告白ー1分で読める1分小説ー
「私、彼氏と別れたんだ……」
喫茶店でノゾミが寂しそうにいうと、タクミはドキリとした。
タクミはずっとノゾミが好きだったが、彼女には彼氏がいた。だからその気持ちを必死に抑えていた。
「去年おじいちゃんが亡くなって、おばあちゃん一人になったでしょ。おばあちゃんの寂しさが、彼と別れてよりわかるようになった……一人って辛いよね……」
タクミが勇気を出して告白した。
「オレ、ずっと前から好きだったんです。付き合ってもらえませんか!」
えっとノゾミが表情を硬くした。まさかという感じだ。
「……でも年上だよ」
たしかにノゾミはタクミよりも年齢が五歳も上だが、そんなことは関係ない。
「かまいません」
「……」
ノゾミは迷っている様子だったが、やがて覚悟を決めたようにいった。
「わかった。じゃあ明日遊園地でデートしましょ。十時に待ち合わせね」
「はい」
告白が成功し、タクミは天にも昇るような気持ちだった。
翌日、タクミはおしゃれをして、遊園地の前で待っていた。もう胸がはちきれそうだ。
「お待たせ」
そういわれてタクミは驚いた。声の主は、ノゾミのおばあちゃんだった。
「おばあちゃん、どうされたんですか?」
「ノゾミから話を聞いたよ。あんたが私と付き合いたいって。年上でもかまわないって。私も独り身が辛くて、新しい夫が欲しかったもんでちょうどよかったわ」
そういうと、おばあちゃんは頬を赤く染めた。