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異世界を恐怖で支配する魔王の力は全部特撮なのにこの世界の人たちは私の言葉を信じてくれません! ~総天然色異世界~  作者: 猫長明
第1章:異世界を恐怖で支配する魔王の力は全部特撮なのにこの世界の人たちは私の言葉を信じてくれません!

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3/28

第3話:爆炎を浴びて!KNO₃

この物語はフィクションですが、

登場する人物・団体・名称等は、

実在のものが意識されています。


本作品は特撮作品及びその関係者を批判するものでなく

全ての特撮作品へのリスペクトを持って執筆しています。

この場を借りて情熱をもって素晴らしい特撮作品を

作られたすべての方々へ謝辞申し上げます。

 地球における火薬は中国の四大発明の1つであり、

 実用的な黒色火薬の製法が記録された最古の資料は

 西暦1044年のもの。発明は800年頃と言われる。

 ヨーロッパへの伝播は1300年頃で、

 爆弾が開発されたのは1400年頃だ。


 仮にこの世界を技術水準から1100年頃とするなら、

 火薬はまだ広まっていないと見て当然。しかし。


(『爆発』という言葉がないのは、おかしいな)


 ともあれ火薬が発見されておらず、

 かつ、人糞を肥料に使うという概念もないとなれば

 当然ながら黒色火薬の原料となる硫黄と硝石も

 まだ能動的な採掘が行われていないということ。


 硫黄についてはわかりやすい。

 火山を探せばいいしだけだ。


 しかし硝石は探すのが素人では難しい。

 そもそも今居るこの地域は比較的温暖湿潤気で

 雨も多く、地中に硝石が生成されにくい環境だ。


 火薬はもちろん、硫黄も硝石も、

 町の市場では見当たらなかった。

 つまりリンネは爆薬を作るため、

 硫黄と硝石、特に、硝石の方を『作る』必要があった。


「で、なんでおしっこが必要なんや?」

「……おしっこから、硝酸カリウム(KNO₃)を作るんです」


 イサムはその「ショウサンカリウム」の

 意味がわからなかった。


 だがリンネが稀にこうして

 わけのわからないことを言いだし、

 それが何故か正しいということは

 既に何度も経験していた。


 そもそも野菜を育てるため

 畑にうんちを撒き始めた時点でドン引きだった。

 それを踏まえて考えれば、

 今更おしっこくらいどうということはない。


「で、そのションサンなんとかってのがあれば

 ドンって炎の魔法ができるんか?」

「ほぼ出来たと言ってもいいです。

 ただ、他にも必要なものがあります。

 それで、聞きたいことがあるんですが……」

「なんや?」


「火山って知ってますか?

 もしくは温泉」

「知らん」


 予想通りの回答にリンネはため息をつく。

 そう、予想通りだった。

 何故ならこの世界に、

 爆発という概念が存在しなかったから。


 火薬がなければ爆発は起こせない。

 では、火薬の発明以前に自然界で

 爆発現象は起きていなかったのか?


 おそらくその答えは、NOだ。

 人類が最初に見た爆発、

 それはおそらく、火山の爆発だったはずだ。


 火山は地球上に点在しており、

 そこで生成される硫黄は生物に必要な

 必要元素であると同時に、

 硝石と共に黒色火薬を生成する重要な物質だ。


 しかしここは異世界。

 植物や生物の植生が地球とはまるで違う。

 火山そのものが存在しない可能性は

 十分考えられた。


 そもそもこの世界が

 『星』であるという前提すら怪しい。

 平らなこの地面の下に巨大な亀や象がいても

 ()()()()()()として受け取るしかないのだ。


「そのカザンとかオンセンがないと

 カヤクは作れんのか?」

「……いや、問題ない。他にも方法はある。

 硝酸カリウムさえ大量に手に入れば、

 爆薬を作る方法はいろいろある!」


 使いやすさには問題が出るけどね、と、

 リンネは心の中で呟いた。


 だが、逆にそれはリンネにとって好都合だった。

 何故ならば。


(私の知る地球の歴史は戦争の歴史。

 その戦争において、火薬の発明は

 極めて大きなウェイトを占めていた。

 特にノーベル賞の由来となるダイナマイト。

 できれば私はそういうものを、

 作ってしまいたくない……)


 しかし、ここで作る火薬が

 極めて使い勝手の悪いものなら。

 それこそ特撮の爆発にしか使えないような

 用途が限定すぎるものなら。

 そしてさらに、もしもその粉が……


「まぁええわ。で、おしっこがあれば

 そのションベンカリカリはすぐ作れるんか?」

「硝酸カリウムね。

 うん、作るのはとっても簡単」

「そっか。ならわりとすぐに

 町の人らの誤解を解……」




「5年くらいかかるけどね!」

「…………」




 イサムはまたしてもリンネを

 かわいそうな目で見た。


(おそらく誤解なんやが、

 本当に可哀想な姉ちゃんやな。

 センちゃん……あんたが変態っつー誤解が

 解けるんは解けるにしても5年後や。

 多分もう、嫁の貰い手がないで)




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼




 硝酸カリウムの作り方。


 まず、囲炉裏などの直上で火を使う場所の土を

 すり鉢状に穴を掘る。


 ここに土と藁と枯れ草と様々な動物のうんちを

 交互の層になるように積み重ねた後、

 その上に大量のおしっこをかける。


 これを年1回でかき混ぜつつ5年間発酵させる。

 すると火で温められた土の下、

 微生物が尿素をアンモニアへ、アンモニアを亜硝酸へ、

 亜硝酸を硝酸に変化させ、最終的に塩硝土となる。


 これを灰といっしょに煮ることで

 最終的に火薬の原料、硝酸カリウムになるのだ。


「やってることがド変態か、

 子供のいたずらなんだよなぁ……」

「だがセルルの奇行は、

 今日まで常に正しかった」

「私らはこの子を信じて見守るだけだよ」


 イサムの両親はここに至って

 すっかりリンネを信頼していた。


 2人にとってのリンネは、

 イサムの姉にあたる2人目の娘のような

 印象すら抱く存在となっていた。


 こうして一農家からすれば

 信じられないほどの野菜を生産しつつ。




 3ヶ月が、過ぎた。




「今週もすごい量の野菜ができおったなぁ」

「なんかもう交換できるものがなくなったし、

 商人さん達との顔なじみになっちゃって

 商家でもないのにお金受け取っちゃったね」


 イサムの家は目に見えて豊かになっていた。

 先日はついに家を大理石で立て直し、

 なんと窓にはガラスが嵌まっているのだ。


「お父さんお母さん、ただいまー!」

「おかえりセルル!」

「センねぇおかえり! ご飯できてるよ!」


 リンネもすっかり4人目の家族だ。

 もはやこのままタイトルを忘れ

 第二の家族の元での異世界農家生活で

 ハッピーエンドを迎えそうな勢いだ。


「さて。そろそろ土をかき混ぜてみようかな」

「うん?」


 腕まくりをして火の元に向かうリンネに

 イサムは首をかしげた。


「なぁ、センちゃん。

 出来上がりは5年後、

 土をかき混ぜるのは1年置きじゃないんか?

 わいは出来るもんなら

 あのうんことおしっこの穴を開いて

 かき回したくないで」

「うん。その予定だったんだけど……

 少し、確かめたいことがあってね」


 こうして顔を歪めるイサムの前で

 穴を塞いでいた蓋が開かれるのだが……


「ん、臭くない?」

「やっぱり、発酵のペースが速い……!」


 その発酵の速度は通常の5倍かそれ以上。

 これを『やっぱり』と言うからには

 それだけの理由があった。


 畑の野菜が育つ速度だ。


(どういうことだかさっぱりわからないけど、

 うちの畑は野菜が育つ速度がおかしい……

 最初はそういうものだと思っていたけど、

 よその畑より明らかに速い。

 だからこんな町から離れた不便な場所で

 暮らしているんだけど……)


 先日完成したばかりの豪邸をちらりと見て。


(その理由はさっぱりわからない。

 科学とかそういうものを超越していて、

 何かしらの魔法がかかっているとしか思えない。

 あの甘い水の森が多分関係してると思うんだけど)


 今度は豪邸の奥の森をちらりと見て。


(とにかく、ここの土は野菜の育ちが速い。

 なら、発酵の時間も短くなるかもしれない。

 その予想は、正しかった!)




 こうしてさらに3ヶ月後。




「出来たぁ!」


 火薬の原料となる硝酸カリウムが

 完成したのだった。




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼




 完成した硝酸カリウム。

 ここに鉄粉など様々なものを混ぜ、

 別々の方法で作り出された何種類もの火薬。


 そしてこのそれぞれに導火線をつけ、

 順番に火をつけてみるわけだが……


「……全然ドンって火が出ないで」

「あっ! 近寄らないで!

 失敗は失敗だと思うけど、危ないから!」


 いくつかは完全な失敗作だったが。


「お、バスッ! って音がしたな」

「うーん、でも爆発って感じじゃないね。

 失敗失敗」


 数個はまだ火薬もどきにはなっており。

 そして。


「今度はどうだろうなぁ……?」

「もしかしたら今度こそだから、

 しっかり背を伏せといてねイサム……」


 ごくりと息を呑む2人の前で、

 轟音と同時に岩が砕け散る。


「うおぉぉぉおおっ!?」

「きたぁぁぁぁぁああああ!!」


 こうして完成したスラリー火薬だが、

 特撮でお馴染みのオレンジ色の炎の爆炎には

 もうひと手間が必要となる。


 必要なものはガソリン。

 だが、当然ながらこの異世界では

 ガソリンは手に入らない。


 しかし、ガソリンに近いものは手に入る。




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼




「じゃぁあるだけ売って貰えますか?」

「お、おう……」


 笑顔のリンネに対し、商人は複雑な顔だった。

 それもそのはず、彼女が買おうとしているものは

 本来なら値段がつかず捨てられるはずの品だからだ。


(おい、本当に売っていいのか?)

(いいんだよ! お前知らんのか?

 あの嬢ちゃんは変態なんだよ!)


 リンネが買おうとしているものは酒。

 といってもただの酒ではない。酒の失敗作だ。


 明らかにダメな匂いがしており、

 どう考えても飲めたものではないワイン。


(おばあちゃんから聞いたことがあった。

 ワインを作る際に下手を打つと、

 エタノールの代わりにメタノールが

 発酵でできてしまうことがあると。

 あとは鉄を触媒にすれば、

 石油もどき、ガソリンもどきが作れるはず!)


 このあたりは高校化学の範囲。

 とはいえ、高校化学の知識と低品質な器具では

 当然ながら燃料に使える石油は作れない。


 が、爆炎を作るためだけなら質は悪くて問題ない!


 しかし、質の悪さはこの場合、危険度に繋がる。

 扱いを誤れば大怪我では済まない。


 故に材料が揃った時点で喜び勇んで

 行動とはならない。ここからは地道な練習だ。


 こうしてさらに1ヶ月。

 いよいよ町の近くでの、

 実演の日がやってくる。




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼




「なぁ、あの変な格好の姉ちゃんさ……」

「しっ! 見ちゃダメよ変態なんだから!」


 誤解は解かれないどころか

 半年を経て噂に尾ヒレがつく形で

 こちらも発酵してしまっていたのだが、

 それでも興味本位か、大勢の人が集まった。


「さぁさぁみなさん!

 お集まりいただきありがとうございます!」


 好奇の目も気にせず、

 リンネは一同の前に立つ。


「これから私がお見せするのは

 みなさんが魔王軍だけが使える魔法と信じる

 ドンッと炎が広がる技、大爆発です!

 しかしこの爆発、決して魔法ではありません!

 種も仕掛けもある手品のようなもの!

 このショーがうまくいきましたなら、

 もう一度魔王軍についての私の話を聞いて下さい!

 彼らが使うのは特撮! すべてが嘘なのです!」


 ざわざわと騒ぐ群衆。

 その前の地面には線が引かれている。


「おい嬢ちゃん!

 遠すぎてよく見えないぞ!」

「あれはなんだ? 人か?」

「いや、人形みたいだな……かかしか?」

「危ないから絶対その線を越えないでくださーい!」


 と、人々から離れるリンネ。

 距離は50mといったところだろうか。

 そのさらに10mほど奥には謎のカカシが立っていた。


 リンネは武器商人から購入した鉄の剣を抜く。

 今日まで表面をピカピカに磨いたそれは

 太陽の光をまぶしく反射している。


「では……参ります!」


 背を向けてカカシに走り出すリンネ。

 その表情は人々から死角になっているが、

 それはそれとして全力で表情を作る。


(私は許しません。特撮の技を、

 世界を支配するために使う魔王を。

 嘘で人を不幸にする人たちを、

 絶対に……絶対に、許さない!!)


 その思いのままに、叫ぶ。


「うぉぉおぉぉぉぉおおお!!

 魔王めっ! ゆ゛る゛さ゛ん゛っ゛!!」


 剣を構え、叫ぶ!


()()()()()()()()()()()()()()!!」


挿絵(By みてみん)


 人々は息を呑みつつ、その心を1つにする。


(リボルゲインって、なんだ?)


 そんな疑問も無視してカカシに

 剣を突き刺すリンネ。

 刺すと同時にカカシに仕込まれた

 キラキラしたビーズが飛び出した。


「あれ、ただのカカシだよな?」

「血が吹き出してるじゃない……」

「魔物の傷ってあんな感じなのか?」


 背中を向けたまま、人からは見えないように

 ぐりぐりと剣を突き立てると同時にカカシを揺らし

 仕込んでいたビーズがすべて出たことを確認。

 ここで目線でさらに遥か前方のイサムに

 合図を送ってから。


「ふっ……!」


 用意していた枝を張って作った

 トランポリンで、空中に飛び上がり。


挿絵(By みてみん)


 空中でくるりと一回転してから。


挿絵(By みてみん)


 着地。


挿絵(By みてみん)


 そして改めて剣を上段に構えて。


挿絵(By みてみん)


 空を斬った、直後。


挿絵(By みてみん)


 遥か彼方で大爆発が起きた。


挿絵(By みてみん)


 このスペクタクルショーを前に

 観客たちの心はだいたい1つになる。


(すごい爆発だ……!)

(あれが大爆発か……!)

(爆発は人間にも起こせるんだ……!)

(爆発かっけぇ……!)

(なんか最後ちょっと右に動いた……!)

(あれが特撮の大爆発……!)

(魔王軍の爆発は作り物だったんだ……!)


 しばらくは唖然としていた一同だったが、

 やがて。


 ……ぱちぱち


 ぱちぱちぱちぱちぱちぱち!!


 わぁぁぁぁあああぁああああ!!


 大歓声が、爆発した。


(よしっ……今です!

 お父さん! お母さん!)


 軽く頷いて合図を送ると同時に、

 イサムの両親が群衆の前に出る。


「みなさん見てください!

 あの爆発の正体は、この魔法の粉です!」

「驚くと思うが、これは人間のおしっこから

 作ったものなんだよ」


 大爆発の恐ろしさと、材料がおしっこと聞き、

 人々は思わず2人から距離を取る。


「ははは、大丈夫さ。

 この粉が爆発を起こすには、

 とあるひと手間を加えなければいけない」

「そしてそのひと手間はわりと大変で、

 かつ、その爆発はご覧の通りだ。

 扱いも大変で、下手すると突然ドン、だ。

 とても人の手には余るものだよ」


 確かにあれだけ大きな爆発だ。

 使い道は戦争くらいしかないだろう。

 しかしその手間が大変で、扱いも難しいとなれば

 戦争ですら使うのは難しいだろう。


(それでも……)


 それでもうまく使えば、武器になる。

 あの火の魔法が使えれば魔王軍のように

 周辺の国々を支配できるかもしれない。


 そう考える人が出て当然だ。

 だがしかし。


「ところがこの粉!

 実はそのままで物凄い効果があるんだ!」

「これを畑に撒いてみな!

 野菜が物凄く育つんだよ!」

「なっ……! なんだってぇぇ!?」


 そう。()()()()()()()()便()()()()()()()()()

 わざわざ手間を掛けてまで

 戦争で使おうという考えが、抑制される!


「うちの家がすごい量の野菜を作っていた秘密、

 その半分がこの粉だったのさ!」

「さぁ! 買った買った!

 この粉が欲しい人はいないか!?

 あまり量はない! すぐなくなっちまうよ!

 商人様は契約を結んでくれれば

 粉の作り方を教えるよ!」

「っ……!!」


 ごくりと息を飲む音の後で。


「買ったぁぁぁぁあああああ!!」


 もみくちゃになる両親。

 こうしてこの町の人々は、

 魔王軍の魔法が嘘だと気付き、

 硝石の生成方法を学び、

 作物の生産量を増大させ、

 そして、すぐに戦争の武器にしようとまでは

 考えることがなかったのだった。


 そんな熱狂の中にあって、

 人々はまた、別のことも考えていた。

 それは……


「嬢ちゃん!」

「……!!」


「特撮って……カッコイイな!!」

「……はいっ!!」


挿絵(By みてみん)




▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼




「本当に行ってしまうのか?」

「せっちゃん、私達は本当に、

 あなたのことを……」


 涙ぐむ両親の前でリンネは申し訳無さそうに

 地面を見て、首を振った。


「ごめんなさい。

 私、魔王軍が絶対に許せないんです。

 まだ私はこの町の人たちを

 魔王軍の恐怖から解放しただけ。

 きっと私は、この世界の嘘を暴き、

 特撮の本当に素晴らしさを伝えるため、

 この世界に来たんだと思います」


 当初リンネの話が信じられなかった2人。

 だが、今ここに至ってはその話を

 完全に信じることができていた。


(あぁ、そうだ。間違いない)

(この子はきっと、そのために……)


 2人は涙を拭い、前を向いて。


「行ってきなさい! セルル!」

「短い間だったけど、あなたは本当に

 私達の娘だったわ!」


 その言葉に、決して泣くまいと決意していたはずの

 リンネからも涙が流れる。そして。


「行ってきます!

 この世界のお父さん! お母さん!」


 こうしてリンネは一人、

 魔王を倒すため、もとい。

 魔王を倒す必要などないと気付かせるため、

 長い長い旅に出るのだった……が。


(地図が、嘘っぽい……!)


 すぐに気付く事実。

 まともな測量方法の確立していない世界の地図は

 極めて適当なものなのだ!


「だから言わんこっちゃない。

 ほら、センねぇ。道はこっちやで」

「あ! ありがとうイサム!

 ……え? えええええええっ!?」


「なんや大きな声出してからに」

「な、な、なんでイサムがここに!?」


 驚くリンネを前にイサムは

 わざとらしいため息をついて。


「センねぇは鈍臭いし、

 知らん人が見たら変態にしか見えんのや」

「うっ……!」


「だから、わいがついてったる。

 わいがセンねぇの旅を

 バッチリサポートしたるで!」

「で、でも、お父さんとお母さんは……」


「ええねんええねん。今や2人は大金持ちや。

 そのうちわいのことなんて忘れて

 弟か妹をこさえはじめるわ! わはは!」

「こ、こさえるって……」


 しかしそうは言っても

 旅の仲間が一人でも居るのは心強い。

 リンネは頭の中でこの世界の両親に謝ってから、

 イサムに右手を差し出して。


「うん、じゃぁ……

 これからよろしくね! イサム!」

「おう! よろしくな! センねぇ!」


 2人の旅は、こうして始まった。

この物語は第一章最終話まで書き上げたものを

予約投稿して公開してるの。

毎日22時20分更新で全18話、

第一章最終話は11月4日になるわ。

文字数は約10万文字で、普通のラノベ1本分くらいね。




気に入った方は前作もよろしく。


★異世界で国鉄分割民営化を回避するため走る

 鉄オタエルフの奮闘記。


異世界で森を切り開き鉄道敷いて魔王を倒したエルフの後日譚

「ファン・ライン」~異世界鉄道物語~

https://ncode.syosetu.com/n8087ko/

【Nコード:N8087KO】

挿絵(By みてみん)




★全員クズの勇者パーティの中に

 裏切りものが1人いる(※1人しかいない)とわかり

 全員が暗躍しはじめる話。


このパーティの中に1人、魔王の手先がいる!

https://ncode.syosetu.com/n7991lc/

【Nコード:N7991LC】

挿絵(By みてみん)

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