拠点 二人の雪蓮・後編
前後編の後編となります
大事な仕事を終わらせなくてはならないのに密かに作ってもらった人形を使って見張りの目を盗んで政務室から脱走する雪蓮
だが冥琳からの指示で動いた一刀達によって雪蓮は城に連れ戻され、冥琳から物凄い説教を受ける。
そして冥琳に明日までに終わらせなかったら酒を全て捨てると言われた雪蓮は仕方なく仕事をするのだがその途中で
雪蓮「人形が私の代わりをしてくれたらいいのに 」
と呟いた直後、雪蓮は眠ってしまい、朝起きてみると何と!?終わってなかったはずの仕事が終わっていた。
仕事が終わってラッキーと喜ぶ雪蓮は朝食を食べるため食堂に向かうのだがその途中で蓮華と遭遇し
蓮華「姉様はさっきまで食堂にいたはずではないですか!? 」
雪蓮「えっ!? 」
蓮華の言葉を聞いた雪蓮は急いで食堂に向かうのだった。
雪蓮「(私の偽者が城内にいるだなんて一体どうなっているのよ!?) 」
バッ!
そして雪蓮が食堂にたどり着くと、そこにいたのは…
雪蓮?「がつがつっ! 」
後ろ姿が完全に雪蓮であった!
雪蓮「ちょっとあんた!一体何者なのよ!! 」
ぐいっ!!
雪蓮が食堂にいた雪蓮の顔を振り向かせると
雪蓮?「んっ? 」
バンッ!!
何と!?その顔はカラクリ雪蓮であった!
雪蓮「えっ!?何でカラクリ雪蓮がここに!? 」
雪蓮が驚いていると
パッ!
カラクリ雪蓮は雪蓮の腕を弾き
カラクリ雪蓮「ちょっと!食事の邪魔しないでちょうだい! 」
言葉まで話してきた!
雪蓮「ちょっと!あんた何者よ!! 」
ビシッ!!
雪蓮がカラクリ雪蓮を指さすと
カラクリ雪蓮「私が誰なのかですって?決まってるじゃない! 」
スッ!
カラクリ雪蓮は椅子から立ち上がると
カラクリ雪蓮「私は偉大なる孫堅の長女であり、呉の先代王である孫策伯符よ! 」
バァンッ!!
カラクリ雪蓮は名乗りを上げた!
カラクリ雪蓮「あんたこそ一体何者なのよ?もしかして私に化けた間諜? 」
間諜された雪蓮は
雪蓮「何よ!!間諜はあなたの方でしょ!! 」
バッ!
カラクリ雪蓮「何するのよ!! 」
雪蓮「あんたの化けの皮を剥がしてやるわ!! 」
雪蓮はカラクリ雪蓮に飛びかかっていった。
すると
冥琳「何事だ!! 」
祭「賊でも入ったか! 」
騒ぎを聞いて冥琳と祭が食堂に現れた。
雪蓮・カラクリ雪蓮『あっ!冥琳、祭! 』
そして二人が雪蓮達を見ると
冥琳「むむっ!?祭殿、私の目がおかしくなったのか?雪蓮が二人いるように見えるのだが!? 」
祭「なら大丈夫じゃ、儂の目にも二人いるように見えるからのう!? 」
どうやら見間違いではないらしい
雪蓮「冥琳!こいつは私の偽者よ!きっと間諜に違いないわ!! 」
カラクリ雪蓮「何いってるのよ!あなたこそ偽者でしょ!! 」
互いに偽者だと言い合う二人
雪蓮「私と長く付き合っている二人ならわかるはずよね!祭、この偽者なんて関節が動くたびにギシギシいってるじゃない!こいつが偽者よ! 」
雪蓮が祭の方を向いて言うと
祭「そうは言うが、最近年のせいか耳が遠くなってのう 」
雪蓮「何なのよ!!(こういう時だけ年寄りなんだから!)(小声) 」
と雪蓮が言った瞬間!
ガツンッ☆ミ
祭「年寄りは余計じゃ!!♯ 」
雪蓮「いたた!?聞こえてるじゃない!? 」
悪口には敏感な祭であった。
雪蓮「だったら冥琳なら私と長い付き合いなんだからわかるでしょ! 」
雪蓮が冥琳に聞くと
冥琳「う〜む、残念だが私にも見分けがつかない!? 」
雪蓮「ちょっと!昨日は私と偽者を見抜いたくせに!! 」
雪蓮が冥琳に怒鳴ると
カラクリ雪蓮「ちょっとやめなさいよ!日頃、私のやり残した仕事をして、私の親友である冥琳に何てこというのよ! 」
ずいっ!!
カラクリ雪蓮が冥琳の前に出てきた。
雪蓮「何よ!!偽者のくせに冥琳を親友呼ばわりしないでよ! 」
カラクリ雪蓮「偽者はあんたでしょ!! 」
二人が言い争っていると
雪蓮「こうなったら! 」
バッ!
雪蓮は近くにあった棒を手に取ると
雪蓮「本物の雪蓮なら武力が高いはずだから戦いで決着つけましょう!負けた方が偽者よ!! 」
ブォンッ!!
カラクリ雪蓮に対して棒を降り下ろす雪蓮だが
サッ!
雪蓮「えっ!? 」
カラクリ雪蓮は降り下ろされた棒を見切って避けると
ドンッ!!
雪蓮「ぐふっ!? 」
雪蓮の腹に一撃を食らわした!
カラクリ雪蓮「どうやら私が本物のようね偽者さん♪ 」
雪蓮「ち…違うもん!私が雪蓮だもん!? 」
負けたのに本物だと言い張る雪蓮に対し
冥琳「往生際の悪い偽者だな 」
祭「お主が強い方が本物じゃと言っただろうにこの偽者め 」
ズキュンッ!!
雪蓮「そんな!? 」
長い付き合いである冥琳と祭から偽者扱いされたことにショックを受ける雪蓮
すると
カラクリ雪蓮「ねぇ冥琳、早速仕事をバリバリやるわ!お酒も当分控えるからね♪ 」
冥琳「そうだな、本物の雪蓮ならば王じゃないからって仕事をサボったり、酒を飲みまくるはずがないからな 」
祭「まさしくそれこそが真の策殿じゃ! 」
二人が本物の雪蓮は真面目だといってると
雪蓮「私だって真面目だもん!! 」
いきなり雪蓮が泣きべそをかきながら叫んだ!
冥琳「お前は偽者だろう 」
雪蓮「私は本物だもん!!その証拠にこれからは真面目になるんだもん!! 」
冥琳「本当か? 」
雪蓮「ホントに本当だもん! 」
と雪蓮が叫んだ直後
冥琳「今の言葉、確と(しかと)聞いたぞ雪蓮 」
雪蓮「えっ!? 」
雪蓮はさっき冥琳が自分を雪蓮と呼んだことに対して驚いていた。
すると
ガチャッ!!
穏「ようやく反省したようですね〜 」
亞莎「少しやりすぎだったような気もしますが 」
シャオ「雪蓮お姉ちゃんはあれくらいしなきゃ反省しないって 」
思春「確かにな 」
明命「そうなのです 」
茜「作戦成功ですね♪ 」
バンッ!!
食堂に蓮華以外の残りのメンバーが集まった。
雪蓮「えっ!?作戦ってどういうこと!? 」
一人だけわけがわからず驚きまくる雪蓮
すると
冥琳「雪蓮よ、これは全て芝居なのだ。お前が全然反省しないからみんなで一芝居打ったわけさ 」
雪蓮「何よそれっ!?じゃあこのカラクリ雪蓮は!? 」
雪蓮がカラクリ雪蓮の方を見ると
ガポッ!!
カラクリ雪蓮が自分から首を外し
一刀「俺ですよ 」
バンッ!!
一刀の頭が現れた。
そう、カラクリ雪蓮の正体は一刀だったのだ。
雪蓮「何でこんなことするのよ!!♯ 」
騙されて怒る雪蓮
冥琳「仕事をしないお前が悪い!実は昨日の夜、お前の様子を見に行ったら 」
昨日の夜
冥琳「雪蓮は仕事をしているだろうか? 」
スッ!
冥琳が政務室に耳を当てると
雪蓮「人形が私の代わりをしてくれたらいいのに 」
という声が聞こえ
冥琳「なるほどな 」
そして雪蓮が眠った直後
スッ!
部屋からカラクリ雪蓮と仕事を盗みだし
ポイポイッ!!
カラクリ雪蓮の中身の歯車等を取り外すと
冥琳「では北郷、頼んだぞ! 」
一刀「御意! 」
カチャチャッ!
一刀がカラクリ雪蓮の中に入り
冥琳「他のものは手分けして仕事を終わらせるのだ! 」
全員『了解! 』
パパパッ!!
その後、全員で仕事を終わらせ
次の日の朝
冥琳「では蓮華様、雪蓮を向かわせたら部屋で休んでいて構いませんので 」
蓮華「わかったわ 」
スッ!
そして雪蓮が出るタイミングに合わせて蓮華を向かわせたのだった。
シャオ「お姉ちゃんったら見事に引っ掛かるんだもん♪ 」
思春「しかし、まさか雪蓮様の泣きべそが見られるなんてな!? 」
みんなが雪蓮をからかうと
冥琳「まぁ、これに懲りて少しは真面目に… 」
と冥琳が続けて言おうとしたその時!
雪蓮「そっちがそうなら…こっちはこうするんだもん! 」
シュッ! パシッ!
祭「なっ!? 」
雪蓮は油断した祭から酒を奪うと
雪蓮「一刀〜、私になりきるならお酒飲まなくちゃね〜♪ 」
とくとくーっ!!
一刀「がぼぼっ!? 」
一刀の鼻を押さえて酒を口に注ぐ雪蓮
こうなると酒を飲まねば一刀は呼吸できない
だが一刀は酒を飲むと
一刀「うひょ〜っ!女体の宝石箱やないか〜♪/// 」
酔っぱらって蓮華以外の女の服を脱がす変態と化するのだ!
冥琳「いかん!?みんな、散り散りに逃げるんだ!? 」
冥琳はみんなに逃げるように言うが
雪蓮「甘いわよ冥琳! 」
ぐいっ!!
雪蓮は吊り下げられている紐を引っ張った瞬間!
ガタンッ!!
祭「なっ!? 」
穏「これじゃあ出られないです〜!? 」
亞莎「いつの間にこんな仕掛けを!? 」
扉に鉄格子が降りてきて冥琳達を出られなくした!
雪蓮「それじゃあ、またね♪ 」
シュッ!
冥琳「こら!待たんか!!♯ 」
そして雪蓮が窓から脱出した直後
一刀「裸祭りの始まりじゃ〜っ♪/// 」
全員『ぎゃーっ!?/// 』
変態と化した一刀に服を剥ぎ取られまくる冥琳達
この騒動は様子を見に来た蓮華が一刀を止めるまで続いたという
そして雪蓮はというと
雪蓮「フフッ!人を呪わば穴二つ(他人に害を与えれば自分に害がやってくること)ってね♪さぁてと、確か今日も新作の飲酒会やってるはずだし、レッツゴー! 」
その後、城に帰ってきた雪蓮はみんなから罰として一ヶ月の禁酒と今回たまった以上の仕事を命じられたという