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フェル 森で偶然助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと暮らしていく話  作者: カトウ


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倍になって返ってくる

 90 倍になって返ってくる


「それでエリママがお金を払うと言って聞かないのだ。銀貨を出そうとするから慌ててそれを止めたのだ。ゼランド氏も言い出したら聞かないから黙ってもらっておきなさいと言うから、本当に断るのが大変であった」


 持って行かせたお弁当はエリママの口に合ったようだ。エリママは独り占めせず、ゼランドさんと分け合って食べたらしい。あの夫婦はとても仲が良いとフェルが言う。

 今日はゼランドさんの自宅で編み物を教えてもらって来たそうだ。

 お金は受け取らなかったが、せめて何かお返しをと言われて、フルーツをたくさんもらって来てしまったらしい。悪くならないうちに使い切らねば。


 フェルがもらって来た袋を覗くと、リンゴやブドウ、オレンジなど、どれも品質がすごくいい。困ったな。あのお弁当原価で考えたら銅貨3枚もしないんだけどな。

 キノコだって森で採って来てもらったものだし。

 フェルは明日もエリママのところに行くらしい。


「フェル。ちょっとお願いがあるんだけど、ガンツのところに行って、明日の夜、工房に行っても大丈夫か聞いてみて欲しいんだ。ホランドさんに頼まれているんだよ。泡立て器と、精米器、それからピーラー。ホランドさんも欲しいって言ってて。あと僕も作って欲しいものがあるからガンツに時間が取れるか聞いてみてくれない?」


「全然構わないぞ、エリママには昼くらいに行くと言っているからな。朝はギルドで依頼の相談をして、何かありそうだったら明日改めて依頼を受けようと思っているのだ。ガンツのところには午前中には行けるはずだ。そうだ明日のお弁当はガンツの分も作ってくれ。エリママの前では食べにくい。またエリママの分も作ると今度は何が返ってくるかわからないしな」


 どうやらエリママを説得するのは相当大変だったらしい。難しいな。

 お金持ちにお礼の差し入れをすると倍になって返ってくる。

 フェルが言うように少し日を空けて今度は少し豪華なものにしよう。


 元王女に銅貨3枚で作れるお弁当とか。

 世が世なら不敬罪で僕は捕まってしまうよ。


 僕も布団の中で、今日お店であったことをフェルに話して、話しながらいつの間にか眠ってしまったらしい。翌朝起きたらフェルにそのことを言われて笑われてしまった。


「たぶんケイが思っているより体が疲れていたのであろう。なかなかかわいかったぞ。寝顔も、眠りに落ちる瞬間も」


 そう言われて顔が熱くなる。


 ラウルさんにタマゴの発注が増えることを伝えて、市場を少し散策してから帰った。


 お弁当にはもうタマゴ焼きは欠かせない。

 キノコを刻んで炒めた玉ねぎと一緒に包んだオムレツと一口大に丸めて揚げたコロッケ。生野菜ときんぴらを入れる。

 ガンツがこの間作ったきんぴらを絶賛していたからだ。ガンツの分にはきんぴらを多めに入れた。

 隙間にオレンジを詰めてお弁当は完成。


 今日もフェルは中身を見ないように我慢している。その姿がとても可愛い。


 朝ごはんを食べ終わったらいつもより少し遅くなってしまった。後片付けをフェルにお願いして、お店に向かう。

 なんとか10分前にお店に着いた。


 今日もスープは僕が作ることになり、ホランドさんがレシピを僕に渡してくる。それを見て大体同じ感じに作ればいいそうだ。

 季節によって使える野菜が違うからその時あるものを生かして作ればいいと言ってくれた。今日はトマトベースのシチューだ。

 トマトももう終わりだしな。僕もケチャップを作るために朝市場でトマトを買って来ていた。お昼休みに作るつもり。


 食料の保管庫を見て、レシピにある野菜や、けっこう残っている野菜で使えそうなものを選び、皮を剥いたりして下処理をする。

 セロリが少し萎れていたからそれも使うことにする。味が変わりそうだったから一応ホランドさんには言っておいた。

 セロリは後で塩ダレにすりおろして入れるらしいから、その分は残しておいてくれと言われる。なるほど、あのちょっと爽やかな感じはセロリだったのか。


 仕込みをしながらホランドさんといろいろ話をした。

 ここの仕事が終わったら冒険者の仕事に戻るのか聞かれて、僕はあまり強くないから、また何か街でできる依頼を探すと答える。


「できれば飲食店がいいんですけどね」


 そう言うと、知り合いに人を探してないか聞いてみると言ってくれた。

 次の仕事も飲食店がいいな。


 ホランドさんが、大体最初はスープ作りをやらされるから、うちにいる間に少しでも勉強するといいと、レシピ帳を見せてくれた。昼休みにでもそれを見て、作りたいものがあったら明日の献立にすればいいとまで言ってくれた。

 発注したいものがあったらホランドさんに言えば頼んでくれるらしい。


 トマトのシチューは少しじゃがいもがゴロゴロっとするような感じで作った。

 オーク肉をぶつ切りで入れて、セロリで臭みをとる。オーク肉はけっこう残っていたので、スープに使わせてもらった。

 

 味見してみるとけっこういい味に仕上がった。この香草の使い方は参考になるな。自分のノートにホランドさんの香草の使い方をメモしておく。

 

 こないだの依頼で、マルコさんにトマトソースの作り方を教えてもらった時とはまた少し違う香草が使われていた。

 今日はあまりアレンジせずにレシピにできるだけ忠実に作ってみたけど、出来上がったスープはけっこう上手く作れた。ホランドさんも褒めてくれる。


「今日は唐揚げよりスープの方が出るかもな。遠慮なくお客に勧めていいよ」


 ホランドさんがそう言ってくれる。

 オーク肉をけっこう使ったので、今日のスープは銅貨6枚になった。贅沢に作りすぎたとホランドさんに謝ったら、オーク肉も悪くなる前に使えたから気にしなくていいと言う。充分銅貨6枚分の価値はあるから胸を張ってお客さんに勧めなさいと言ってくれた。


 時間になったので開店だ。お客さんが並ぶ中、営業中の看板に変えて今日も仕事が始まった。










 

読んでいただきありがとうございました。

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