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時を越える一刀

今回は以前出した百話記念の話の一部に関する話です。

それはある日のこと


一刀「んっ? 」


蓮華「一刀、どうしたんだ? 」


一刀が蓮華の買い物に付き合っていると


とある飲食店を見つめていた。


一刀「この店って前からありましたっけ? 」


一刀が聞くと


蓮華「いや、三日前に開店したばかりだがそれがどうした? 」


一刀「いや、何だか昔にこの店に来たような気がするんです。しかもその時にきれいなお姉さんに手を引かれて… 」


とここで一刀が蓮華の方を見てみると


蓮華「ほう、きれいなお姉さんか♯ 」


『きれいなお姉さんと一緒にいた』という一刀の言葉に蓮華の機嫌が悪くなっていた。


一刀「あ…あのぅ蓮華様!? 」


蓮華の機嫌が悪くなっているのを察知した一刀は蓮華を宥め(なだめ)ようとするが


蓮華「そんな言葉が出るほど一刀は余裕のようだからたっぷり荷物持ちをしてもらわないとな♯ 」


一刀「御意!? 」


蓮華の機嫌は静まらず、一刀は山のような荷物を持つ羽目になったという。


そして次の日


一刀「それでは蓮華様、行って参ります 」


蓮華「うむ、気を付けてな 」


一刀は賊の討伐のため出かけることになった。


蓮華「一刀の実力なら大丈夫だと思うが、無事に帰って来るのだぞ 」


一刀「わかっています!この北郷一刀、必ずや無事にあなたのもとに帰ってみせますとも! 」


蓮華「一刀/// 」


一刀「蓮華様/// 」


ん〜…


そして二人の唇があと少しで重なりあおうとしたその時!


雪蓮「そこっ!イチャイチャしない!! 」


バカッ!!


一刀・蓮華『うわっ!? 』


いきなり壁が開いて雪蓮が現れた。


蓮華「姉様、また勝手に城の改造をしましたね! 」


雪蓮「そんなことどうでもいいの!!それよりあんた達接吻(キス)しようとしてたわね!だったら私だってしちゃうんだから! 」


バッ!


一刀「えっ!? 」


雪蓮は一刀の方に向かっていくが


ガシッ!!


蓮華「一刀!今のうちに行け!? 」


一刀「ぎょ…御意!? 」


シュッ!


雪蓮「あぁんっ!? 」


蓮華が雪蓮を押さえている間に一刀は出かけてしまった。


蓮華「さぁ、姉様はたしか冥琳から仕事を言いつけられたはずでしょう!さっさと戻りますよ! 」


雪蓮「いたた!?わかったから耳を引っ張らないでよ!? 」


とまぁいつものような日常を過ごしていたのだが


事件はこの後、起こったのだった。


それは現実世界での十年前


姫子の実家である神宮寺神宮


幼い姫子「キャハハッ♪ 」


後に神宮寺神宮20代目巫女となる神宮寺姫子 (6歳)


幼い姫子が廊下を走っていると


幼い姫子「一刀〜、今日も新しい術を開発したから実験台になるのじゃ〜♪ 」


一刀を新術の実験台にすべく一刀を探す姫子


だが当時の一刀は


幼い一刀「もう姫子様のお相手はごめんだ!? 」


姫子から逃げるため隠れていた。


北郷一刀 当時8歳


幼い一刀「昨日は蛙に変える術、一昨日は性転換の術、もう姫子様の術の実験台はごめんだ! 」


毎日のように姫子の実験台になっていた一刀はついに我慢の限界を越えたのだった。


幼い一刀「このまま隠れていたってどうせ見つかってしまう!?だったら… 」


スッ!


一刀は懐から一本の巻物を取り出すと


幼い一刀「ここに来た時に蔵からこっそり持ってきたこの時空転送の巻物で逃げてやる! 」


時空転送の巻物…印を結んで念じるとあらゆる時代にいくことが可能。だが余程の集中力と気がなければ望む場所に行くことができない。


幼い一刀「では! 」


シュシュッ!


幼い一刀は印を結ぶと


幼い一刀「ハァッ! 」


バッ!


術を発動させようとするのだが


ズゴゴゴッ…!!


幼い一刀「えっ!?うわぁーっ!? 」


やはり幼い一刀では完璧に術を発動させるのは無理であり、いきなり吸い込まれてしまった。


そして幼い一刀が着いた先は


ドシンッ!!


幼い一刀「いてっ!?何だここは? 」


幼い一刀が辿り着いた先、そこは現在一刀が使っている離れの前であった。


幼い一刀「何だか目の前に日本建築があるな、ともかく中に入ってみよう 」


タターッ!!


幼い一刀は離れの階段を駆け上がろうとするが


ガタンッ!!


幼い一刀「うわっ!? 」


この階段は手すりの先を押さないと階段が滑り台に変化するのだ!(雪蓮以外はみんな知っている)


幼い一刀「なんのこれしき! 」


スッ!


幼い一刀「ハァッ! 」


シュッ! ガチンッ!


幼い一刀は懐から鎖を出して見事引っかけた!


幼い一刀「とうっ! 」


ぴょんっ! すたっ!


そして幼い一刀は離れの扉前に着地するのだが


この直後!


びよーんっ!!


幼い一刀「うわぁーっ!? 」


扉前に仕掛けられたトランポリンにより幼い一刀は飛ばされてしまった!


蓮華「まったく、姉様ったらすぐに仕事を抜け出そうとするのだから困ったものだな 」


そしてこの時、蓮華が廊下を歩いていると


「助けて〜!? 」


蓮華「んっ!今の声は何だ!? 」


ダッ!


助けを呼ぶ声が聞こえ、蓮華が声のもとに駆けつけるとそこには…


バンッ!!


小さな子供が木に絡まっていた。


扉前のトランポリンに飛ばされると近くにある木に引っ掛かる仕掛けなのだ。


蓮華「(何故こんなところに子供が!?)ともかく考えるより助けなくちゃ!? 」


考えるのを後回しにし、ともかく子供を木から下ろす蓮華


その後


幼い一刀「あ…あのぅ、助けてくれてありがとうございます 」


幼い一刀がお礼を言うと


蓮華「(この子、一刀に似てる気がするが気のせいかな?)お礼は別に構わない。それより坊や!どこから入ってきたか知らないが勝手に城に入っちゃダメじゃないか! 」


幼い一刀「ひっ!? 」


蓮華に叱られ、幼い一刀は怯えた。


蓮華「ともかく早く家に帰る… 」


と蓮華が続けて言おうとしたその時!


ぐきゅ〜っ!!


幼い一刀「あっ!?/// 」


幼い一刀のお腹から腹の虫が鳴り出した。


幼い一刀「(そういえばお昼も食べずに出てきてしまったからな!?///) 」


幼い一刀が腹の虫が鳴ったことを恥ずかしがっていると


蓮華「どうやら腹が空いてるようだな、だがあいにく料理上手の祭はいないし、他の者もみんな出かけているからな… 」


蓮華自身、自分の料理を食べさせるのはまだ危険だと判断していた。


蓮華「(そうだ!確かあそこなら!)坊や、ついてくるがよい 」


幼い一刀「えっ? 」


そして蓮華が幼い一刀を連れてやって来た場所こそ


バンッ!!


昨日、一刀と蓮華が話していた飲食店であった。


蓮華「さぁ、入るぞ 」


ギュッ!


幼い一刀「あっ!?/// 」


幼い一刀の手を引きながら店に入る蓮華


それから少しして


ガラッ!


食べ終わって店を出ると


蓮華「坊や、美味しかったか? 」


蓮華が食事の感想を聞いてみると


幼い一刀「美味しかったです。きれいなお姉さん♪ 」


蓮華「まぁ/// 」


きれいとお姉さんと呼ばれて赤くなる蓮華


蓮華「そ…そういえばまだ坊やの名前を聞いていなかったな、名前は何というのだ? 」


照れるのをごまかすため聞いてみると


幼い一刀「名前ですか?僕の名前はほん… 」


そして幼い一刀が名前を言おうとしたその時


一刀「蓮華様! 」


タタッ!!


無事に賊退治を終えた一刀が帰ってきた。


蓮華「一刀! 」


スッ!


そして蓮華が幼い一刀から目を離し、一刀の方を向いた瞬間!


シュッ!


幼い一刀は消えてしまった。


正確には消えたわけではなく、時間切れでもとの時代に戻っただけである。


蓮華「そうだ!一刀は街に詳しかったな、この子の家を知らないか? 」


一刀「?どの子ですか? 」


蓮華「どの子って…あれっ? 」


蓮華が幼い一刀の方を見てみるといつの間にか消えていることに驚く蓮華


蓮華「(自分の家に帰ったのか?) 」


一刀「どうかされたんですか? 」


一刀に聞かれた蓮華は


蓮華「別に何でもない。それより… 」


ギュッ!


一刀「ちょっ!?いったい何を!?/// 」


一刀の腕に抱きつく蓮華


蓮華「今日は誰もいないし、城につくまでならいいだろう。主君命令だ!/// 」


と言われた一刀は


一刀「ぎょ…御意/// 」


顔を赤くしながらも了承するのであった。


そしてその頃


パッ!


幼い一刀「あれっ?戻ってきちゃった 」


術の効果が切れ、元の時代に帰ってきた幼い一刀であったが


幼い姫子「か〜ず〜と〜! 」


幼い一刀「ひっ!?姫様!? 」


幼い一刀の後ろに姫子が立っていた。


幼い姫子「私を置いてどこにいってたのじゃ!主君命令での罰として電撃ビリビリの刑じゃ!♯ 」


幼い一刀「ひ〜!? 」


ちなみにこの後うけた電撃により一刀の記憶が多少消えたという


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