新たな仲間
大陸に勢力を伸ばしていた黄巾党は曹操の手により鎮圧された。
そして一刀達が黄巾党を倒してから数日後
一刀「フッ!フッ! 」
カカカッ!
すっかり傷の癒えた一刀が鍛練をしていた。
小助『体の調子は良さそうじゃねぇか 』
と小助が一刀に話しかける。
一刀「やはり北郷流に伝わる傷薬は効くものだな 」
一刀が言うと
小助『それより孫権姉ちゃんの手厚い看護のお陰だったりしてな♪ 』
一刀「ブッ!? 」
小助の言葉に驚く一刀
実は帰ってきて以来、蓮華(孫権)が『一刀をほっておくと無茶をやりかねないから治るまで看護する』と言って昨日まで付きっきりだったのだ。
小助『やはり乙女の看護は一番治りが早いっていうのはホントのようだな♪ 』
一刀「か…からかうでない小助! 」
ダッ!
一刀はからかう小助を追いかける。
その時!
じーっ…
一刀「(んっ!) 」
ピタッ!
一刀の動きが止まる。
小助『どうした? 』
一刀「今、誰かに見られたような気が… 」
小助『孫権姉ちゃんってか〜、熱いね〜♪ 』
一刀「違う!ちょっと見てくるからそこで待っていろ! 」
シュンッ!
一刀は小助を残して視線の正体を確かめに行く
小助『やれやれ、絶対に一刀の勘違いだと思うんだがな 』
小助が一人で待っていると
?「グルル… 」
小助『んっ?…ってわぁーっ!? 』
その頃、一刀は
一刀「おかしい、確かにこの辺りから見られていた気がしたのだが見当たらない 」
スッ!
一刀は柱の後ろを覗きこむが誰もいない
その時!
蓮華「何をしているのだ一刀? 」
蓮華が一刀に声をかけてきた。
一刀「こ…これは孫権様!?/// 」
ついさっきまで蓮華の話をしているだけあって顔が赤くなる一刀
蓮華「どうやら怪我は完治したようだな、お前は無茶をしすぎるから気をつけるんだぞ 」
一刀「はっ!以後気を付けます! 」
一応蓮華に誓っておくが、必ず破りそうな感じになると一刀自身も思っていた。
蓮華「ところで人探しをしているのだが手伝ってくれないか? 」
一刀「孫権様の頼みでしたら何なりと引き受けます!それで探す人の人相等は? 」
蓮華「それなのだが… 」
蓮華が探してほしい人物の特徴を言おうとすると
ブツブツッ…
二人の耳に不思議な音が聞こえてきた。
蓮華「何だこの音は? 」
不思議がる蓮華に対して
一刀「この音は小助の!?小助の身に何かあったのでは!? 」
ダッ!
蓮華「待て一刀、どこに行く!? 」
いきなり駆け出した一刀を蓮華が追いかけていく!
蓮華「一刀、あの音は何なのだ!? 」
一刀「あれは矢羽音です 」
矢羽音…忍者が使う秘密の会話。伝えたい人にしか意味がわからないようになっている。
一刀「そして小助は矢羽音で助けを求めているのです! 」
蓮華「なら何故口で言わないのだ!? 」
一刀「小助はしゃべることができないのです! 」
そして二人は走りながら会話しているうちに小助の元にたどり着いた。
すると
小助『ひーっ!! 』
?「ガルルーッ!! 」
ドドォーッ!!
小助が白虎に追いかけられていた。
一刀「何故城の中に虎がいるのだ!? 」
蓮華「あの虎は… 」
蓮華が虎について説明しようとするが
小助『早く助けてくれーっ!! 』
一刀「いかんっ!! 」
シュッ! バッ!
一刀は小助を助けるべく虎の前に出る。
虎「グルル…ガォーッ!! 」
ガバッ!
虎は一刀に襲いかかってきた。
一刀「フンッ!! 」
シュパッ! ドシッ!
一刀はジャンプして虎の背中に乗ると
一刀「そりゃっ! 」
バサッ!
上着を虎の頭に被せた。
虎「ガルルーッ!! 」
虎は一刀を乗せたまま、ロデオのように暴れまくる
一刀「静まれ!静まらなくては息ができぬぞ! 」
確かに密閉された空間で叫び続ければ空気がなくなって息ができなくなる。
すると
虎「ハァハァ…
息苦しくなった虎は大人しくなり始めた。
シュッ!
その後、一刀が上着を脱いで虎から降りるのだった。
蓮華「虎を静めるなんてすごいな一刀!? 」
一刀「主君が猛獣に襲われた時のために訓練を受けていましたので 」
いったいどんな訓練を受けたのだろう!?
だが安心したのもつかの間だった。
シュパンッ!
一刀「おっと!? 」
サッ!
いきなり一刀めがけて矢が飛んできたのだ。
スッ!
一刀は懐から手裏剣を数枚出すと
一刀「そこだ! 」
シュッ! ガサッ!
茂みの中に手裏剣を投げた。
すると…
バッ!
?「いった〜い! 」
お尻に手裏剣が刺さった桃色の髪の少女が茂みから飛び出した。
だが幸いにも、一刀は間違えて懐に入れていた竹製手裏剣を使ったので殺傷力はなかった。
?「ちょっと!いきなりこんなものを投げつけるなんてどういう神経してるのよ!♯ 」
一刀「お主がいきなり矢を射たからであろう 」
?「そっちが先に周々をいじめてたんじゃない!♯ 」
一刀「周々? 」
一刀は周々という名に覚えがなかった。
蓮華「待て小蓮、そいつは…!? 」
?「これでも食らいなさい! 」
シュッ!
少女はハートの形をした戦輪のようなものを一刀に投げてきた。
普段ならば目を閉じていても避けられる一刀だが
一刀「周々とははて? 」
この時は考え事をしていて気づいていなかった。
蓮華「一刀、避けろ! 」
一刀「えっ? 」
一刀が蓮華の声に反応した瞬間
ズバッ!!
一刀「ぐほっ!? 」
チャクラムが一刀の体を切り裂いた!
蓮華「一刀!? 」
?「フンッ!いい気味よ♪ 」
ところがだ
バサッ!
切れたのは上着だけで一刀の姿がなかった。
?「ちょっとどこに消えたのよ!? 」
少女が一刀を探していると
一刀「ここだ 」
スッ! チャキッ!
少女の後ろから一刀が現れて少女の首元にクナイを当てる。
一刀「久しぶりに使ってみたが、空蝉の術は成功のようだな 」
空蝉の術…変わり身の術と似ているが丸太の代わりに自分の服を利用する忍術
空蝉の術を使った後、一刀は少女の影に隠れたのだった。
?「うっ!? 」
首元にクナイを当てられて動けない少女
その時!
蓮華「待て一刀!離してやってくれ!? 」
一刀「孫権様、何故ですか?この子はくせ者では… 」
蓮華「そいつはくせ者ではない、恥ずかしい話なのだがそいつは私の妹である孫尚香なのだ 」
一刀「妹っ!? 」
じーっ
孫尚香(真名を小蓮)の顔をじっと見てみると
一刀「確かにどことなく雪蓮と孫権様に似ている気が…!? 」
ただ一つ、違いすぎる点といえば…
ぺたんっ
雪蓮と蓮華とは違い胸が…
小蓮「フンッ!♯ 」
キンッ!☆ミ
一刀「がはっ!? 」
小蓮の拳が一刀の股間にヒットし、うずくまる一刀
小蓮「へっへ〜ん♪あっかんべーだ! 」
ダッ!
そして小蓮は去っていった。
一刀「お…俺が言った訳じゃないのに!? 」
小助『恨むならこんな文を書いた作者を恨むんだな 』
そしてその後、
玉座の間
この日、孫呉の主要人物が玉座の間に集められた。
雪蓮「みんな来たようね 」
冥琳「全員揃っているぞ 」
バンッ!
この場に全員が集まったなか
雪蓮「それじゃあこれから我が軍に入る人を紹介するわね。入ってらっしゃい 」
雪蓮が言うと
ギィーッ!
大きな扉が開いて新しい人物が入ってくる。
その中には
明命「周泰幼平、真名は明命。よろしくなのです! 」
明命
小蓮「孫尚香、真名は小蓮。シャオって呼んでね 」
ジロリッ
一刀をジロリッとにらむ小蓮
?「りょ…呂蒙子明、真名は亞莎です。よ…よろしくお願いします/// 」
そして新たに片眼鏡をかけ、キョンシーのような服を着た亞莎が仲間に入った。
だが何故か亞莎は一刀を見た途端、顔を袖で隠していた。
冥琳「北郷、お前もシャオ様と亞莎とは初対面だから一応挨拶をしておけ 」
一刀「は…はい! 」
シャオとは初対面ではないのだが
一刀「北郷流忍者・北郷一刀!孫権様の護衛をしております! 」
小助『俺は小助!姉ちゃん達よろしくだぜ! 』
一刀が紹介すると
雪蓮「それでは紹介も終わったところで、乾杯といきましょう♪ 」
冥琳「お前はそれがしたいだけだろうが!♯ 」
祭「まぁまぁ、新しい門出なんじゃしいいではないか♪ 」
穏「飲み過ぎなきゃ大丈夫ですよ〜♪ 」
冥琳「まったく、この後も仕事があるというのに 」
頭を悩ませる冥琳
一刀「孫権様、お飲みになりますか? 」
スッ!
一刀が蓮華に酒の入ったコップを差し出すと
蓮華「すまないが私は飲めないのだ。一刀が飲むといい 」
酒を断る蓮華
一刀「そうでしたか、でも俺も酒は苦手なものでして 」
小助『こいつ、とんでもない酒乱だからな 』
雪蓮「初耳ね♪一杯だけ飲みなさいよ♪ 」
一刀「いや、それは結構で…!? 」
雪蓮「私の酒が飲めないっていうの!飲みなさ〜い! 」
一刀「うわっ!? 」
雪蓮から逃げる一刀
そしてこの追いかけっこは次の日の朝まで続いたという。