くの一トリオの子守唄
ここは一刀と同じ新星である葵、玲のいる蜀の国(零奈は新星ではない)
葵「ハッ!ハァッ!! 」
シュシュシュッ!!
カッカッカッ!!
この国の鍛練場で葵が鍛練していると
桃香「葵ちゃ〜ん! 」
タタタッ!
葵の主君である桃香がやって来た。
葵「これは劉備様、私に何か用ですか? 」
葵が用件を聞いてみると
桃香「うん、実は葵ちゃんにお願いがあるんだけど、ちょっといい? 」
葵「(劉備様から呼び出しだなんて一体何だろう?もしかして夜伽の誘い!?///) 」
華琳ならともかく桃香がそれはあり得ない。
葵「この氷堂葵!劉備様の頼みならば例え火の中に入るでも、針の山だって上ってみせます! 」
桃香「そんなのじゃないんだけど!? 」
そんな地獄のようなことを桃香がさせるわけがない。(魏の華琳ならあり得る)
桃香「ともかく引き受けてくれるようだからよかったよ、あのね… 」
葵「はいはいっ! 」
それから少しして
蜀の城・入り口前
バンッ!!
葵の隣には璃々ちゃんが並んでいた。
桃香「ごめんね葵ちゃん、ちょっとみんなで遠くまで視察に行かなくちゃならなくなったんだけど子供の璃々ちゃんを連れていくわけにはいかないし!? 」
鈴々「それで誰が残るか籤引きした結果、葵になったのだ 」
愛紗「桃香様の護衛は我々がするので心配するなよ 」
紫苑「璃々、葵お姉ちゃんのいうことをちゃんと聞くのよ 」
璃々「はぁ〜い♪ 」
桃香「それじゃあ葵ちゃんお願いね!お土産買って帰るからね 」
スッ!
そして桃香達は出ていった。
葵「はぁ…翠とタンポポは競馬場だし、焔耶は桔梗と一緒に鍛練に出掛け、月と詠は護衛に恋とついでについてきたねねと一緒に遠くまで買い物、朱里と雛里は零奈と美以達に町を案内してるし、星は星で行方知れず、玲も出掛けてるし、ホントに誰も残っていないのね!? 」
他国に比べて人数の多い蜀にしては珍しいことであった。
璃々「葵お姉ちゃんどうしたの? 」
だがそれでも主君である桃香から頼まれたため
葵「何でもないよ、お姉ちゃんと遊ぼっか♪ 」
璃々「うんっ♪ 」
璃々ちゃんと遊ぶことにする葵であった。
中庭
葵「それじゃあ璃々ちゃん、何で遊ぼっか?おままごと?それとも鬼ごっこ? 」
璃々「ん〜とね… 」
璃々ちゃんが考えると
璃々「忍術!忍術教えて! 」
葵「えっ!? 」
まさかの言葉に驚く葵だが
葵「あのね璃々ちゃん、璃々ちゃんはまだ子供だし、忍術は早いと思うから他のことを… 」
まだ幼い璃々ちゃんに忍術は危険すぎると思った葵は諦めさせるように言うが
璃々「璃々はもう大人だもん!教えてよ〜! 」
わがままを言う璃々ちゃんに
葵「ダメったらダメって言ってるでしょう!! 」
ビシッ!!
つい厳しく言ってしまう葵
すると
璃々「ふえっ… 」
今にも泣きそうな顔をする璃々ちゃん
葵「(ヤバッ!?ちょっと厳しく言い過ぎちゃった!?璃々ちゃんを泣かすと私が紫苑に泣かされる!?) 」
それだけは避けたいと思った葵は
葵「ほ…ほら璃々ちゃん、こっちを向いて!? 」
璃々「ふえっ… 」
葵は璃々ちゃんの視線を自分に向けると
シュシュッ!!
葵「氷遁・小雪ダルマ! 」
ボンッ!!
手のひらから小さな雪ダルマを出現させ
璃々「うわぁっ♪ 」
何とか泣くのを止めさせた。
葵「(子供って単純だからこれで少しは忍術教えるのを忘れてくれるはず!?) 」
と葵が安心していると
玲「あれっ?葵に璃々じゃねえか、何してるんだ? 」
バンッ!!
帰ってきた玲と遭遇した。
璃々「玲お姉ちゃん! 」
ダッ!
玲「どうしたんだ璃々? 」
璃々ちゃんが葵から離れて玲の方に寄ると
璃々「忍術教えて♪ 」
まだ忍術を教えるのを忘れておらず、玲に葵と同じことを聞く璃々ちゃん
葵「(でもまぁ玲だって教えるはずが…) 」
玲「よしっ!俺でよければ教えてやるよ! 」
葵「!? 」
玲の返答は葵の予想を越えていた。
葵「ちょっと玲!璃々ちゃんに忍術はまだ早いって!? 」
一応注意する葵だが
玲「ケチ臭いこと言うなって、別に減るもんじゃないんだしいいじゃねえか 」
すると
玲「いいか璃々、まずは印を結ぶ! 」
璃々「うんっ! 」
シュシュッ!!
玲は璃々ちゃんの前で印を結ぶと
玲「そしたら拳を上にあげて 」
璃々「うんっ! 」
スッ!
玲の隣に立ち、真似する璃々ちゃん
そして次の瞬間!
玲「そんでもって勢いよく拳を地面に叩きつける!土遁・大振動!! 」
ドッゴォーーンッ!!
そして玲が拳を叩きつけた直後
グラグラッ!!
葵「きゃあっ!? 」
巨大な地震が襲いかかってきた!
更に被害は城だけでなく
蜀の街
男「うわっ!?地震だ!? 」
女「早く机の下に隠れるのよ!? 」
街の方まで被害にあっていた。
そしてその後、
玲「どうだ!わかったか? 」
満足そうな顔をする玲だが
璃々「おてて痛めちゃうからやめとく 」
玲「そうか、なら他に… 」
葵「もうやめなさい!! 」
これ以上の被害を避けるため玲を止める葵
葵「璃々ちゃんはあんたみたいにバカ力じゃないんだからそんなのできるわけないでしょ! 」
玲「誰がバカ力だ!ケチ臭い葵に言われたくねえよ! 」
葵「何ですって!!♯ 」
玲「俺と遣り合おうってのか!!♯ 」
喧嘩をしようとする二人
だがその時!
ぐきゅ〜っ!
璃々「お腹空いた 」
璃々ちゃんのお腹の虫がかわいく鳴いた。
すると
玲「璃々が腹空かせてるようだから一時休戦だ 」
葵「そうね! 」
璃々ちゃんのお腹が鳴ったため喧嘩を一時やめる二人だが
葵「お腹が空いたの?でもおやつなんて用意されてないし… 」
玲「だったら俺の煎餅やるよ! 」
スッ!
懐から煎餅を取り出す玲だが
葵「ちょい待ち!玲の煎餅を璃々ちゃんが食べれるわけないでしょ! 」
何故かというと玲の煎餅は物凄く固いため常人が食べると歯が折れるくらいなのだ。
玲「俺は平気で食えるぜ 」
ガキンッ!!
目の前で煎餅を食べる玲だが
葵「あんたの歯と璃々ちゃんの歯を一緒にしないでよ!! 」
葵に注意されるのだった。
璃々「お腹空いた〜! 」
葵「困ったな!?私の作れるコロッケは材料切らしてるから作れないし 」
他の料理だと璃々ちゃんの命が危ない
二人が困っていると
吹音「ごめんくださーい!白蓮様からの使いで来ましたけど誰かいませんか? 」
スッ!
新星の一人である風切吹音が手に重箱を持って現れた。
吹音「あれっ?皆さんどうしたんですか? 」
しばらくして
璃々「ぱくぱくっ! 」
吹音「璃々ちゃん、美味しいですか? 」
吹音が璃々ちゃんに聞くと
璃々「吹音お姉ちゃん美味しい♪ 」
吹音が持ってきたおはぎを喜んで食べる璃々ちゃん
葵「せっかく持ってきたおはぎを食べちゃってごめんね吹音 」
吹音「いいですよ。また作り直しますから 」
玲「しかしこのおはぎ、誰のとこに持っていくつもりだったんだ? 」
吹音「えっ!? 」
この質問にギクリと感じてしまう吹音
吹音「えぇと、それは…!? 」
葵「白状しなさい! 」
ポンッ!
焦れったいので葵が吹音の手に鉄扇を置くと
吹音(裏)「そりゃもちろん愛しの一刀に決まってるじゃねえか!一刀ってば和菓子が好きだから好感度アップだぜ! 」
葵「なっ!? 」
玲「やはりそういう魂胆かよ!!♯ 」
吹音(裏)「フンッ!!こういうのは早い者勝ちさ!トロいお前らが遅すぎるんだよ! 」
葵・玲『な…(何ですって・何だと)!!♯ 』
吹音(裏)の言葉がきっかけとなり
葵「新星ナンバー2だからって一刀は渡さないわよ! 」
玲「力で俺に勝てると思うんじゃねえ!! 」
吹音(裏)「二人がかりだろうが勝ってやるぜ!! 」
ドタバタッ!!
取っ組み合いの喧嘩をする三人だが
璃々「きゃははっ♪ 」
三人『!? 』
璃々ちゃんの喜ぶ声が聞こえたのでそちらを見てみると
牡丹『ほらベロベロバー! 』
月光「ニャーンッ♪ 」
あられ『ほらほらっ♪ 』
璃々「きゃははっ♪ 」
葵達の相棒であるあられ(犬)、牡丹(猪)、月光(猫)が璃々ちゃんと遊んでいた。
これを見た三人は
葵「私達、何やってたんだろうね 」
玲「まさか相棒にまで手を煩わせる(わずらわせる)なんてな 」
吹音「あんな小さな子をほっといて喧嘩するなんて少し反省が必要ですね 」
自らの行動を反省する三人
そして
葵「それじゃあ仲良く遊びましょう! 」
玲「おうよっ! 」
吹音「はいっ! 」
その後、三人は相棒達と共に璃々ちゃんの遊び相手をした。
それからしばらくして
桃香「葵ちゃんお待たせ! 」
愛紗「城の方で地震があったようだが何かあったのか!? 」
桃香達が帰ってくると
そこには
葵「すぅすぅ… 」
玲「ぐがーぐがー… 」
吹音「すやすや… 」
遊び疲れたのか璃々ちゃんを中心にして三人が並んで寝ていた。
桃香「璃々ちゃんと一緒になって寝ちゃうだなんて♪案外かわいいね♪ 」




