冒険者と番い
「私の旦那と、旦那の仕事仲間よ。私の旦那は冒険者をやっているの」
と、リサさんが言うと、リトくんも続けて
「パパはかっこいいんだぞ〜」
と声高々に言う。
「冒険者ってなんですか?」
「そうね、チキューにはない職業だったわ。冒険者って言うのは、グロブに生息する猛獣を倒す仕事なの。モンスターはこの都市の外にゴロゴロいるから外に一人で行ってはダメよ」
リサさんが何かを温めながら答える。
「猛獣って…獣人とどう違うんですか?」
何だかさっきから質問してばかりだと思いながら聞く。
「どう違うって、全く違うわよ。猛獣は喋れないし、人を襲ってくる怖いものなの。それを駆除するのが冒険者の仕事のひとつよ」
説明しながらリサさんの手は止まらない。流石だ。
「危なくないんですか?」
「危ないわよ。普通は、番いを持ったら辞める仕事よ。それなのにあの人は、この仕事がお前と同じくらい大切だなんて言って…。もう、嫌になっちゃうわ。稼ぎがいいのは確かだけど、命を落とすこともある危険な仕事なのに」
鬱憤を晴らすかのようにキャベツのような野菜を素早くみじん切りをしながらリサさんは言う。
「番いってなんですか?」
「そうそう、大切なことを言うのを忘れてたわ。番いって言うのは、」とリサさんが言いかけるとガチャっとドアが開く音と、「ただいま!!」という声、「お邪魔します」という声が聞こえた。