孫呉童話
今回はメルヘンチックです
一刀の離れ
さらさらっ!
この日、一刀は朝から何かを書いていた。
蓮華「一刀、今朝から離れに閉じ籠って(こもって)いるらしいが具合でも悪いのか? 」
スッ!
と蓮華が一刀の様子を見に来たその時
一刀「できたーっ! 」
一刀がいきなり叫び出した。
蓮華「一刀、そんなに騒いで一体何ができたというんだ!? 」
蓮華が一刀に聞くと
一刀「蓮華!?いたのですか!? 」
今頃蓮華が来ていたことに気づく一刀
どうやら作業に熱中し過ぎていたらしい
ちなみに普段一刀は蓮華を様付けして呼んでいるが二人きりの時は様を取るよう蓮華に言われている。
蓮華「それで一体何を書いているというんだ? 」
改めて蓮華が聞いてみると
一刀「実は、町の子供達のために絵本を作ってるんです 」
蓮華「絵本? 」
一刀「はい、この世界は紙が重要なため本といえば勉学関係しかなく、文字だらけで子供には読みにくいため絵を付け加えて書いてるんですよ 」
スッ!
そう言って一刀はすでにできている絵本を数冊取り出した。
蓮華「桃太郎、灰被り姫、一刀の世界には色々な物語があるのだな 」
この世界に西洋童話や日本童話があるわけがなく
子供でもないのに絵本を見てはしゃぐ蓮華。穏なら間違いなく興奮するであろう。
と蓮華が絵本を見ていると
蓮華「んっ?この本は何だ? 」
ある一冊の絵本『白雪姫』を見つける蓮華
そして蓮華がページを捲ろう(めくろう)とすると
冥琳「北郷!ちょっと手が足りないから来てくれ! 」
離れの外から一刀を呼ぶ冥琳の声が聞こえ
一刀「わかりました。今すぐいきます!では蓮華、自由に見といてくれ 」
蓮華「あぁ 」
サッ!
そして一刀が去ると
蓮華「どんな話なのだろう? 」
パラッ!
絵本のページを捲る蓮華
すると…
あるところに白雪姫というかわいい姫がいました。
蓮華「うふっ♪私の名前は蓮華…じゃなくて白雪姫だ! 」
白雪姫…蓮華
ところが白雪姫を消し去りたいと思う人物が一人いました。
雪蓮「ムキーッ!!蓮華…じゃなくて白雪姫ったらムカつくーっ!!♯ 」
母が幼い頃に亡くなり、新しい母である王妃は白雪姫を疎ましく(うとましく)思っていました。
王妃…雪蓮
雪蓮「何で私が悪役なのよ!!♯ 」
それはともかく
ある日、王妃は魔法の鏡に聞いてみることにしました。
雪蓮「魔法の鏡!世界で一番美人なのは誰? 」
すると
冥琳「それは白雪姫だ 」
と答える魔法の鏡
魔法の鏡…冥琳
冥琳「あの方は美しいだけでなく、お前のように仕事をサボらず、酒を飲みまくったりもしないからな 」
雪蓮「うるさいわよ!!こうなったら白雪姫を殺してやるわ!!♯ 」
と思った王妃は殺し屋を雇うことにしました。
その殺し屋こそ…
源治「・・・俺に狩れない女はいない! 」
殺し屋…源治
スナイパーの源治だったのです。
早速王妃は殺し屋に白雪姫を殺すよう命じましたが
源治「・・・う…美しすぎる!?こんなボンッ・キュッ・ボンッ!!の完璧な肉体を持つ女を俺が殺せるわけがない!! 」
殺し屋は白雪姫の美しさに殺す気がなくなってしまい
源治「・・・だから触りまくってやるぜ〜♪ 」
蓮華「きゃーっ!? 」
変態と化した殺し屋から逃げる白雪姫
そして結局白雪姫に逃げられた殺し屋は
源治「・・・王妃には殺して樹海に捨てたと伝えとこう 」
と嘘をつくことにしました。
一方、白雪姫はというと
蓮華「変態から逃げるのに夢中で帰り道がわからなくなった!? 」
迷子になってしまう白雪姫
だが天は彼女を見捨てなかった!
蓮華「あっ!あんなところに家がある。休ませてもらおう 」
目の前に小さな家を発見し、疲れてしまい眠る白雪姫
すると
シャオ「ハイホー!ハイホー! 」
思春「何故私がこんな格好を/// 」
祭「まぁたまにはいいではないか♪ 」
茜「小人の服ってかわいいですしね♪ 」
穏「でも私には胸が窮屈みたいです〜!? 」
亞莎「おっぱい… 」
明命「なら斬ってあげましょうか?♯ 」
小人達…シャオ、思春、祭、茜、穏、亞莎、明命
家の持ち主である小さくないけど7人の小人達が仕事を終えて家に着くと
見知らぬ人物(白雪姫)がいるのが発見され
シャオ「あっ!住居不法侵入者だ!警邏隊に連絡しよう!! 」
蓮華「ちょっと待ってくれ!?私は怪しいものではない!すまないが何でもするのでこの家に置いてくれ! 」
白雪姫が小人達に頼むと
シャオ「だったらシャオのお小遣いをあげて… 」
茜「毎日家をきれいにしたらいいですよ! 」
蓮華「あぁ! 」
その後、小人の家に住むことを許された白雪姫は一生懸命働いた。
一方、城では
雪蓮「魔法の鏡!世界で一番美人なのは誰? 」
白雪姫が死んだと聞いて王妃が魔法の鏡に再度訪ねてみると
冥琳「だから白雪姫だと言ってるだろう。あの方は生きてるぞ 」
雪蓮「何ですって!? 」
まさかの出来事に驚く王妃
雪蓮「ちょっと殺し屋!あんた白雪姫を樹海に捨てたんじゃないの!!♯ 」
源治「・・・それが、あの方の美しさに心を奪われてしまって!? 」
と殺し屋が言った直後
ガシッ!!
理央「源治さん、私以外の女の人にセクハラしようとしたらしいですね♯ 」
ギューーッ!!
源治「・・・ぎゃーっ!? 」
殺し屋は女房にアイアンクローをかけられてしまった!
雪蓮「もう他人なんて宛にしない!私が殺してやるんだから!! 」
そして王妃は小人達が仕事に出ている間に家にやって来ると
雪蓮「そこのケツでかお嬢さん、リンゴはいらんかえ? 」
老婆に化けてリンゴを食べさせようとする。
蓮華「ケツでかではない!腰が細いだけだ!それにそのリンゴには毒がついているんだろう! 」
察しのいい白雪姫が老婆に言うと
雪蓮「毒なんて入ってないわよ!ただ食べるとチ〇コが生える蜂蜜が塗ってあるだけさ 」
蓮華「尚更いらん!!♯ 」
怒った白雪姫は老婆を追い返そうとすると
雪蓮「面倒臭い!!さっさとお食べ! 」
ぐいっ!!
蓮華「うぐっ!? 」
バタンッ!!
リンゴ一個を丸ごと口に入れられた上に、食べたのが毒リンゴだったため倒れる白雪姫
雪蓮「やったー♪白雪姫が死んだ♪ 」
白雪姫が死んで喜ぶ老婆
すると
バッ!
葵「警邏隊よ!! 」
吹音「そこの殺人犯、動かないでください! 」
玲「神妙にお縄につきやがれ!! 」
雪蓮「へっ!? 」
茂みから警邏隊が現れ
葵「殺人犯確保! 」
吹音「殺人は罰として禁酒一年間です 」
玲「覚悟しときな! 」
雪蓮「いや〜!?何でこうなるのよ!? 」
老婆は警邏隊に連行されていった。
警邏隊…葵、玲、吹音
それから少しして、小人達が帰ってくると家の前で白雪姫が倒れているのを発見し
うわぁ〜〜んっ!!
泣き叫ぶ小人達
シャオ「明日から誰が掃除するの〜!? 」
祭「今晩の酒は誰が買ってくるんじゃ〜!? 」
思春「そんな理由で泣かないでください!!♯ 」
小人達が騒いでいると
パカパカッ!!
白馬に乗った忍者…ではなく王子様が現れた。
一刀「俺は王子だ。ここに毒で死んだものがいるという気がして救いに来たのだ 」
王子…一刀
随分勘の鋭い王子である。
そして王子が白雪姫の前に出ると
一刀「確かに毒で苦しんでいるな!?今すぐ毒消しの印を! 」
スッ…
王子が印を結ぼうとすると
ガバッ!!
蓮華「それじゃあダメだ!一刀、主君命令だ!口づけにしろ!!/// 」
ばたりっ!!
死んでいるはずの白雪姫が急に起き上がり王子に一言いうと再び死んでしまった。
一刀「(本当は生きてるんじゃないの?)まぁ主君命令なら仕方ない!接吻で… 」
ん〜っ…
そして王子の唇が白雪姫の唇と重なろうとしたその時!
「蓮華! 」 「蓮華! 」
蓮華「んっ… 」
誰かが呼んでいる声が聞こえ、蓮華が目を開くと
バンッ!!
蓮華の目の前に一刀の顔があった。
すると…
蓮華「きゃーっ!?/// 」
バッチーーンッ!!
一刀「ぐほっ!? 」
思わず一刀をぶっとばす蓮華
蓮華「きゅ…急に顔を近づけるな!/// 」
一刀「すいません!?だけど蓮華が絵本を見ながら昼寝していたので!? 」
蓮華「(じゃあ、さっきまでのは全部夢だったのか!?) 」
まさかの夢の内容に驚く蓮華
蓮華「(しかし夢とはいえ、もう少しで一刀と接吻できたのにな) 」
少し残念な蓮華
蓮華「それより一刀!もっと素敵な話を書いて絵本を広めるのだぞ♪ 」
一刀「御意! 」
その後、絵本は庶民でも手に入るということで子供はもちろん、絵がついているので字が読めない大人からも大人気であった。
めでたしめでたし
・・・
・・・
・・・
ジュン「あれっ?俺は? 」




