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ブルートレイン  作者: さくらとむ
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知っていることとすることは違う

そして僕は暗闇の中を歩いていた。すっかりあたりは消え去ってしまったので、僕は自分が生きているのか死んでいるのかも分からなかった。

松明の光が向こうからやってきて、妖しい女がニコリと笑った。大丈夫、知り合いだ。彼女は最古参の一人だ。僕は妖しい見た目の子やワルい子が実は好きだ。むしろ真ん中や王道の子はなぜか一人もいない。僕はある程度自分がうまく言っていると思ったし実際うまくいっていた。死を何度かこの足で巻いたし、実際に何度か撃退したではないか。謎のような魔法をいくつもただの水に変えたではないか。僕はもう大丈夫だと、そう思うだろう?


彼女はキラキラと緑色の宝石を輝かせながら、熱い息を僕に吹きかける。実際僕は大丈夫ではなかった。僕は暗闇を歩いている人間として、少なくとも自分の考えていることは正しいのだ、と信じるべきだった。それが実際に自分にできればだが。彼女の目的は二つあり一つは単に愛しているからでもう一つは寝ずの番をするためだった。


悪人は悪を行うためには眠らない。だが僕は実際には連中のシェアを削いでいるのだ。まず彼らは偉くはないし、一人ぼっちだ。強烈な圧迫感は僕の生きるはずだった失敗した人生だからだし、いったい誰とも関わらずに自分が偉大だと説明できるものがあろうか?彼らは僕から奪う代わりに何でも持っておるというが、そも彼らに興味がないのだ。どうしようもない。


しかしながら、僕は物理的には小さい猫科であるに過ぎなかったのだ。もしかしたら、全ての考えは正しくないかもしれない。それはないかな、と彼女は言うけど。もしかしたら彼女は悪魔かもしれないじゃないか。じゃあ試してみる?何ヶ月か後にわかるんじゃない?ああ、うん、そうだね。でもほら、コンプライアンスってあるだろ?


殆どは疑いによるんじゃないか?僕はそんな事を口にしてみる。もしかしたら自分は正しくはないんじゃないか?もしかしたらそのせいでとんでもない間違いを犯すんじゃないか。こうしてあえて口にすれば馬鹿馬鹿しい全てが、実はあの魔女の力の殆どになってやしないか。

いったい立つところもないのにどうやって何かを説明する?実際にはそんな必要などないというのに…。


彼女がいなかったら?きっと多分僕は途中で挫折して崩壊していたんじゃないか。僕は崩壊へのカウントダウンを知らずして回避していることになる。けれど連中は回避できなかったって自信が僕にはある。僕がこの帳を超えるのは不可能だから。


だから僕は恐れずに暗闇の中の女を抱きしめるのだった。

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