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フェル 森で偶然助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと暮らしていく話  作者: カトウ


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炊き込みごはん

 89 炊き込みごはん


 今日も市場までフェルと2人で一緒に走り、ラウルさんのところで牛乳を買う。

 ラウルさんに、とりあえず今日から30個、仲買人が昼くらいに取りに行くと言っていたことを伝えた。もしかしたら仕入れが増えるかもしれないと言ったら、問題ないとラウルさんは言ってくれた。


 帰って来てお弁当を作る。

 今日のタマゴ焼きにはケチャップをつけてあげた。唐揚げ、ほうれん草みたいな野菜のおひたし。腸詰をできるだけ彩り良くお弁当箱に盛り付けた。


 今日は休みの日だが、お弁当は食べたいとフェルにおねだりされて、こうして作ってあげている。エリママにも頼むと言われて、僕の弁当箱にエリママの分も詰めて渡したけど、え?大丈夫だよね?


 おにぎりは昨日フェルが採ってきてくれたキノコを使って炊き込みごはんにした。

 残ったごはんは昼に賄いで食べるので全部おにぎりにしてしまった。


 ちょっと手間だけど、朝食のために普通の白米も炊いた。その日の朝食べる分はおにぎりと同じにしたくなかったからだ。

 だってフェル、お昼におにぎりの包みを開けるのをすごく楽しみにしてるって言っていたから。


 朝食は塩鮭を焼いて、味噌汁とお浸しをつけた。なんとなく朝食は銅貨2枚程度の予算で作ることにしている。

 塩鮭が少し高いんだよね。今日は少し予算をオーバーした。


 弓の練習は相変わらず続けている。

 いつもご飯が炊き上がるまでの時間で、10本、できるだけ集中して撃つことにしている。


 途中でフェルと別れてミナミに行く。

 外の掃除をしようと箒を持って出ようとしたらホランドさんに呼び止められる。


「ケイくん、昨日バタバタしてて忘れていたよ。これタマゴのお金と、あとあの札を作ってくれた材料費ね」


 そう言ってホランドさんが銀貨1枚渡してくる。これではもらいすぎだと言うと、これから賄いで何か使いたい食材があったらそのお金で買ってくれと言われる。仕方ないのでそのまま受け取った。


 ホランドさんは今日は塩ダレを作っている。スープはホランドさんの指示で僕が作った。

 僕が入れる具材を少しずつ時間を空けて入れていたら、どうしてそうするのかホランドさんが知りたがった。


「それぞれ野菜には火が通る時間があるから、火をなるべく通したいものは先に、あまり火を通しすぎると歯応えがなくなったりしてしまうものは後に入れるんです。そうするとおいしくなるってじいちゃんが言っていて」


 そう言うとホランドさんが感心した顔で頷いた。


「君のお爺さんは腕のいい料理人なんだね」


 本当は僕の前世の知識にあったからなんだけど。

 あの頃は使える食材も限られてたからな。少しでもおいしくするためにこうすることにしたんだっけ。


 ジャガイモやニンジンはあったが、あとは森で採ってきた野草が中心だった。

 じいちゃんの店で使って出た野菜クズとかも、丁寧に洗って使ってたな。

 ニンジンの葉っぱとかもよく使ってた。最後に入れて少しだけ煮込むのがコツだ。


 家庭菜園では比較的育てやすい根菜を中心に作っていた。


 最後に味を整えて、ホランドさんに味見をしてもらう。十分合格だと言われた。


 ホランドさんは今日のパンを昨日より多めに発注していた。余ったら持って帰ってもいいそうだ。


 今日もマヨネーズは無料で出す。

 来週から銅貨1枚で付け合わせとして出すそうだ。


「いらっしゃいませ!」


 営業中の看板を出しに行くともう外には行列ができていた。順番で注文を聞いて札を渡していく。

 その中には見たことのある冒険者の姿もあった。ギルドで噂を聞いてきたのだと言う。

 「今週まではマヨネーズが無料でサービスだからお得です」って言って、みんなに宣伝してもらうことにした。


 サラダを手早く盛り付けて水と一緒に配る。

 出来上がった順に料理を出していくけれど、店内はもう満席だ。合間で並んでる人に注文も聞く。

 ホランドさんも手一杯なので、スープの配膳は僕がやることにする。楽しいな。忙しいけどなんだかやりがいがある。


 流石にホランドさんもくたびれたみたいだ。賄いを作っていたらテーブルでうとうとしていた。

 炊き込みごはんのおにぎりを皿に置いて簡易に蒸して温める。店で出していたスープを小さめの器に盛る。

 サラダは秘伝の塩ダレを使ってドレッシングを作り、味付けした。


 奥さんも降りてきて3人でお昼ご飯を食べる。まだ足を引き摺っているけど、なんとか階段は1人で降りられるようになったみたいだ。


 炊き込みごはんは美味しくできていた。フェルはもう食べたかな?エリママの口にも合えばいいのだけど。


 食べ終わって少し休憩したら、明日のための弁当の仕込みをする。店の油をお借りしてコロッケを作った。コロッケのタネに濃いめに味をつけておいたから、なにも付けず食べれるはずだ。

 ホランドさんが食べたそうにしていたから1個あげた。僕が味見する分だったけど、ホランドさんはこれは美味しいと言って、後で自分でも作ってみると言っていた。

 美味しくできたら新しいメニューに加えてくださいと言ったら、レシピの料金を払うと言い出す。それはきちんとお断りした。

 こんな単純な料理たぶん似たようなレシピは登録されてるはずだ。

 その料金は知らないけど。


 お肉は入ってなかったけどコロッケは村にいた時たまに作っていた。

 行商人から油を買った次の日はいつもご馳走で、その時作った揚げたじゃがいもやコロッケのことは、村で過ごした日々の中で楽しかった思い出だ。


 ちなみにコロッケは小さい頃じいちゃんと試行錯誤しながら作った料理の1つである。


 追加で届いたパンをカゴに入れ、マヨネーズが足りなくなってきたので補充する分を作る。タマゴはもう少し仕入れを増やすみたい。

 明日一応ラウルさんにも言っておこう。


 夜の営業も順調で、ホランドさんには僕がきてから売り上げが伸びたとお礼を言われた。

 フェルがそろそろ営業が終わる時間にやってきて、お米を炊くのを手伝ってくれた。


 今日の夜の賄いは親子丼だ。残った唐揚げ用の鶏肉を細かくして、玉ねぎと一緒に炒めて、お酒を少し入れた卵で閉じた。

 お醤油を使うとなんでも美味しくなってしまう気がしたので、今日の親子丼は醤油無しの味付けだ。塩ダレが万能だから美味しくできた。


 出来上がった賄いをスープの残りと一緒に出す。

 マリナさんは僕が作ったスープを飲んで、夫が作ったのより美味しいと褒めてくれた。


「スープはけっこう得意なんです。実家ではほとんど毎日スープを作ってたから」

 

 そう言っておいた。

 

 実際のところ村では大体パンと何かしらのスープだったもんな。王都に来てからだよ。こんなにいろんな食材が使えるようになったのは。


 ホランドさんは精米器を買うつもりでいるらしい。今度の休みに注文してくることにした。

 

 今日も忙しかったけど、なんか楽しかった。いろいろ任せられることが増えたからかな。なんか充実していた。


 





 












読んでいただきありがとうございました。

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