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第五話 緊急速報


『……緊急速報です。先ほど、不帰かえらず山周辺を震源とする地震が発生しました。これに伴い、山頂付近の神社周辺では、大規模な地割れが確認されています。また、同時に太平洋沿岸部では、異常な海水温度の上昇が観測され……』


 祈りを捧げる手を止めた男は、臨時ニュースに映る激しい地割れの映像を愛おしそうに見つめた。

「おぉ、いよいよか……ついに……我らの神様が目覚められたぞ。ふふっ……眩しくあの少年を照らし続け、逃げ場を奪うからだ……だからこそ、あの偉大な神様が地を割り、彼を深淵へと招き入れようとしてくださっているのだ……」

「先生、では我々も……」

「いや、待て!まだだ……あの神様は……慎重に……確実に、お出迎えしなければならぬ……」

 社の陰から、慌てて飛び出そうとする手下を男が鋭く睨みつけ、制止するように片手を挙げた。

 すると、立ち上がった影が、その手に持つ黒い包みと何かの枝を供物台に戻し、元いた暗がりに隠れた……。

 

 特殊祭祀法人の一室でも、緊急速報が映し出された。だが、モニターを見つめる榊は、呆然とした様子で一点を見つめていた。

 部屋の中では、数人の島田の部下が通信機をチェックし、忙しそうに端末を叩いている。

 その中の一人が島田に駆け寄り、手にしたシステムログを何度も見返しながら、報告した。

「……おかしいです。ありえないことが起こりました……」

 その声は、困惑を通り越して震えていた。

「この不帰山の崩落も、沿岸の熱異常も……全国結界ネットワークでは、何一つ……今回の予兆を検知できていません。要石システムは今この瞬間も、穏やかな青色を示したままなんです」

 島田が大きなモニターに切り替えると、日本地図の上に示された龍脈が現れた。そして、異常を示すはずの震源地周辺でさえ、正常という青色で点灯していた。

「現地近くからも確認済みですが……これは、センサーの故障ではありません。霊的磁場の乱れも、地磁気の逆流も、現実には起きているはずです。ですが、このシステムだけがそれを誤認している……まるで、乗っ取られて書き換えられたか(ハッキング)のようです……」

 張り詰めた空気の中で、次々と島田に状況報告や通信情報が集まっていく。

 その様子を緊張した面持ちで見つめるだけの零に反して、榊は落ち着いた口調で島田を呼び寄せた。

 


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