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手足の先から痺れいく感覚と、内臓が何度も押し潰された痛みが私の身体を襲った。
突然の事で、よく覚えてないけど印象に残ったのは女性の甲高い悲鳴と人の慌てる声が聞こえた気がする。
その後の事は脳による自衛反応が働いたのか覚えていない。人としての最後、私が死ぬ間際の記憶ーーー
次に目覚めた時は白が目に入って来た。一瞬、何がなんだか分からずに混乱した。
だって、何もない空間で目覚めたとかどこの転生系小説だよ!神でも出てくんのか!?って思ったのに一向になーんにも起きない
とりあえず、ずっと仰向けで寝てる状態は流石にまずいと思い立ち上がろうとした瞬間、脳味噌に走馬灯の様に情報が流れて来た。
「おえっ・・・!」
乗り物酔いをした時の様に吐き気にオマケで目の前がチカチカしてきた。
吐き気をやり過ごしながら、ゆっくりと脳内に流れてきた情報を咀嚼していく。
やっぱり私はお約束の様に死んで今いる場所に転生しまっているようだ。
まぁ、それはそれでいい。
「私が神で、この白い空間から世界を創るとか正気か?」
よくあるはじめから完成された世界への異世界転生ものなら私もまだ納得した。
だが、こんなだだっ広い何もない空間で一から生き物が住める様に世界を創るだなんて気の遠くなる様な役割ってなんなの!?
そりゃ、創造記とかで7日間で世界を作ったーだとか、派遣された男女が矛で大陸作ったとか、一人で何人もの神様を産んだって話を知ってるけどさぁ!
実際自分でするのとお話としての知識は全然違うと思うの・・・!
神話みたいに世界を創るとか私には無理よ!?とりあえず、ビックバン起こせばいいの?
そもそも、神の力ってなに?奇跡を起こす力なんだろうけど、使い方が全然わかんない。
こういう時っと天啓とか降りてこないの!?って、私が神だからないのか
「めんどくさ・・・」
色々と考えるだけ気が遠くなるしやる気も出ないからとりあえず寝よう。
ここ最近、あんまり眠れてなかったかし、もしかしたらただの夢で、目が覚めたらただの夢で病院のベッドで寝てるかも知れないし
いや、もしかしたら事故に遭った事すら夢かもしれない。
明晰夢の中で寝てどうなるのかわかんないけど、今より酷くなる可能性はないと思うし。
そんな風に願いつつ目を閉じた。