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フェル 森で偶然助けた女性騎士に一目惚れして、その後イチャイチャしながらずっと暮らしていく話  作者: カトウ


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トマト

 67 トマト


 朝がだいぶ寒くなってきた。


 布団から手を伸ばして暖房の魔道具のスイッチを入れる。

 部屋があたたまってきた頃に2人とも布団から出て着替えをする。


 フェルはいつものランニングに出掛けて、僕は朝食の準備をしながら弓の練習をする。

 昨日の感覚を思い出しながら丁寧に10射ライツの弓で矢を放つ。

 なるべく綺麗な射形を意識してゆっくり矢を放つと、たった10回撃っただけで腕がパンパンだ。


 ご飯もそろそろ炊き上がる。

 今朝の朝食は余り物でささっと作った。

 味噌汁と野菜炒め。あと梅干し。

 昨日買い物する体力もなかったもんな。

 夕飯はすこし頑張って作ろう。


 フェルが戻ってきたので朝ごはんを食べる。


「ごめんね。今日は余り物で。夕ご飯はちょっと豪華なものを作るよ」


「何を言ってる。余り物で作ったようには到底思えんぞ。今日はどうする?明日の炊き出しの食材を買いに行くのだろう?」


「市場に行って買い出ししたら、ギルドで昨日までの依頼料を清算してもらわなくっちゃ。ガンツのところにも顔出さなきゃだね、あぁ、ライツに僕の弓を預けっぱなしだ。それも取りに行かなきゃ」


「ライツは来週の遠征の準備に行くのでは無いか?先行して狩り場の柵を作るような話をしていたが」


「え?そうなの?今から急いで行けばまだいるかな。その後市場か。ちょっと遠回りになっちゃうな」


 そんなことを言っていたら馬車が停まった。ライツの馬車だ。


「ケイ。お前の弓を持ってきたぞ。弦を張り替えて少し補修しておいた」


「ありがとう。ライツ。今から取りに行こうかと話してたところだったんだ。助かるよ」


「これからギルドに寄って、それから来週の遠征の準備に向かうんでな。向こうで渡す機会があるかわからんので届けにきたぜ」


 そう言ってライツは僕の弓を渡してくる。

 それを受け取るとライツは急いでいたのか、すぐにギルドに向かって行った。


 朝のピークが終わった頃にギルドに行く。

 ギルドの中にある会議室で報酬の受け取りをすることになった。


 ホーンラビットは3日間で700体以上狩った。

 その報酬だけで金貨1枚と銀貨で40枚ほどになる。だけど僕たちだけの力でできたわけじゃない。そのことをサリーさんに伝えて金貨1枚だけでいいと言うと、貰えるものは貰っておきなさいと諭される。

 狩りの技術提供に対しての報酬はまだ決まっていないそうで、もうしばらく待って欲しいと言われた。

 結局金貨1枚と銀貨45枚の報酬を受け取る。もらいすぎな気がする。

 次の遠征では参加人数が多いため、報酬は定額にさせて欲しいと言われて、もちろんですと答えた。


 贅沢をしなければ、だいたい銀貨20枚くらいでひと月暮らせる。たった3日間で銀貨で145枚はちょっともらい過ぎだ。でもこれでガンツに残りの装備のお金を支払って少し生活に余裕ができる。

 ありがたい。


 ギルドの訓練場で、ライツが手直しした弓を試し打ちした。

 弦が新しく張り直されていて、今までより引きやすい。そういえばお金。ライツに払ってないや。今度何か作って差し入れしよう。


 ギルドの食堂でお昼を食べたら、ガンツのところに行って装備の残金を払う。

 銀貨で80枚。

 簡易に作った僕の装備はともかく、フェルの装備はこれで万全だ。


 騎士ってガチガチに鎧を纏っているイメージがある。最初は森に捨てて来たヨロイみたいなのを買えばいいと思ってた。

 でもガンツが言うには違うらしい。


「あんなもん重いだけのただの飾りじゃ」


 フェルも同じ意見らしい。

 ひとまず装備が整ってよかった。


 装備が整ったなら、次はやはり住むところだろう。

 遠征が終わったらフェルと2人で探しに行こうかな。


 炊飯器の魔道具はもう少し時間がかかるみたいだ。鍋の部分にあたる素材をもう少し考えたいらしい。

 そういえばと、3男が言ってた土で作った鍋の話をして、お米を炊くのにはそれがいいと教える。さっそく明日にでも3男に聞いてみるとガンツは言っていた。


 市場に寄って明日の炊き出しの食材を買う。ゴードンさんは箱いっぱいの野菜を僕たちに渡して来た。

 明日も雑炊にするつもりだけど、味噌で味付けしてみよう。


 夕方スラムに戻って、僕はトマトケチャップを作ることにした。

 マルコさんから習った美味しいトマトソースを応用して、ケチャップを作る。

 今回はミキサーもあるのでトマトをミキサーで潰してから弱火で煮込んで、教えられたスパイスとお酢を混ぜた。

 すりおろしたタマネギとニンニク、バターを少し。ほんの少しだけ唐辛子を入れて、焦げ付かないように少しの水を入れて火を通す。

 そしてそれもトマトの鍋に入れて焦げ付かないように優しくかき混ぜながら煮詰めていく。砂糖と塩で味を整えて、ドロっとちょうどいい重さになったら完成だ。

 試しに舐めてみる。いい感じだ。

 スパイスは自分で森に行って取ってくれば原価は相当安く作れそう。

 スパイスを乾燥させて保存する方法は母から教わっている。


 フェルにお願いしてマヨネーズも作ってもらった。


 それぞれできた調味料を煮沸消毒した瓶に入れて保温箱の中に入れた。

 ケチャップは多めに作ったからしばらくいろいろ使えるだろう。


 せっかくケチャップを作ったから、またオムライスでも作ろうかな。


 タマネギ、ホーンラビットの肉、キノコなど、適当にみじん切りにして丁寧に炒める。

 バターとケチャップを少し、それをお酒で伸ばして、炊き上がったお米と馴染ませる。少しだけお砂糖を入れてコクを出す。

 それを火にかけて炒めて、追加でケチャップを足して味を整える。

 フェルはきっとおかわりするだろうから少し多めに作った。

 タマゴを3個使ってふんわりした半熟のオムレツを作り、出来上がったケチャップライスの上に乗せたら、包丁で丁寧に切り込みを入れオムレツの皮を剥くようにすれば、半熟のオムライスの出来上がりだ。

 以前に作ったものより具材がたくさん入っている。

 あの時お金なかったからなー。


「ケイ!これは前に食べたことがあるやつだな。オムレツがこの前と少し違うが、なんとも美味しそうだ」


 冷めないうちに食べた方が美味しいから、スープは省略してお茶だけ出してさっそく食べる。


 やっぱりケチャップが美味しいと全然味が違うな。


「ケイ。おかわりはあるのか?前に作ってもらったものよりさらに美味しいぞ」


 ピザでもトマト鍋でも喜んでいたから、フェルってトマトが好きなのかな?美味しいよね確かに。あの街で買ったトマトはかなり新鮮だったし。

 でももうトマトの時期も終わっちゃうんだよね。ケチャップとか、トマトソースとかもうちょっと作っておこうかな。


 フェルはもう1個オムライスをおかわりして完食した。


「このタマゴがトロっとしたのもいいが、前みたいにタマゴでしっかり包まれてたのもいいな。どちらかと言われると迷ってしまうが……」


 フェルが楽しそうだ。


 共同浴場に行く前にゼランドさんの店で味噌をひと樽買った。醤油はまだいっぱい残っている。


 お風呂上がりに2人で洗濯をして、フェルの髪を乾かしてあげてから、しっかり外套を着込んで急足で家に戻る。もうちょっと共同浴場から近いといいんだけどな。


 家に帰って布団にくるまって、明日の炊き出しのために、前回の反省点など確認する。

 下ごしらえかな、とにかく具材を先に切ってしまえば、あとは火加減を見るだけでいい。

 そうこうしていたら眠くなって来たので、あかりを消して眠った。 


 















 


 

 


 

 

読んでいただきありがとうございました。

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