お掃除
●お掃除しましょう●
パシュ!ピカ!ボン!シュゥゥ……パン!
パシュ!ピカ!ボン!シュゥゥ……パン!
パシュ!ピカ!ボン!シュゥゥ……パン!
部屋にはこの音が繰り返されています。
部屋には白い煙が立ちこめ、時たま眩しい光が煙を通り抜けて、シャーリーのシルエットを作り出しました。
「またやっているわ。」
部屋の様子を見ていたディランがため息をつきました。
「いいじゃないですか、姉様?どんな方法でも、召使いにはかわりないですわ。」
横にいたベルナルドが口元を歪めて笑います。
「そうね……。好きにやりなさい。」
ディランが薄気味悪く笑いました。
「ふぅ……。」
その頃、シャーリーは一通りドレスをそろえ、地味なものは派手なものに錬成して、より派手なドレスへと変えていきました。
そして、ドレスを作り終えるとキッチンへと向かいました。
シャーリーは、ディラン達のためにクッキーを作ることにしました。
手先の器用なシャーリーは一発で見た目も綺麗で美味しそうなクッキーを作ることができました。
しかし、分量を全体的に間違い、たくさん作ってしまったのです。
「どうしよう……。」
シャーリーはいいコトを思いつきました。
ディラン達の他にもう一つラッピングすると、シャーリーは満足そうに微笑みました。
シャーリーは、ブロッサムにクッキーをあげるつもりでした。
シャーリーは、初めてブロッサムと出会った日から、毎晩のようにブロッサムと話をしていたのでした。
今日は、日々の感謝もこめて、クッキーを食べてもらいたい……。
シャーリーは、強く思いました。
ボロボロのエプロンの今にも穴が開きそうなポケットにクッキーの袋をつめこむと、シャーリーは、次の仕事へと取りかかりました。
「えっと、クッキーとドレスの用意が終わって……。メイクの道具も分ければいいだけだから……、残りは掃除か。」
シャーリーが物置に行くと、普段あるはずの掃除道具が消えていました。
「きっと……お姉様達が……。」
ここに来る間、焼却炉の近くにディラン達がいたのをシャーリーは思い出しました。
箒は今頃燃えて灰になっている事でしょう。
「仕方ない……。」
シャーリーは外に出て、太く、大きな木の棒を拾ってきました。
両手に手袋をはめ、模様が重なるように手を合わせて、箒に触れました。
パキパキパキパキ……
棒が音をたてながら箒の形へと姿を変えてゆきます。
ボン!!!
白い煙がたちこめ、爆発音が響くと棒は新品同様の箒になっていました。
「よし!成功!」
シャーリーは満足そうに笑いました。
「掃除を始めましょう!」
ザッザッ……テンポのよい音が暖かくなった部屋に響いています。
パーチィーまで後7時間……
主人公、すごい技術持ってますよね。
流石ですw