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拠点 二人の雪蓮・前編

ある日のこと


呉の城・政務室


雪蓮「ねぇ冥琳 」


冥琳「何だ雪蓮? 」


雪蓮「私って王の座を蓮華に譲ったわよね 」


冥琳「そうだが、それがどうした? 」


雪蓮「だったらねぇ… 」


雪蓮「何でこんなに仕事があるのよーっ!! 」


ずらんっ!!


雪蓮が指をさした先には大量の仕事が山積みになっていた。


それに対して冥琳は


冥琳「『何でこんなに仕事があるのよ』だと?わかっていて聞いているのか?♯ 」


雪蓮「ううん、わかんない 」


ブチンッ!!♯


この雪蓮の言葉に冥琳がキレてしまい


冥琳「お前が仕事もせずに毎日街で飲みまくっているからだろうがーっ!!♯ 」


ぐりぐりーっ!!


雪蓮「いたたーっ!?いま思い出しました〜っ!? 」


冥琳にお仕置きとしてぐりぐり攻撃をうける雪蓮であった。


冥琳「まったくもうっ!!今日という今日は許さん!!その仕事を全て終えるまで部屋から1歩も出るな!!♯ 」


雪蓮「えーっ!?トイレはどうするのよ!?まさか漏らせっていうの!? 」


雪蓮が文句を言うと


スッ!


冥琳「こいつで用を足せ!私はちょっと出掛けるが部屋の前に穏と亞莎を待機させておくから逃げ出せると思うなよ!!♯ 」


バタンッ!!


アヒルのおまるを置いて冥琳は部屋から出ていった!


雪蓮「そんな〜!? 」


それから五分後


雪蓮「これがこうなって… 」


仕方なく仕事をする雪蓮だが


雪蓮「もう飽きちゃった! 」


ポイッ!


五分で仕事を飽きる雪蓮


雪蓮「見張りに穏と亞莎がいるらしいけど私なら突破できる!鬼の居ぬ間に洗濯(※)よ♪ 」


※怖い人がいない間に息抜きすること


そ〜っ… ガチャッ…


そして雪蓮が扉に手を触れて開けようとすると


ジャキンッ!!


雪蓮「ひいっ!? 」


雪蓮の目の前に刃物が現れた!


よく見てみると


亞莎「雪蓮様、どこにいくんですか? 」


ギロリッ!!


得物の手甲『人解』を持ち、目付きを鋭くして雪蓮を睨む亞莎と(実際は目が悪いため上目にしているだけ)


穏「冥琳様からのご命令でここから1歩たりとも出させませんからね〜♪ 」


ヒュンヒュンッ!!


得物の九節棍『紫炎』を振り回しまくる穏


雪蓮「うぅっ…!? 」


いくら雪蓮でも丸腰では勝てないため


バタンッ!!


部屋の中に戻る雪蓮であった。


雪蓮「(ここは一階だから窓から飛び降りることもできるけど私がいないと騒がれるし、ここは大人しく仕事を…) 」


と思う雪蓮だが


雪蓮「(な〜んちゃって♪今日は酒場で新作の飲酒会があるんだから必ずいくんだもん♪) 」


読者の皆さんも知っての通り、雪蓮が脱走を諦めるはずがなかった。


雪蓮「(こういう時のために作らせたものが役に立つ時がやって来たわ♪) 」


ガチャッ!!


そして雪蓮はタンスからあるものを取り出すのだった。


それから五分後


亞莎「穏様、雪蓮様は全く出ませんけど諦めたんでしょうか? 」


穏「まさか〜、あの雪蓮様が脱走を諦めるはずがありませんよ〜 」


政務室の前にいる二人がそんな会話をしていると


ガタンッ!!


いきなり政務室から音が聞こえてきた!


穏「やっぱり脱走したんですね! 」


バタンッ!!


穏が扉を開けてみるとそこにいたのは!


雪蓮「・・・ 」


穏「あれれ?おかしいですねぇ 」


バンッ!!


雪蓮が机に座っていたのだ!


亞莎「確かにさっき音がしたんですけど!? 」


穏「どうやら気のせいのようですねぇ 」


バタンッ!!


そして二人は部屋を出るのであった。


それから一時間後


冥琳「二人共、ご苦労だったな 」


亞莎「あっ!冥琳様 」


用事を終えた冥琳が政務室前にやって来た。


冥琳「雪蓮はどうだ? 」


穏「大丈夫ですよ、今だって机に座ったままですし 」


冥琳「それは珍しいな 」


ガチャッ!!


部屋に入る冥琳


冥琳「お前にしては珍しく脱走しなかったようだな、これからは真面目に… 」


ポンッ!


そして冥琳が雪蓮の肩を叩くと


ぽとんっ!!


穏・亞莎『うわーっ!? 』


何と!?雪蓮の首が落ちたのだった!


亞莎「あわわ!? 」


穏「まさか雪蓮様は仕事をするのが嫌で自殺を!? 」


驚きまくる二人だが


冥琳「二人共!落ち着いてこいつをよく見てみろ! 」


ずいっ!!


穏・亞莎『ひぃっ!? 』


冥琳から雪蓮の生首を突きつけられる二人!


だが首をよく見てみると


穏「こ…これは!? 」


亞莎「に…人形!? 」


何と!?人形であった。


冥琳「雪蓮の奴め、いつの間にこんなものを!!穏、亞莎!♯ 」


穏・亞莎『は…はいっ!? 』


冥琳「今すぐ北郷、思春、明命に雪蓮を連れてくるよう伝えておけ!!♯ 」


穏「りょ…了解です〜!? 」


亞莎「穏様、待ってください!? 」


ダダッ!!


二人は慌てて政務室から出ていった。


冥琳「戻ってきたらどんなお仕置きをしてやろうか、待ってろよ雪蓮!♯ 」


それから少しして


とある酒屋


一刀「この店で新作の飲酒会が行われるそうだな 」


明命「雪蓮様がまず間違いなくいきそうな店ですね 」


店の前に到着した一刀達


思春「よし!私が中の様子を見てくるから明命は裏口で待機!北郷はもし逃げられた時のために先回りを頼む! 」


一刀「御意! 」


明命「了解しましたです! 」


二人に指示をした後、店の中に入る思春


ガヤガヤッ!!


思春「(案外込み合っているようだな、こんな場所では見つけるのは…) 」


『難しい』と思春が続けようとしたその時!


雪蓮「一番・孫策伯符!(たる)飲みしまーす♪/// 」


グビグビッ!!


雪蓮「ぷはーっ!!/// 」


大きな樽に入った酒を一気飲みする雪蓮を発見し


思春「(簡単だったようだな!?) 」


と思い直す思春であった。


雪蓮「ぷはーっ!!もう一樽頂戴♪/// 」


雪蓮が酒を追加注文しようとすると


思春「雪蓮様、もう飲酒は終わりです 」


スッ!


後ろから思春が現れ


雪蓮「あら思春じゃないの、あなたも一杯どう?/// 」


思春「私は結構です 」


雪蓮「あらそう、なら私が飲むもん♪/// 」


グビグビッ!!


そして雪蓮がジョッキに入った酒を飲んでいると


思春「冥琳様がお怒りです 」


と思春が言った瞬間


ブーーーッ!!


雪蓮「ば…バレちゃったの!? 」


驚いて酒を噴き出し、酔いが覚めた雪蓮


思春「すでにバレております。今すぐ戻れば長い説教だけで済むよう私が口添えしますのでお戻りを… 」


雪蓮「わかったわよ、そろそろ… 」


案外素直に従うかと思ったら


雪蓮「逃げなくちゃねーっ!! 」


ビュンッ!!


思春「しまった!? 」


油断した思春から逃げた雪蓮は裏口に向かう!


バタンッ!!


思春「(かかった!) 」


裏口には明命がスタンバイしているため捕まえることができると思っていたが


雪蓮「さよなら〜♪ 」


思春「なっ!? 」


何故か明命が現れず、雪蓮は裏口から逃げてしまった!


思春「おい明命!何をしている! 」


急いで裏口に来た思春が明命の方を見ると


にゃ〜ん♪


明命「はう〜お猫様〜♪ 」


明命が猫と戯れていた(たわむれていた)。


※店の裏口や路地裏には猫が集まりやすいのだ。


思春「ちぃっ!? 」


ダッ!


明命はとりあえず置いといて雪蓮を追う思春


雪蓮「フフッ!いくら思春の足が早いからって路地裏は私の庭のようなものなのよ♪ 」


タタターッ!!


思春「くそっ!? 」


思春が雪蓮に追い付けないでいると


一刀「そこまでだ雪蓮! 」


バッ!


雪蓮「なっ!? 」


思春「今度こそかかった! 」


一刀が雪蓮の進む先に立ちはだかったのだが


雪蓮「フフッ!一刀を私の前に置いたのはあなたの間違いのようね思春! 」


思春「なんですと!? 」


すると雪蓮は


雪蓮「一刀!私を見なさい! 」


一刀「えっ? 」


一刀の視線を自分に向けさせると


ぬぎっ!! ぷるんっ♪


自分からおっぱいを一刀に見せた!


その瞬間!


一刀「(ブバーーッ!!) 」


バタンッ!!


雪蓮「一刀のその癖を治さなくてよかったわ♪ 」


思春「あなたは痴女ですか!! 」


一刀に鼻血を出させて倒させ、その隙に逃げ出す雪蓮に思わず突っ込む思春


雪蓮「さて、明日までどこかの民家にでも… 」


服を直した雪蓮が隠れ場所を探そうとしたその時!


ヒュンッ!! ザクッ!!


雪蓮「えっ!? 」


雪蓮の目の前に矢が突き刺さった。


慌てた雪蓮が矢が放たれた方を見てみると


祭「策殿、まだまだじゃのう 」


バンッ!!


そこには祭がいた!


雪蓮「祭!?どうしてここに!? 」


祭「儂は策殿が小さい時から呉に仕えておったのじゃぞ、策殿の向かう方向くらいわかるわい! 」


ガシッ!!


そして雪蓮は祭に捕まってしまった!


祭「観念して冥琳からたっぷり説教を食らうのじゃな♪ 」


雪蓮「ちょっと祭!あなただって私のように酒があるなら仕事を捨てる人間でしょ!それが何で冥琳の味方するのよ!? 」


雪蓮が理由を聞いてみると


祭「確かに儂だって仕事より酒を優先する!じゃが、策殿を捕らえたら酒を飲ませてくれると冥琳に言われてのう♪ 」


雪蓮「それって買収じゃないの!! 」


それからしばらくして


冥琳「雪蓮、お前という奴はこんな人形まで用意するなんて!!♯ 」


雪蓮「反省してます!? 」


連れ戻された雪蓮は冥琳から説教を受けていた。


冥琳「だいたいこんな人形をどこで手に入れたんだ! 」


雪蓮「あっ、それは魏で有名な技術者に頼んで… 」


冥琳「馬鹿者ーっ!!♯ 」


ちなみにその技術者とは真桜のことである。


冥琳「お前には罰としてこの蜀で密かに流行っているお仕置き道具でお仕置きした方が良さそうだな♯ 」


ガチガチッ!!


冥琳は蜀で密かに流行っているお仕置き道具『あられの入れ歯』(殺傷力はないが食らうと歯形が残る。主にお尻に使用)を取り出した。


雪蓮「それだけは嫌〜!?お奉行様、どうかお情けを!? 」


冥琳「誰がお奉行様だ!嫌なら仕事を明日まで終わらせろ!終わらせなかったらお前の酒を全て捨ててやるからな!!♯ 」


雪蓮「明日までなんて無理よ!? 」


冥琳「うるさい!お前が脱走しなければ今日中に終わっていたんだぞ!!♯ 」


バタンッ!!


そして冥琳は怒って出ていってしまった。


雪蓮「冥琳の鬼〜!私から酒を取ったら何が残るっていうのよ〜!? 」


文句を言いながらも仕方なく仕事する雪蓮


雪蓮「それにしても、この人形は関節だって動くし、見た目だって近くで見なくちゃ人形だって気づかれないのに冥琳にバレちゃうなんて!?やはり付き合い長いからバレちゃうのかな!? 」


すると


雪蓮「人形が私の代わりをしてくれたらいいのに… 」


そんなことまで言う雪蓮


そして


雪蓮「ZZZ〜… 」


まだ仕事が大量に残っているのに雪蓮は眠ってしまった。


そして次の日


雪蓮「う〜ん…ヤバ!?寝ちゃった!? 」


急いで雪蓮が仕事をしようと仕事に手を伸ばすと


雪蓮「あれっ? 」


パッ!


大量にあったはずの仕事が消えていた。


雪蓮「(冥琳がやってくれた?それとも妖精さん?それはさておき)仕事がないんじゃやらなくてよし!朝御飯食べよっと♪ 」


仕事がないことを喜んで部屋を出る雪蓮


だが雪蓮は部屋からあるものが消えていたことに気づいてなかった。


キィッ!


そして雪蓮が部屋から出ると


蓮華「ね…姉様!? 」


雪蓮「あっ!おはよう蓮華! 」


偶然蓮華と出会ったのだが


蓮華「どうして姉様が部屋から出てきたんですか?さっきまで食堂にいたじゃないですか!? 」


雪蓮「えっ? 」


蓮華の言葉に?を浮かばせる雪蓮であった。


果たして、蓮華が出会った雪蓮とは!?



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