収益家になろう
遂に、遂にこのときが来てしまった!
僕のテンションは最高潮。スマホをスクロールする勢いでスマホを地面にぶん投げてしまった。まあいい、気にしない気にしない。なぜなら……
「某小説投稿webサイトが収益化を実装するぞーー!!」
僕は昔から考えていたのだ!
思いつきで小説を書く→毎日続ける→1年間続けるだけで365作品作れる→毎日10人くらいが読む→☆めちゃ儲かる☆
このスキームを構築すれば、僕も大金持ち!小説家じゃなくて大金持て余したニートになってしまえるという訳だ。
では早速やってみようと思い、バキバキになったスマホを操作しながら収益化に向けた手続きを行った。最初はここだけはかなりめんどくさいだろうと思っていたが、思いの外簡単だった。ちなみに、規定規約の類いは2秒で全て読んだ。まるで流れ星みたいだった。
登録手続きも済み、さあ後は作品を投稿し収益化設定をかけるだけというところで大きな問題にぶち当たった。
(ネ…ネタが…ない…??)
ダメだ、ダメだダメだダメだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
タイトルとかは適当に、「転生したら50cc原付だった件」とか、「新聞紙、下から読んでも新聞紙」とかにしようと思ってたけど、そんなんじゃ恥を晒すだけになってしまう。今流行りの生成AIなんて使ったらどうなるだろうか、コメント欄はたちまち「へっへぇ!chatG◯T乙ぅwww」見たいなコメントで溢れかえるに違いない。
しかし、何もしないのではただスマホぶっ壊した頭ぶっ壊れ野郎の妄想で終わってしまう。何か、何かいい方法は無いのか!僕は考えに考え抜いた。そして……
次の日
「よし!張り切って書いてくぞー!」
chatG◯Tなんかに頼ってはいけない。適当に作ったって誰も読んでくれない。僕は目が覚めた、小説は甘く無いと。そう、「小説」は。
「命令文は、う〜ん…そうだ!バイトテロが校長に見つかった高校生とかにしよう!」
僕は目が覚めた。別に生成AIなんて他社のものがいくらでもあるじゃないか、と。そして、文章じゃなくて動画生成AIを使っちゃえばいいじゃないか、と。
動画のコメント欄には、「生成AI乙ww」「運営さんBANはよ」といったコメントで溢れ返った。まあいいさ、気にしなきゃいいだけだよ。アンチなんか気にせず毎日動画を作らせて、1年経てば365本動画ができて………
僕は明日も、明後日も、多分再来年とかになってもお金持ちになれる「最強のスキーム」を追い求め続けるだろう。必ず成功するという強い信念(笑)のもとに!




