバイ!?) 」
サッ!
直撃を食らったらヤバイと察した恋は高く飛んで辛うじて避けることに成功するが
すたっ!
恋が舞台場に着地した瞬間!
ガシッ!! にゅるっ!!
恋「…!? 」
脚を岩が、胴体を水が縛って恋の動きを封じた!
青一刀「水遁・水縛り! 」
茶一刀「土遁・岩団子! 」
バンッ!!
水遁の使い手である青一刀と土遁の使い手である茶一刀が恋が着地した瞬間に術を発動させたのであった!
そして動けない恋めがけて
キィンッ!!
バチバチッ!
黄一刀「雷遁・雷電掌! 」
ドッゴォーーンッ!!
上空から雷遁の使い手である黄一刀が腕に雷の黄を集めて恋に直撃した!
恋「…がはっ!? 」
さすがの恋もダメージを受けたのだが
黄一刀「ぐほっ!? 」
がくんっ!!
突然膝をつく黄一刀
実は直撃した際に恋が石突き(槍・薙刀の柄の端)で黄一刀にダメージを与えていたのだ。
そして黄一刀が傷つくと
一刀達『がはっ!? 』
他の一刀達まで苦しみだした!
五行分身は一つの分身がダメージを受けると他の分身までダメージを受けるのだ。
すると
シュパパッ!!
ダメージと気の消費により一刀達は消えてしまい、元の一刀一人だけになってしまった。
一刀「(やはり俺はまだまだのようだな!?) 」
この五行分身は本来気の消費を抑える一心同体で使えば効果は抜群である。
通常でもできるが体力と気の消費が激しいのであった。
バタンッ!!
そして一刀が倒れた瞬間
夏芽「勝者、呂布! 」
バンッ!!
恋の勝利が決定し、これによって
地和「天下一品武闘大会、優勝者は呂布選手に決定だーっ! 」
恋の優勝が決定したのだが
スッ!
恋は倒れる一刀に近づくと
スッ!
恋「…一刀強かった。一歩間違えたら恋は負けてたかもしれない 」
手を差し出して一刀を褒め称える恋
一刀「フッ!三国最強と呼ばれる恋にそう言われるなら嬉しいな 」
一刀が嬉しがっていると
恋「…でも今回は恋の勝ち。だから… 」
そして恋は
ちゅっ!!
一刀「れ…恋!?/// 」
恋「…優勝のご褒美♪ 」
と一刀が照れていると
ねね「ちんきゅうキーック!♯ 」
ドグボッ!!☆ミ
一刀「がはっ!? 」
いきなりねねの飛び蹴りを食らってしまった!
ねね「このヘボめ!よくも恋殿の唇を奪いやがったですね!!♯ 」
一刀「ちょ…ちょっと待て!? 」
奪ったというより一刀の唇が奪われたのが正しいのだが
ガシッ!!
一刀「(えっ!?こ…この覇気はまさか!?) 」
一刀はいきなり後ろから首根っこをつかまれ、恐る恐る後ろを見てみると
ヤン華「カ〜ズ〜ト〜!!♯ 」
一刀「(やっぱり〜!?) 」
そこには一刀の予想通り、嫉妬に燃えるヤンデレ蓮華(ヤン華)がいた!
ヤン華「城二帰ッタラオ仕置キガ必要ナヨウダナ♯ 」
一刀「うわぁーっ!?許してください!? 」
この後、城に帰った一刀は真っ先にヤン華から石抱き(膝の上に石をのせる拷問)の刑をくらいながら説教されまくったという
ちなみに恋の願いは美味しいものをたくさんほしいだそうでその量が多いものだから少しの間、魏は節約生活を送るのであった。
次話より様々な話になります




