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春ひとり

作者: 武田道子

春ひとり




春ひとり

佇む宵に桜ちる

その幽玄な桃の色

どこまでも透明に白に近く

浮かび上がるのは

桜の魂か





悲しげに微笑む月の下

誰を待つのかその姿

春ひとり 舞うその美しさ

月は傾き 銀の雫

古の物語をひもときながら

いつまでも いつまでも

はらはらと舞いはつづく





春ひとり

花びらに降られながら

霞んでいく記憶の糸を手繰るとき

あなたの気配に心躍る

振り向けば

(はな)の香りに胸が詰まる

思いははや遠く





降り積もった花びらに

風がさらさらと吹き寄せる

春ひとり

吹き溜まりにうずくまる

春の夢 うとうとと

目覚めることがないように

(はな)の下で目を閉じる


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― 新着の感想 ―
[良い点] 幽玄の美をにじませる、 春ひとりの連なりに、 衣擦れの音がしてくるようでした。 哀しげな、宵の息遣いというのか、 そこに、引き込まれる自分は、 儚さの美を求めているのかなと思いました。 …
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