1~第2章 僕たちの明日
前回の続きハ更新してあります^^;
お手間をおかけしてすいませんm(_ _)m
どうぞ御ゆるりと(サッ)
廊下で陸妬と別れた俺は自分の教室のをドアをゆっくり開く。
何人かの目がこちらを向くが、すぐにまた別の人との会話へと顔を戻す。
「おはよう、滝川君」
「あぁ、おはよう」
俺の隣の席のメガネに声をかけられる。
いつもニコニコしていて、気持ち悪いほど頭が良い事を覚えている。
ゆっくりと自分の椅子を手前に引くと崩れ落ちるように腰を下ろす。
「はぁ・・・疲れたな」
ポケットを漁ってノートの切れ端を取り出すと、ゆっくりと開く。
どうせ今日の昼ごはんのメニューが書かれてるんだろう。
一回ノートの切れ端を開いて、あれ?と目をしかめる。
いつもは2つ折りなのに今日は4つ折りだ・・・。
『勇者君へ』
明らかに書いたのが赤パツのグループではない事が一目でわかった。
何より、そこそこきれいに書かれた字から赤パツグループの者の手紙ではないだろう。
それに命令の紙にわざわざあだ名を書くなんてめんどくさい事はあいつ等はしないはずだ。
なら誰だ・・・。俺をあだ名で呼ぶ奴なんて基本的に不良と決まっている。
新しい不良からの物か・・・・。
思わずゴクリと生唾を飲んでしまう。覚悟を決めると慎重に紙を開いていく。
あと少し・・・震える指先を抑えて慎重にあけていく。
「はぁ~い出席取るぞ」
空気を読まず入ってきた担任が俺の最後の一声?を押しとどめさせる。
長い溜息を吐きだすと担任に目をやる。
「うん、全員いるな。よし今日は一つ良いイベントがあるぞ」
イベントって。思わず苦笑しながら次の言葉を待つ。
「な、なんと転校生がうちのクラスに来るのだ!」
ジャジャァーンとでも言いたげに両手を広げる、25歳独身教師の胸が弾むのを横目で見ながら高すぎるテンションにあきれていると、ガラッと前のドアが開くのが聞こえた。
おぉ!!と感嘆の声が上がるのが聞こえるが俺にはそんな事は関係ない。
どうせ新しい人が来ても仲良くなど成れないのだから。
机の前で2つ折りで待機していたノートの切れ端をまたゆっくりと開き始める。
「じゃぁ、挨拶でもして貰おうかしら。じゃぁ宜しくね」
ノートの隅の方に小さい字で名前らしきものが書いてあるのが見えた。
えっと・・・紺野 紫水って読むのかこれは?
「私の名前は紺野 紫水です。クラスに滝川君という人が居ると聞いています」
おかしいな・・・この切れ端に書いてある名前と一緒の名前が聞こえてきた気がする。
それに俺の名前が呼ばれた気が・・・。
思い切って切れ端をめくり上げる。
そこに書いてあったのは、
目に立つ少女は、
『滝川君、勇者であるあなたのための世界があるの』
一言一句切れ端に書いてある文字と同じ言葉が前から聞こえた気がした。
第2章 僕たちの明日
バッと顔を上げた俺の顔にいくつもの視線が突き刺さった。
いつの間にか目の前に来ていた、転校生 紺野紫水。
銀色とでも言おうか・・・透き通るように白い髪は腰まで伸び、女子にしては少し背が高く顔は人形のように整っている。
思わず見とれてしまう俺に彼女はまたあの言葉をつぶやいた。
「あなたのための世界があるの滝川君」
「・・・へ?」
驚きからか声が余りでない。どうやらその状況に陥っているのは俺だけじゃないみたいだ。
口をパクパクしながらこっちを見ているクラスメイトが見て取れる。
「少し来て」
一言いうと俺の手を取って教室の端にあるドアへと引っ張っていく。
ガラッとドアを開けると、失礼しましたとでも言う様に一礼するとドアを閉めて完全に廊下に出てしまった。
「「「えぇええええ!?」」」
俺が言いたい気分だよ。心の中で突っ込みながらも前で手を引いて歩く少女の姿を見る。
「ちょ、え、えと何か用かな・・・」
「少しで良いから黙ってついて来て」
小さくて柔らかい手とか髪から漂ってくる異様にいい匂いとか、階段を上って左右にフリフリと揺れるスカートなどいろいろな誘惑から自我を守りながら、大人しく少女の後をついていく。
階段を2回分上がったところを見ると屋上か・・・。
そう思うと脂汗がダラダラと垂れる。基本的に屋上には常に不良が溜まっているのだ。
その下っ端?幹部と名乗っているが赤パツと剃り込みもいるのだ。
「な、なぁ屋上に行くなら止めといたほうが良いと思うんだが・・・」
君みたいなかわいい子が行くと何をされるか・・・かと言って俺が守れるわけでもない。
逆にボコられるのがオチだ。
「良いの分かってるから」
何がわかってるのか気になる・・・後ろで脂汗をかいている俺の手をぎゅっと握ると屋上へ通じる最後の階段へ登り切った。
また近いうちに更新します。